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すき、は偉大なる杖だ。幾度となく折れでも、幾度となく立ち上がった。いくつになっても、すきだと叫んでばかりいる。
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2018年12月の記事一覧

コトバ

コトバ

深夜2時、帰宅した夫の脚を揉む。

立ち仕事と、秋の夜風の寒さが沁み
ふくらはぎは パンパンに腫れている。

熱を帯びたふくらはぎの中には
二本の大きな筋が埋もれていて、
その合間で行き場をなくした
血液を川下へ流していく。

すこしずつ液体は、わたしの言うことを聞いて
あるべき流れを取り戻す。

苔むした大きな岩も
小石の積まれた堰も
ゴロゴロと流れていく。

そして大方流し終えたのか

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年の瀬川

年の瀬川

年の瀬の東名高速道路の渋滞は、絢爛たる川だった。

フロントガラスの半分より上には、世界が逆さまでない隠れた恩恵を覗かせるように、底のない暗い空がまたがる。

さらに三分の一の高さには、光る橙を灯した一本草が並び、宙にもう一枚の滑走路を浮かべるも、そこを走る車は一台も見えない。

誰も走れない滑走路の下で、ようやく、尻に赤を灯す車たちが等間隔に流れていく。

これほどの赤い蛍を見る

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