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お酒というやつの話
「お酒は最高に立派なはずの男性を最低のクズに変える悪い飲み物だから」
映画パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊達でキーラ・ナイトレイ演じるエリザベス・スワンがジョニー・デップ演じるジャック・スパロウに無人島で言った言葉だ。
普通に映画を観ていればなんとも思わない人が多いであろうこのシーンだが、立派な男性ではない私ですら時々このシーンを思い出すことがある。
私自身お酒は弱く飲むとすぐ赤くなり人より早く酔うのだが、飲み始めるとなぜかどんどん飲んでしまうタチだ。
そもそもお酒を飲むとなぜ酔うのかというと、お酒を飲むことで摂取されたアルコールは、体内で酵素に分解されるのだが、アセトアルデヒドという物質が残る。
このアセトアルデヒドが脳を軽い麻痺状態にすることで酔うのである。
だが、アセトアルデヒドはALDH2という酵素の働きで無害な酢酸となり、さらには二酸化炭素と水に分解されることで酔いがさめるのだが、ALDH2には活性が強いタイプ、弱いタイプ、そして活性がまったくないタイプの三つに分かれる。
ヨーロッパや南米系の人は、ほぼ100パーセントが活性型のALDH2を持っており、低活性型や非活性型はいないが、非活性型はアジア系だけに見られ、特に日本人に多い。
日本人は37~38パーセントが低活性型、6~7パーセントが非活性型だと言われている。
つまり日本人のおよそ半数がお酒に弱いということになるのだ。
そして私達のお酒の耐性は両親から引き継ぐ為、よく言われる『飲むと強くなる』というのは完全な嘘で単に飲み方を覚えただけで、きっとお酒を飲ませたい人達が捏造した話なのではないかと考える。
とは言いつつもお酒や飲み会自体は良い点もある。
そこそこ飲むのであればストレス解消にもなり、楽しい飲み会であれば尚更だ。
そして、アルコールによって若干の麻痺状態となる為シラフの状態では話しかける一歩目が踏み出しにくい相手に対してもコミニケーションを取りやすくもなる。
一方でエリザベス・スワンの言葉にもある通り、お酒は男女問わず人をクズとしてしまうこともある。
完全なる個人的な見解だが、お酒を飲む場では矛盾していることが当たり前の様に成り立つ。
お酒が強い人がすごいという文化が様々なところで今も深く根付いており、言葉には出さずともあまり飲めない人は軽視され、酷い時にはあまり飲めない人に「飲もう」と声を掛けたにも関わらず、最終的にはあまり飲めない人に対して「飲めないなら無理すんなー!」等と異様なアメとムチを繰り出すのだ。
そしてもう一つ挙げるとするのであれば、お酒はコスパが非常に悪い。
家で飲めば一杯100円で飲めるようなお酒もお店で飲めば5倍の500円することもザラにあるし、居酒屋飯なんてもってのほかで美味い飯を食べたいのであれば、美味い飯屋に行けば一回の飲み代があれば十分過ぎる程美味しいご飯が食べられる。
もっと言えば、トレーニングをしている人であればお酒を飲むことにより、筋肉が分解されパフォーマンスが下がってしまいトレーニングする前の自分に戻ってしまうのだ。
私もエリザベス・スワンが飲みの場にいたら、何度クズと言われたか分からない。
このnoteを読むと私がお酒を大嫌いなように聞こえるかもしれないが、決っしてそんなことはなく、むしろ好きの部類に入るし、飲み会にも行ける時は喜んで参加して全力で飲んで全力楽しむ。
私の中でお酒とは良い点悪い点を持っており、一概に好きか嫌いかとは言えないものではあるが、これほどまでに認知されており手軽にコミュニケーションが取れる一つの方法であることは間違いないと思っている。
付き合い方によって幸にも不幸にもなれるので頑なに拒むということはせずとも、エリザベス・スワンにクズと言われないような付き合い方をしたいと思う。
それでは^ ^