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冷蔵室は食品の墓場?冷凍庫は永久凍土に

食品を腐らせないための「冷蔵庫収納術」


夏は台風などで停電が各地で発生し、冷蔵庫の食品がだめにならないかと心配される方も多いのではないでしょうか。最近の冷蔵庫は夏でも2~3時間、冷凍庫なら4時間程度は保冷状態が保たれますので大事には至らないでしょうが、普段から冷蔵の整理が下手だと、停電でなくても食料を腐らせてしまいます。
そこで、今月の特集は冷蔵庫の賢い収納術です。


本誌では5年前に『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』という本を紹介しました。
本の著者である食生活研究家の魚柄仁乃助さんのインタビュー記事(農林水産省広報ホームページ)では…

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「冷蔵庫と向き合ってみると、日本人の食生活の激変ぶりがよくわかってきます。食材の変化、嗜好の変化、流通の変化、環境意識の変化など、実に多くのことを考えさせてくれる生活道具なんですね」
そして断言します、「家庭の冷蔵庫は食品の墓場と化しています。不要な買いだめや食の浪費など、日本の飽食は冷蔵庫の巨大化によってもたらされたのです」


巨大冷蔵庫の中で食品が腐っていく

「多分、僕ほどよそのお宅の冷蔵庫をたくさん見てきた人間はいないと思います。普通、冷蔵庫は家庭のプライバシーですからあまり他人には見せたくない。そうして扉を開けてみると、もう今日中に使ってしまわないと明日腐るというものばかり。野菜もしなびて肉もあぶない、卵もそろそろ…だいたい8割方がそんな食材です」

「何のためにここまで買い込んだのか分からない。別に人里離れた山奥じゃなく、毎日新鮮な食材を買い物に行ける場所に住んでいる人達ですよ」

「本を書く少し前に、カミさんの田舎の実家に遊びに行ったのですが、お母さんは80歳の一人暮らしなのに400リットルの巨大な冷蔵庫がパンパンで、その9割方を腐らせています。冷凍庫なんか手前の10cmから奥はガチガチの永久凍土と化していて、ドライヤーで氷を融かして中のもの引っ張り出したら、なんと1994年の冷凍コロッケも出てきた。お年寄りは食べ物を粗末にしてはいけないという気持が強いですから、なんでもかんでも『もったいない』と冷蔵庫に詰め込んでは次々と腐らせています。こうなると冷蔵庫はもはや食品の墓場です」

「環境問題を考えるなら、まずは家の冷蔵庫を見直すことから始めてほしいですね。僕は口で言うより自分でやってみせなきゃと思って、本当に必要なものだけを買う生活を実践しています」

「カミさんと2人暮らしのウチの冷蔵庫は200リットルくらいの中型2ドアですが、それでも大き過ぎるくらいですよ」
冷蔵庫の巨大化と食の変化は実に密接に関連しているようですね。

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冷蔵庫の収納ルール☆エリアを区切って活用の冷蔵室と小さな野菜室のヒミツ


取り出しにくい、探しにくい…。
使い忘れて小さくしぼんだ野菜が奥から出てきたり、冷蔵庫にまつわる悲話は枚挙にいとまがありません。
すっきりキレイな冷蔵庫収納を叶えるために、買い物の頻度から野菜室の使い方、調味料をいれる100均の収納グッズ、作り置きおかずを保存するおすすめ容器まで、真似したくなるアイデアが満載です!


上段づかいが重要!平日は作り置き食材で乗り切りる

最初の工夫は、段取りによる整理整頓です。
朝ごはんは『盛り付けるだけ』、お弁当も『詰めるだけ』にするために、前の晩に食材を仕込んだり、常備菜を2~3種類用意しておきます。
前提としているのは、270リットル(写真)のコンパクトな冷蔵庫です。

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上段の冷蔵室を開けると、棚と引き出し式になっています。
ここに、4人家族の一週間分の食材をまとめて入れていきます。
結構なボリュームになりそうですが、どのような工夫があるのでしょうか。

その工夫は、「週末の作り置き」にあります。
しんなりしやすい葉野菜や、味が馴染むと美味しくなるおかずを中心に、すぐに食べられるお惣菜を3〜4日分ほど仕込んでおくのです。

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こうやって準備しておくと、朝食や夕食の副菜、お弁当のすきまなど、様々に使い回せます。
ちょこちょこ盛りつけるだけで色鮮やかなワンプレートになりますし、帰宅後も子供を待たせず夕飯作りができて、とても便利です。
日ごとに味が馴染む「きゅうりと塩昆布の和え物」や甘辛い味付けの「レンコンのきんぴら」「煮豚」などは大人も子供も喜ぶメニューです。
それらがぎっしりつまった冷蔵庫を開けるだけで、腹ぺこのお腹が満たされるなんて、素敵ですね。
沢山の作り置きは、平日の安心感につながっているのです。

味付け・調理の時短になる手作りの調味料


次は中段の引き出しを見てみましょう。

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ここには手作り調味料や保存容器に入れ替えた粉類をしまいましょう。
ほぼ高さのそろった瓶は、こうやって引き出しにしまうと見た目にも美しく、スッキリするのです。
さらに、ふたの上などのよく見える場所にラベルを貼れば、中身が一目瞭然です!
100円ショップで購入した容器や、空きビンを上手に活用して「よく見えて探しやすい収納」づくりを実践しましょう。


小さな野菜室に潜む、スッキリ冷蔵庫のひみつ


冷蔵室の一番下にある深めの引き出しが野菜室です。

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独立した野菜室が付いている冷蔵庫が主流な中では、小さい方かもしれません。
野菜室が小さめだと、「買ってきたときに、ある程度調理してしまわないと入らない」、ということがあって、野菜を半調理(茹でておく、洗っておくなど)したり、作り置きを用意するようになるはずです。
買い物の際にも、冷蔵庫にしまわなくていい根菜や、日持ちする野菜のバランスを考えて買うようにしましょう。

引き出しにしまった野菜も何日も置いておく事がないよう、作り置きの減り具合を見ながら、夕飯の仕度の合間に新たな作り置きに変身させていきましょう。

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そうやって過ごしているから、以前のようにしょんぼりと縮んだ迷子の食材がそもそも出てこなくなります。
冷蔵室の食材を1週間で入れ替えるというサイクルで、スッキリを実現していきましょう。


下の冷蔵庫の写真(上)のように、週の始めはこんなにぎっしりだった冷蔵室も週の後半には、写真(下)のように奥の壁がみえるほど余白のある状態になります。

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わずかに入っているのは、1~2食分の作り置きと野菜、そして保存が効く調味料やジャムなどです。
ここまで見通しがよくなると、来週はどんな献立にしようかと考える余裕が生まれますね。


作り置きが楽しくなる保存容器

ここからは、冷蔵室で使いやすくて便利な保存容器の紹介です。


【アイテム1】 調理から保存までいける野田琺瑯(ほうろう)

琺瑯(ほうろう)は電子レンジでの使用はできませんが、直火にかける事ができるので調理から保存まで大活躍。
シンプルなデザインなので、食卓にもそのまま出せるから、洗い物もちょっとだけ楽になります。

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写真の料理は、「マッシュルームとタコのアヒージョ」です。
調理→食卓→保存の好例です。
商品名:レクタングルホワイトシリーズ(野田琺瑯)
浅型0.8 L:幅14.5×奥行き20.8×高さ4.4cm
深型1.5L:幅15.5×奥行き22.8×高さ6.8cm


【アイテム2】 IWAKIのガラス容器

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電子レンジやオーブンでも使えます。
シンプルで、食卓にもそのまま出せるデザインなので、サイズを揃えて愛用できます。

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野菜をパックから出して洗うだけ、切っておくだけでも下ごしらえのうちなのです。そうするだけで、調理の度に手を拭いたり、ナイフを洗ったりするひと手間がなくなります。
商品名:パック&レンジ(IWAKI)
長方形:185×93×55mm
正方形・大:128×130×55mm
正方形・小:92×93×54mm


【アイテム3】 Felliのプラスチック容器

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中に見える「しょうゆこうじ」や「塩レモン」などの調味料の多くは、手作りできるものなんです。さて、粉もの容器のおすすめはこれです。

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商品名:storage Container(Felli )
サイズ:8×8×8cm



このように、冷蔵室の中を作り置きと食材が一週間で入れ替わるというサイクルで、スッキリを保ちましょう。
「パックから出して洗うだけ、切っておくだけ」の下ごしらえは早速始めてみたいなと思われませんか。



魚柄(うおつか)流「台所10の掟」とは?

賞味期限と言う「目安」にまどわされることなく、自力で賞味期限を大幅に延長させるのも大切な技術です。
魚柄さんはこのような食生活を25年続けて、以下にまとめる原理原則に気づいたのです。

1.腐らせずに食べきる
食べきれるだけの買物をしよう
そうすれば常に新鮮なモノが食べられる

2.あげない・もらわない・作りすぎない
食べたくないものをいただいてしまうと、
必ず腐らせる

3.腐らせない工夫をする
自然界の食べ物は安全だが必ず傷む。
そこで知恵が必要だ

4.使い切るまで買わない
買物に行く前に在庫チェック
冷凍肉があるのに生肉を買ってはダメ

5.台所用具は最小限に
見た目や広さよりも使いやすい台所に
そうすればやる気もでる

6.よく使う道具は見える場所に
道具の配置もやる気のもと
手間を省いて料理に集中しよう

7.調理台をモノ置きにしない
ミキサーやトースター、調味料に
作業スペースを占領させない。

8.流しに使った器や鍋を置かない
流しの邪魔者はいないか!
やる気をなくすモノをなくそう

9.1食作る手間で4食作る
カレーの野菜を切るついでに翌朝の
味噌汁用、下拵えで冷凍不要

10.使ったものはその場で洗う
包丁、まな板、布巾、など
洗い忘れるものを意識しよう

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