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「GOLD FISH」を観て、もう一度翔んでやると思った事について

アナーキーのギターリスト藤沼 伸一さんが、初監督の映画作品「GOLD FISH」を観てきた。
ストーリーは至ってシンプルで熱い、バンドの死と再生の物語だ。
自らのバンド「アナーキー」のバンドストーリーをモチーフにまるで自伝的な物語構造は、ファンなら激アツな展開。

自らの芸能の海で足掻いていた半生を金魚になぞらえ「もともと金魚は鮒を品種改良して生まれた奇形なんだ」と誰かに利用され作られ棄てられたと皮肉ってみせるシニカルさと「俺たち、歳をくってもまだまだ終わりじゃねぇだろ?まだやれるだろ?」と熱いメッセージも覗かせる中年世代になって諦めきってた俺たちに希望の光と力を与えてくれる最高にイカしていて、クールなロックムービーになっていた。

若い頃と違って、中年世代になると色々な社会のしがらみ、責任、義務が否応なしに背中に背負わされる。
良いも悪いも関係なく無邪気なまま生きる事は出来なくなる。
息苦しい毎日。
逃げ出したくなる日々。
それでも「だっせえ事」はしたくないと願う。
だから懸命に生きてくけど、いつの間にか自分の夢も自分の正体ですらわからなくなってる。
再び翔ぶ方法がわからない。
誰もが崖に掛けられた平均台の上をゆらゆらとバランスを取りながら死の恐怖と戦いながら生きてく。
死神に魅いられる人もいる世界。
だけど、結局楽に逃げたところでそこには何も残りやしないし、生きてるからこそ今がある。
アナーキーの「心の銃」という曲が最後流れる。
「心の銃があるかぎり、あいつらに負けない!戦う事を諦めちゃいやしないぜ!」
亡くなったメンバーのマリが書いた歌。
なんとか生きてる俺たちは思い次第でなんとでもなる。何にでもなれる。
諦めちゃいない限り。
生きる事は戦いだし、生きてるだけで丸儲けなんだと思う。

そんな思いが沸き上がってくる映画でした。

ロック小ネタ満載!

初監督作品であるから、荒い所もあるけど、音楽畑の人がよく陥る「独りよがりの芸術かぶれ思考」にならずにそつなく観やすくわかりやすいシンプルな作りにちゃんとなってるのも素敵だった。
役者の配役もドンピシャ!
町田康さんがまたいい配役!
町田さんじゃなきゃあの色は出せないもの。

カッコいい!

ロック好きはもちろん、興味のない人も、あらゆる世代の人にも観てほしいなぁ。
まぁ絶対的に「諦めきった中年野郎ども」には刺さる事間違いなし!

心の銃があるかぎり、戦っていくのさ!


ロックレジェンド達も多数出演!


続く。

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