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サブカル大蔵経417 十文字美信『黄金風天人』(小学館)

 日本の黄金美術を一冊に纏めた写真集。

 人間と黄金の関係。

 人間だけが黄金に反応するのだろうか。

 金は金ピカの派手かと思ったが、意外と地味に映える。派手とか地味を超えた存在感が放たれているのをおさめてくれた。

 本書は松岡正剛さんの著書で紹介されていました。本書でも、松岡さんの文章が載っていました。

「向こうの光」としての黄金の問題をめぐっている。(松岡正剛)p.309

 浄土と仏像と黄金が席巻した千年前。

 仏像、巻物、箱、衣服、十字架にも金が施されています。何かの願いが込められているのでしょうか。

 日本の伝統工芸がユネスコ無形文化遺産になったと今日テレビで知りました。技術と伝統を尊ぶ気質が広まりますように。

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 表紙からただならぬ迫力。

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 本書自体が工芸品としての端正な作り。開くと、遊び心ある仕掛け。

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 冒頭、著者より本書の背景が綴られる。文字が読みづらいけど、逆に新鮮。

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京都 醍醐寺 如意輪観音坐像(重文)p.95

 見開きで、右に解説、左に写真の構成。かなり文字が多いです。相当の情報量。

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 本書を開こうとすると猫が本の上に座ってしまいました。本だと思っていない。何かただならぬものが漂うのでしょうか。


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