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ねい
2018年12月30日 21:15
深夜2時、帰宅した夫の脚を揉む。立ち仕事と、秋の夜風の寒さが沁みふくらはぎは パンパンに腫れている。 熱を帯びたふくらはぎの中には二本の大きな筋が埋もれていて、その合間で行き場をなくした血液を川下へ流していく。 すこしずつ液体は、わたしの言うことを聞いてあるべき流れを取り戻す。 苔むした大きな岩も小石の積まれた堰もゴロゴロと流れていく。 そして大方流し終えたのか
2018年12月29日 21:11
年の瀬の東名高速道路の渋滞は、絢爛たる川だった。 フロントガラスの半分より上には、世界が逆さまでない隠れた恩恵を覗かせるように、底のない暗い空がまたがる。 さらに三分の一の高さには、光る橙を灯した一本草が並び、宙にもう一枚の滑走路を浮かべるも、そこを走る車は一台も見えない。 誰も走れない滑走路の下で、ようやく、尻に赤を灯す車たちが等間隔に流れていく。 これほどの赤い蛍を見る