マガジンのカバー画像

本の感想

48
2020年に読んだ本の感想です。
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 第5篇 囚われの女』

(2020年の26冊目)1年以上越しにプルースト再読を再開。だいぶ話を忘れていたがこの第5篇では、語り手とアルベルチーヌの同棲生活と、シャルリュスとモレルの関係(シャルリュスのヴェルデュラン家での立場の失墜が大きな出来事として描かれる)が大きな物語の柱になっているのだが、とくに後半のヴァントゥイユの生前未発表だった作品を契機に語られる語り手(を通して語られるプルースト)の芸術論は読みどころの一つと

もっとみる