サブカル大蔵経874原武史『平成の終焉』(岩波新書)
『大正天皇』などの著作で天皇の母親の存在と所業を浮かび上がらせた原武史先生。
平成天皇の一連の退任記事で出したコメントに対して、宮内庁に因縁をつけられた先生の回答が岩波新書で。
穏やかな平成天皇夫妻が、実は…。
美智子が主導する平成流。p.9
平成天皇ファンの左翼にこそ読んでほしい。
この本、発売日からなかなか店頭になかった印象です。
おことばからの特例法も論理的には法の上に天皇が立ってしまう。p.52
ソフトでハードなビデオメッセージ。
国民全体が天皇に祈ってほしいとか、来てほしいと思っているかどうかは、必ずしも自明ではありません。p.55
あまり知られていない祈りの仕事
皇太子妃は皇太子を上回る人気。皇太子さまを見なかった人が多いのではないか。(「北日本新聞」1961年10月17日)p.76
皇太子妃の言う、理論だけでうわずった人が、東京などの大都市の学生、新左翼の学生を指しているのは明らか。p.100
この年、あさま山荘事件。
政治の人々に対する不満が高まれば高まるほど、天皇や皇后がそこから超越した「聖なる存在」として認識される構造。昭和初期の超国家主義にも通じるこの構造は各地で災害が起き、被災地を訪れるたびに強化されていった。p.149
実は神格化が進んでいった。
皇太子夫妻は登山。元新左翼のアジールだった山小屋福ちゃん荘で休憩。p.160
原先生の見立てでは、現天皇・皇后は、上皇たちとは違うスタイルだろうとのこと。現在、全く巡幸をしない。予想的中。
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