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ねい
2018年8月16日 11:25
前半の人生で最も立ちはだかった壁は 母であった。 母の未熟さを仕方がなかったと諦めこの人なりにわたしを愛してくれたんだと分かった日のこと。 母は数年前に措置入院をせざるを得ない酷い鬱を発症したが、元々その傾向はわたしが物心つく前後からあった。大人になってから親戚周りの話を聞いて納得した。母は結婚によって、幼少時から抱える孤独を紛らわそうとした。しかし結婚当初から夫と、その
2018年8月14日 13:12
実家の南西の庭には小さな祠がある。たしかこの家に祖父がいた頃からあったが、その姿をあまり見た記憶がない。昔から雑草に覆われていた。 雑草は目を離すとすぐに大人の腰ほどの丈になる。どこからともなく運ばれたいくつもの種たちが作る森には、たまに紫蘇や柿の木なんかが顔を出した。 その祠の横に桜の木が植えてある。父がどこからか貰ってきた幼木を勝手に植えたらしく、家族が気がつくころには、も