外国人のお客様へ、拙宅にて3時間の和菓子作りと茶道体験をさせていただきました
こんにちは。英語全国通訳案内士・茶道裏千家準教授 マインドフルネスジャーニーズジャパン代表の服部花奈です。
本日は日本へご旅行中の4名のアメリカ人の若いお客様が、我が家へ3時間の練り切り作りと茶道体験にお越しくださいました。
通訳案内とは全く関係なく、純粋にグーグル検索で私を見つけてお申し込みくださいました。AirbnbやViatorなどの体験プラットフォームとかにも一切載せていないですし、茶道体験のインスタグラムはほぼアクティブではないので、純粋なネット検索で見つけていただきました。
かつ、通訳案内業の秋の繁忙期ですがちゃんと日程も合ったので、ご縁があるんだなと嬉しくお迎えいたしました。
全く便利な立地ではありませんが、それでも選んでくださったことにまず感謝
我が家はよく茶道体験処があるような、観光客が多い便利な立地ではございません。
大阪梅田駅から電車なら60分、車で30分かかります。
長い時間をかけてお越しいただき、時間を投資している分それなりに持って帰っていただくものがないと魅力がないので、茶道体験でも2時間、それに和菓子作り体験も入れると3時間です。
なので、1日の旅程的に好立地な観光客向けの商業的茶道体験処で45分程度のサラッとしたものを望まれる方には、はっきり申し上げて、全く向きません。
ただ、そういう観光客向けの商業施設ではなくて
自然が多くて空気の良いちょっと田舎にある住宅地の
普通の民家で(そもそも外国人観光客が普通の民家に入る機会が基本ないので、それだけで特別な体験になります)
一日一組のおもてなしで
ゆっくり学び、体験できるということに魅力を感じる人には
とても喜ばれます。
今回のお客様も
「色々茶道体験を探したんだけど、あなたの茶道体験が一番浮ついた感じがしなくて惹かれたの」とお申し込み時におっしゃってくださいました。
心から有り難う存じます。
最初の1時間は和菓子作り:練り切りに挑戦
今回のお客様は茶道体験だけでなく、お茶菓子を作る体験も申し込んでくださったので、3時間の体験でした。
お茶菓子は練り切りです。
私の方で事前に練り切り餡を作り、色付けもして、お客様にしていただくのは成形のみなので、一番楽しい部分だけを体験していただきます。
今回は9月下旬なので菊のデザインに挑戦いただきました。
菊の中央に、三角棒という和菓子道具で菊芯をつけていただくのが
皆さん上手にできるかなと少し心配しましたが
全員見事に上手におつけになりました。
次の1時間はお客様としての茶道体験:襖の開け方から
ご自分で練り切りを作ったあとは和室へ移動して茶道体験。
色は指定しませんが和室に入る時用に綺麗な靴下を持ってきてくださいねと事前にお伝えしており、皆様ちゃんと持ってきてくださいました。
一般的な茶道体験処はなんせ時間が短いので
結構よくあるのが
正客様の分だけお点前をお見せして
後のお客様は立て出しまたは
自分で点てる体験を兼ねてセルフで点てます。
もちろん座敷の入り方も手水の説明もありません。
私はそういうのが好きじゃないので
和室の前室に小さな手水鉢を置いて手水の作法もお教えしたり
せっかくなら襖の開け方とか茶室の入り方とかも体験いただいた上で
まずは私がお客様全員分のお茶を一盌ずつ点てさせていただき
お飲みいただく時のお客様としての作法をきちんと説明します。
最後の1時間は亭主としての茶道体験:抹茶を点てるテクニックだけじゃなく
その後はトイレ休憩をとっていただいている間に
盆略点前という一番シンプルでご家庭でも実践しやすいお点前の準備。
これもお一人お一人、点前座にお座りいただき
ゆっくりと体験いただきます。
抹茶を点てる体験でよくあるのが
お茶碗に抹茶とお湯を入れた状態のお盆を持ってきて
本当に「単に点てるだけ」の体験です。
私はそれも好きではないので
点前座で道具を清めたり、お茶盌を温めるところから体験いただいております。
「抹茶を点てるテクニック」を学ぶのではなくて
「茶道のこころ」を感じていただくのが一番大切だと思っており
体験処が省略する、そういう部分こそ
むしろ大切じゃないかなと個人的には思うわけです。
「日本滞在中で一番マストなアクティビティだった!」
3時間の体験を終えてお客様には
「17日間の日本滞在の中で、一番マストなアクティビティだった!
楽しかったし、学ぶことたくさんあったし、リラックスできたし、最高だった!」
という嬉しいお言葉を頂戴しました。
通訳案内業では、全旅程を旅行会社に委ねてほぼ毎日ガイドをつけて旅行するタイプの方にしかお目にかからないので、そういう方の旅程に私の立地のよくない茶道体験が入るわけがないのですが
今日のお客様のように
旅程は自分で計画して
自分が一番惹かれる茶道体験を時間をかけて自らリサーチして予約し
さほど良くない立地も何の問題にもせず
フットワーク軽くお越しになり
フットワーク軽く爽やかにお帰りになるようなお客様との出逢いは
天からの贈り物のような気分でいつもお迎えしております。
この度の素敵な出逢いに心から感謝いたします。