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アート・カルチャー

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アート・カルチャー記事 をまとめたもの
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記事一覧

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 秋の行楽穴場スポット 曹洞宗大本山總持寺

暑すぎる夏が終わり、よーやく行楽によい季節になりました。 で、お寺と日本ならではの自然に触れながらまったりしたいな~、と感じたとき真っ先に思いつくのは、関東圏内だと皇居や鎌倉になるのですが、人の数がものすごい… そんな時におススメなのが鶴見にある總持寺になります。 https://www.sojiji.jp/ このお寺、普通のお寺ではなく、なんせ曹洞宗の大本山であり、山の半分はお寺という、さすが大本山!、というべき広大な面積を有しており、その規模と豪華さは鎌倉のお寺と

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 割れてもあきらめない!茶碗の金継ぎ修復レポートと我が家の愛器たち

派手にやっちまった茶碗の修理が終わったので、そのレポートです。 今回やっちまったのは、地元のお土産屋さんで見つけたいい感じの萩焼。お値段4000円で、ありえない破格のお値段だったので迷わずお会計。 で、萩焼は柔らかいのは知っていたので注意して使ったいたのですが、洗剤で洗う時に手が滑ってシンクに落ち、👇な姿に… がが、この茶碗、全く使われていた感じがせず綺麗すぎたので、 "金継ぎするといい感じになるんじゃね!?" と、いつもお世話になっている👇にお願い。 修理を依頼して

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] 努力の人、宮沢りえ 51歳

少し前ですが、妻と👇を観に行きました。 理由は、妻がプライベートの宮沢りえさんを街で見かけたらしく、メディアで見る印象より普通の人だったとのことで、 女優さんは舞台に立つと、どのくらい変わるものかしら? を知りたかったからです。 結果、妻によると、 プライベートと舞台の上とは全然違う! とのことでした。 まあ、そうじゃないとずっと一線で活躍できないよね、と当たり前のことを再認識したのですが、自身が初めて生の宮沢りえさんを見て思ったのは、 生まれ持った才能の方ではなく、努

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 若者にも響く!アングラ演劇の楽しみ方と初めての方向けガイド

「アングラ演劇は頻繁に観に行くもんじゃないよ」、と会社の先輩に言われつつ、紅テントだけは理由をつけて毎年見に行ってしまうゴリゴリ理系です。 今回は、前回観に行ったときに、20代の観客が予想以上に多かったことに驚いて、「意外に若い方の琴線に触れるものなのかも、じゃあ、会社の若手を誘って反応を見てみよう~」、が無理やり作った理由になります。 ただし、このアングラ演劇は万人に受けるようには作られてないので、その素養がある人を慎重に選ぶ必要があるのですが、👇をおススメしてくれた方

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 東京国立博物館の東洋館探訪:インド細密画に見る東西の融合

東京国立博物館の本館に行ったことがある方は多いと思いますが、実は東洋館もとても面白いんです。多くの人が本館で日本美術を楽しんで終わりにしがちですが、自身は東洋館の5階と地下1階の展示が大好きで、いつも立ち寄ります。 で、先日、地下1階で気になるインド細密画を見つけたので紹介しますね。 まずは👇の絵。 この絵を見た瞬間、「ん、ジョットの絵の構図に似てない?」と思ったんです。 具体的には👇の絵です。 特に人物の部分だけ見ると、構図がかなり似ている気がしませんか? この

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 銀座と横浜の隠れたレトロビル探訪:奥野ビルとインペリアルビルの魅力に迫る

東京は常に新しいものが生み出される都市ですが、「こんな大都会にこんなレトロな商業ビルがあるの?」と驚かされる場所もあります。その一つが、銀座にある奥野ビル(旧銀座アパートメント)です。 奥野ビルの詳細は👇を見ていただければと思いますが、一応いくつか写真も載せておきます。 ちなみに、特にお気に入りなのがこの郵便受け。普通のアルミの郵便受けのはずですが、なぜかお洒落に見えるんですよね~。 このレトロビルを知ったきっかけは、革靴修理でよく行っている「Union Works」が

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 梁に見る日本家屋の美学:伝統とデザインの融合

うちの実家は日本家屋の木造豪邸です。 「何をやぶからぼうに言い出すのか?、金持ちマウント?」 と言われそうですが、特にお金持ちではなく、実家はド田舎にあるので、木造の立派な日本家屋を持つことがステータスシンボルである風習が当時まだ残っており、父親が頑張って建てたのです。 で、家をいよいよ組み上げる時に、親父から、 「ハリが違う、ハリが!」 と自慢されたのですが、 「はあ、はり…」 なんて感じで、当時はなんの興味も湧かなかったのですが、最近、国立博物館の法隆寺宝物館のそばに

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] ミッドセンチュリーモダンの再来:無印良品銀座での発見

最近、1990年代後半から2000年代前半の空気を感じる中で、ミッドセンチュリーが気になっています。 ミッドセンチュリーとは、Wikiによると、 米国のおよそ 1945 年から 1970 年にかけて、米国とヨーロッパで流行したインテリア デザイン、製品デザイン、グラフィック デザイン、建築、都市開発の運動です。 とのことですが、自身の世代は イームズに関わる製品群、および、同時代に流行ったデザイン、 の認識の方が多いのではないでしょうか? で、このミッドセンチュリーですが

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 絵画に演出を初めて持ち込んだ"ジョット"の偉大さ

"ジョット"ですが、「西洋絵画の父」ともいわれている偉大な画家のことです。 が、何が凄いのか分かりやすく説明されたものをみたことが無いので、自身がそれを試みますね。 自身は"ジョット"のことを、絵画に演出を初めて持ち込んだ人、の認識しています。よって絵と言うものは、ジョット以前・以後に明確に分かれるのです。 具体的に、ジョットの時代の絵画といえば宗教画ですが、ジョット以前では、極端なことを言うと"単にヒトを描いただけ"の絵なのです。 が、ジョットはそこに演出を持ち込み

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 美術・工芸品でもある日本刀の鑑賞方法

美術館で日本刀が展示されているのをよく見かけますが、 「綺麗なのは分かるけど、どうやって鑑賞すればいいの?」 な声をよく聞くので、自分の鑑賞方法を ・刀身 ・鍔 ・鞘 の3つに分けて紹介しますね。 まずは、刀身です。 "反り"とか"刃文"が見どころ、と良く解説されますが、いまいちピンと来られない方が多いと思います。 自身としては、 これって全部手作業でやっているんです! の背景説明があった方が、より分かりやすく鑑賞できると思っています。 というのも、今だと工業製品による

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "サザエさん"の原作って、結構毒が強い社会風刺漫画だったって、ご存知でした?

日本を代表するアニメといえば"サザエさん"です。 自身の子供たちも毎週日曜日は"サザエさん"を見て笑ってますが、あのアニメって原作があることを知っている若い人はもはやいないのでは…。 原作はもちろん漫画なのですが、その漫画がまとめて読める場所なんてもはや無いと思っていましたが、ありました、長谷川町子美術館です。 「何故"サザエさん美術館"ではないの?」と思っていたのですが、もともと漫画で得た収益で集めた美術品・工芸品を展示する美術館としてスタートしたようで、強い要望があ

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] シェイクスピアの演出は、生半可な覚悟ですべきものでない

いつも演劇を一緒に見させていただいている会社の先輩(元役者さん)より、今年はド直球のシェイクスピアを観たい気分、と言われて、確かに野田Mapの"Q"以降、ド直球のシェイクスピアは観てないので、それはいい!、ということで"リア王"を観てきました。 "リア王"といったら、シェイクスピアの四大悲劇で、映画で言うと、黒澤明の"乱"であり、ポスターの雰囲気から、それはそれは重厚な悲劇になるに違いない、と大いに期待しての鑑賞です。 * ここからネタバレ・辛口です。 * 結論、期待し

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 雛人形って、本当に女の子は喜ぶんでしたっけ? 実は、購入する大人を喜ばせるためじゃない?

静嘉堂文庫美術館の"岩﨑家のお雛さま"展に行ってきました。 目的は、"曜変天目茶碗!"、と言いたいところですが、実は野々村仁清のツボです。"曜変天目茶碗"は学生時代に、曜変天目をめぐる旅、を敢行しており、実はかなりコンプリートしています。よって、それほど新鮮味はなく、それより野々村仁清の"黒"は見たことがないので、それが目的でした。 野々村仁清自体はまたどこかで語るとして、今回は、展覧会の主旨である"雛人形"に関してです。 というか、"雛人形"というか日本人形って、なん

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] "考える像"、を考える

"考える像"で有名なのが、ロダンの"考える人"です。 が、実際、これは考えているのではなく、生命の誕生を上から見下ろしながら物思いにふける創造主ってご存知でした? 詳しくは下の記事で記載したので、読んでいただけると嬉しいです。 ということで、"考える像"の実は…、は考えるのはとても面白いのですが、実は"考える像"は東洋では仏像の表現にて非常にポピュラーな形で、皆様も半跏思惟像なるものを見たことありませんか? この半跏思惟像、人々を救済する方法を考え思索にふける様子を表