【旅photo日記】立春の夜に咲く藤の花 in あしかがフラワーパーク
2月に入って1週間が過ぎ、暦の上ではもう春です。
特に予定のなかった先週末、「やることないし、家でゆっくり仕事を進めようかな」と考えていたのですが、朝起きると外はとてもよいお天気で。
「やっぱりお出かけしたいかも」という気分になり、栃木県・あしかがフラワーパークへ足を運びました。
■昼の部:色とりどりの花が春を告げる
あしかがフラワーパークといえば、5月になると咲き乱れる広大な藤棚が有名な場所。
私も数年前に見に行ったことがあります。
立春を迎えたとはいえ、まだ寒い日も続く2月。
「フラワーパーク」といえども、お花が咲くにはまだ早いのでは……と思いきや、ちょうど梅の花が見頃を迎えていました。
この日は、晴天。
青空に梅のピンク色がよく映えます。
週末の昼下がり、有名な観光地だからさぞ混むだろうと心配していましたが、藤の花のオンシーズンではないためか観光客はそれほど多くなく。
おかげでゆっくり、じっくりとお花を眺めることができました。
お花はどこから見ても可愛いけれど、その中でもベストな角度を探したい。
人にも「こっち側から撮った方が盛れるんだよね」といった利き顔があるように、お花にもより美しく映る角度があるはずです。
「あなたのベストはどの位置?」と訊ねるようにお花とじっくり向かい合うと、時の流れを忘れてしまいます。
梅のほかにも、意外とたくさんのお花が咲いています。
もう、しっかりと春がやってきているんですね。
少し歩くと、色とりどりの花手水が。
カメラを構える位置によって、ファインダーに映る色合いが変わります。
お気に入りの組み合わせを探しながら、何度もシャッターを切りました。
あしかがフラワーパークは、開園時間が「昼の部」と「夜の部」の2部制に分かれています。
昼の部だけ見て帰ろうと思っていたのですが、どうやら夜の部はイルミネーションが見れるらしい。
あしかがフラワーパークのイルミネーションは「日本三大イルミネーション」にも認定されているらしく、夜の部のチケット売り場は長蛇の列。
「昼の部はあんなに空いていたのに……?」と気になってしまい、夜の部のチケットも購入しました。
■夜の部:闇夜に咲く藤の花
夜の部が開園し、辺りが暗くなるまで待機。
夕方17時を過ぎると、ライトアップがはじまりました。
マジックアワーのグラデーションに、薄ピンク色の藤が花開きます。
藤の花の見頃は5月。
藤棚から垂れ下がった花びら型の電飾が、まるで本物の藤の花のようです。
空はすっかり暗くなり、闇夜に藤の花が輝きます。
お花は咲いていないはずなのに、どこからか藤の香りが漂ってくるような。
なにか散布していたのか、それともただの気のせいなのかは分からないままでしたが、幻想的な世界に包まれ、あまりの美しさに息を飲みました。
あしかがフラワーパークのイルミネーションが有名なことは、なんとなく知っていたけれど、まさかここまでとは。あの長蛇の列にも納得です。
以前5月に本物の藤を見に来た際、メインともいえる「大藤」のスポットでは、私の頬まで垂れ下がるほど大きな藤が咲いていましたが、イルミネーションの藤棚でもそれが見事に再現されていました。
西ゲート近くの「大長藤」では、BGMに合わせて花の色が変わります。
あまりの煌めきに、なにを撮っているのか分からないほどですが、それもまた良くて。
本物の藤もそれはそれは美しかったけれど、夜にしか咲かない藤も神秘的で、また違う顔に魅せられました。
■足取り軽く、春を探しに行きたい。
お出かけの予定がなかったこの日、急な思いつきで出かけてきましたが、想像以上にすてきな休日になりました。
いつも春は、始まったと思ったらすぐに終わってしまうから、心の赴くままに、足取り軽く春を見つけに行きたいです。
本物の藤が花開くころ、またあしかがフラワーパークにも足を運ぼうと思います。