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サブカル大蔵経105小田扉『団地ともお』(小学館)

 小田扉は幻想作家でSF作家である。

『団地ともお』は、なぜ、こんなに毎回すごい内容を週刊連載できるのか。「この作品と同じ時代に生きていて良かった」というクオリティだった。

 この作品はいつも余韻なく小さなコマで終わる。話されるのを拒否するかのように。だから完結した今、話したいことがいっぱいある。


 ともおが実は一番大人っぽい

 ともおの伴侶は、委員長かケリ子か。

 母親の髪形の変化の意味

 なぜ最後まで父親は顔を出さなかったのか

 阿羅間選手のファンタジーさ

 あの世のばあちゃんの妙なしたたかさ

 カラスの毛色の美しさ

 姉ちゃんとより子の髪型の描き方の美しさ

 画期的な、いいデブ、よしのぶの奇跡

 コンビニたにしマートの兄ちゃんの人の良さ

 間さんの子供のようなあきらめなさ

 本当の友人は吉本ではなく根津だったのか?

 姉ちゃんとみつおの交換日記のゆくえ

 委員長の鉄道オフ会がまさかの最終話・・。

 そして主人公らしくないもう一人の主人公青戸

 そのパートナー、松葉杖の坂上


 第29集で拾うと、

クイズ60年後、通販オペレータースズキ、長ズボン呪い、ぴったりにこだわる斉木さん、宮川とケリ子、カレンダーシール、ともお言葉ベスト3と田宮、新聞係みつおとともお、幽霊の稼ぎ、電気樹部屋山瀬さん、名前リセットされた者たちの新しい世界ゲーム・サイクルクエスト、子供会カレー、改造シャープF、ケリ子の言葉現実化とおやじ、レストランバラシ、ダルマ落とし記憶、姉妹の帰り道

 たった一冊にここまで奇想が詰め込まれている。至福の作品。永久保存。

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永江雅邦
本を買って読みます。