興味を持てないのは、知らないから。
知らないことはたくさんあるけれど、比較的、知識量には自信があるほうだ。
ある特定の、学校や仕事で関わったことがある分野に限らず、全く関係が無い領域についても、比較的知っている方だと思う。
ときどき、「何でそんなに知ってるの?」と聞かれることがある。
「勉強しないといけないなとは思うんだけど、なかなか好きなこと以外には興味が持てなくて...
どうやったらそんなにいろいろ興味を持てるんですか?」
もちろん、僕も興味が無いことは山ほどある。
が、「物事に興味を持つ方法」というのはあると思っている。
①それを好きな人に、どこが面白いのか教えてもらう
②自分の好きなことと結びつけて考えてみる
③とにかく知る
一見すると循環論法のようだが、特に③が的を射ていると思う。
つまり、「興味が無いから知ろうとしない」のではなく、
「知らないから興味が湧かない」のだ。
たまたまテレビで作り方を見た伝統工芸品、それにもし興味を持ったとしたら、それは知ったからだ。
知らなかったら、それが毎日歩く道の店のショーウィンドウに置いてあっても、興味を持たないかもしれない。
そういう経験は、誰しも一度はあるのではないだろうか。
同じ内容を書いた本でも、直接知っている人が書いた本の方が興味があるでしょう。
同じ米でも、育て方や産地のことを知っている米の方が食べてみたいでしょう(たぶん味の違いは分からない)。
だから、まず興味を持つための第一歩は、「知る」ことなのだ。
「認知」するだけではない。
その物事の面白いポイントを「知る」のだ。
あるいは、「気付く」という表現が適切なときもあるかもしれない。
そうなって初めて、興味を持つのだ。
興味を持ったら、あとはそれを深堀りしていけば、知れば知るほどに新しい興味が湧き出てくるだろう。
そもそも、興味が無いことをわざわざ知る必要があるのかどうかは考えるべきかもしれない。
危機感や義務感から知ろうとするなら、別にその必要は無いだろう。
機械のほうが記憶力が良くて、たいていの情報にはスマホから数秒でアクセスできるこの時代に、蓄えた知識の量そのものにどれだけ価値があるのか。
ただ、やはり「新しいことを知る」というのは、この上なく楽しい贅沢な娯楽だと思うのだ。
脳は常に、新鮮な刺激を求めている。
一度この面白さに気付いてしまったら、それはもう麻薬のように、知りたい欲求が湧いてくる。
人に言われて「勉強」する必要なんて無い。
誰にも強制されない中で、ただ、欲望の赴くままに。
大人の勉強は自由だ。
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