久しぶりに。
春風
生温い風が岸辺に咲く花を揺らす。
見慣れない黄色い花と川面の波
ポツンと置かれたベンチに座って寂しさを眺めてた。
寂しさを眺めてた。
春風の様な君の吐息が伸び切った髪と雑草を揺らす。
くだらない毎日をただ話したいだけなのに
貴方はもう永遠の絵画になって黒い枠に収まって
笑顔のまま動かない。
変わらないものと変わってゆくもの
一瞬と永遠は出逢いと別れの様
思い出に縛られる動けない過去と行き過ぎて乗り越した今
乗り越した今
春風の様な君のため息が踏切の前優しく押した後ろの背中
引き戻す手が横から伸びてきて強く引っ張って
貴方の夢から目を覚ました現実のアスファルトが
失われた永遠を知る。
春風が頬を嬲る。
容赦なく僕を嘆く。
貴方が消えてもう2年目の春。
月命日の今日。
貴方の見たことない建物が立ってお店が出来て環境が少しずつ変わってゆく。
貴方とよく見たあの花の蕾は変わらず今年も膨らんで花を咲かせる準備を始めてる。
僕はと言えば、前に進もうと努力は続けてるが、結果踏みとどまってるみたいになって苦笑いを続けてる。
自分でも情け無いとは思うけど、もうこれは僕の人生なので好きな様にやらせてください。
自分で切り拓いていくしかないのかも知れない。
ゆっくりで申し訳ないけど、なんとかするよ。
貴方も心配そうな顔が脳裏を横切る。
でも、ため息つきながら「仕方ないね」と笑ってる感じの風が吹いている。
今日はそんな風に吹かれながら川辺を歩こう。