ドイツ出張、海外講演も | MKIオープン社内報
こんにちは、三井情報(MKI) 公式note編集部です。
前回の社内報から少々お時間いただきましたが、今回は、2019年4月にMKIに新卒入社し、今期で4年目を迎えたバイオヘルスケア技術部の社員が昨年12月に行ったドイツ出張についてお伝えしたいと思います。
街中がクリスマスの時期に!驚きのドイツ
こんにちは。皆さんはドイツと聞くと何を想像しますか?ビール?ソーセージ?素敵な街並み?なんと12月はそのどれもが最高に楽しめるクリスマスマーケットがドイツ中で開催されています!街中がクリスマスであふれており、夕方以降は多くの人で広場が埋め尽くされていました!!!
なぜドイツへ?
それでは、話を本題に戻します。皆さんの中には「MKIの海外現地法人があるアメリカやイギリスではなく、なぜドイツ?」と思われた方もいるのではないでしょうか?まずはなぜ私がドイツへ出張に行くことになったのか、その経緯と当部で開発しているLipidSearch(リピッドサーチ)について触れていきたいと思います。
皆さんは海外展開されているMKI発のソフトウェアがあることをご存知でしょうか??しかもそれが世界30か国で使用されていることを…!そのソフトウェアこそ、バイオヘルスケア技術部で開発している“LipidSearch”です。LipidSearch(以下、LS)は大量の質量分析(*1) データを解析して、そのデータに含まれる脂質(Lipid)を同定するための脂質研究者向けソフトウェアです。
LSはMKIと東京大学の共同研究により誕生し、2013年からは世界的な理化学機器・試薬メーカーであるThermo Fisher Scientific社(以下、TMO社)を販売代理店として全世界へLSを提供しています。そして現在では世界30か国300以上の研究機関に導入されており、脂質研究において無くてはならないソフトウェアとなっています。さらに、このLSをより多くの研究者へ広げるため、私たちは日々TMO社と協議しています。今回の出張目的の1つ目は、TMO社との対面での打合せでした。
また、TMO社は、科学技術の最先進国であるアメリカとTMO社のラボが所在するドイツ(ブレーメン)にて、TMO社が開発・提供するメタボロミクス(*2)研究向けソフトウェアであるCompound Discoverer(以下、CD)のユーザーミーティングを毎年開催しており、出張目的の2つ目はこのユーザーミーティングへの参加および講演(当該参加者へLSを紹介するプレゼンとその質疑応答)でした。
約100名弱全員がディスカッションするユーザーミーティングに驚く
今回のユーザーミーティングは欧州全域から約100名のメタボロミクス研究者が集結して開催されました。年々参加者は増加しており、ブレーメン開催では過去最大だったとのことです。
CDの最新アルゴリズムや機能の説明、最新のメタボロミクス研究について講演が行われました。各講演の後にはQ&Aタイムがあるのですが、このQ&Aに非常に驚きました。皆さんは、Q&Aと聞くとどのようなものを想像するでしょうか?聴講者が質問を投げかけて、講演者がそれに答えるといった聴講者-講演者の1対1のやり取りを想像するのではないでしょうか?確かにそういった単純なQ&Aのやり取りもありました。
しかしながら、多くの場面において、聴講者-講演者の1対1のやり取りに留まらず、他の聴講者が話に割って入り、意見やアドバイスを発言するなどして参加者全員で活発なディスカッションが行われていました。しかも、約100名の参加者がいる中で、ユーザーミーティングを通して発言をしなかった人はいなかったと思います。それほど全員が積極的に参加していました。MKIでもユーザーミーティングを開催して、ユーザー間の活発なディスカッションができる場を創出できればと思いました。
また、今回は、事前に、TMO社からLS紹介の講演依頼を受けており、欧州全域から集まったメタボロミクス研究者にLSを知ってもらう最高の機会なので、MKI代表として私自身も講演してきました。正直に私自身の思いを語らせて頂くと、100名規模の前で、しかも英語でプレゼンするのは人生で初めての経験で、講演することが決まった数週間前からかなりナーバスな気持ちになっていました。
帰路の空港で、「LipidSearch is nice !」の声
しかしながら、改めて今振り返ると100名規模の参加者の前で英語でプレゼンする機会など滅多にないチャンスであり、この出張を通じて自分自身が成長できたのかなと思います。また、帰路の空港でユーザーミーティングの参加者から声をかけられ、「LipidSearch is nice !」と言ってもらえた時は本当にうれしい気持ちになりました。おそらく講演していなければ、声をかけてもらうことも無かったと考えると、それだけで素晴らしい経験だったと感じています。プレゼン資料を添削してくださった室長やリーダー、同行して頂いた営業部長、講演依頼を頂いたTMO社担当者には感謝してもしきれません。
TMO社のラボ、異分野の人同士がチームを組む、その開発体制に驚く
実質3日間のドイツ滞在のうち、最終日にはTMO社のラボに訪問しました。これまでもメールやTeams会議などでやり取りをしていましたが、CD開発を担っているエンジニアと直接話すことができ、海外企業の開発現場をリアルに感じることが出来ました。
そして何よりその開発体制にも驚きました。非常に専門性が高く、研究者向けソフトウェアであるCDのメイン開発担当者のバックグラウンドが生物学ではなかったのです(ちなみに、その方のバックグラウンドは、物理学でした)。本人も「生物学のバックグラウンドはないので、生物学的なことについては他の人にリードしてもらいながら開発している」と言っていました。
異分野の人同士がチームを組み、互いの長所を活かして開発を進めていると理解しました。現在当部においても、生物学以外のバックグラウンドを持つメンバーも増えつつありますが、今後もより多くの人達に仲間になってほしいと思っています。そしてゆくゆくは、MKI内の協働(人材交流)に留まらず、TMO社の開発チームにMKI人材を派遣(数週間、数か月間、そして数年間?)し、現地での人材交流・技術交流や情報収集を通じて、MKIバイオ事業のグローバル化を推進できればと思いを巡らせています。
現地でしか知り得ないことを肌で感じる出張
最後に、、、私は高校時代には英語のテストで学年最下位の点数を取ったこともあるほどに英語が苦手です。今回の出張でも言いたいことが思うように伝えられない場面や、相手の話していることが理解できない場面も少なからずあり、英語スキル向上は不可欠であると痛感しています。
それでも、多くの方々の協力を得つつ何とか目的を達成することができました。今回の出張を通じて、日本では得ることができない経験や現地でしか知り得ないことを肌で感じることができ、この出張で私自身の成長を実感できました。そして、自らのさらなる成長機会を得るためにも、MKIの事業拡大のためにも、グローバルに仕事を広げていきたいと、改めて思いを強くしました。
三井情報(MKI) 公式note編集部より
1975年にバイオサイエンスの研究開発に参画して以来40年以上に渡り、MKIは先進的なIT技術をバイオサイエンスの研究に応用していく取組みを進め、公共研究機関・主要大学・大手製薬会社を支援してきました。バイオインフォマティクス関連のプロダクトや解析・支援サービスをはじめ、2015年には国内初となるがん遺伝子検査サービス「OncoPrime(オンコプライム)※提供終了」の提供を開始し、さらに計算創薬分野の研究開発やサービスの提供、ライフサイエンス分野の国内・海外動向調査も実施しており、健康で持続可能な社会の発展に貢献しています。MKIのバイオインフォマティクスについては、コチラから確認できます!
三井情報では今後も社員の活躍を紹介していきますので、どうぞお楽しみに😊