【黒歴史】アドベンチャーツクールでラブレターを作って告白したあの日【成仏】
ずっと記憶の奥底に眠っていた、忘れていたのだけど。
表題の通り。
たぶん1996年ごろ。高校生だった筆者は当時好きだった女の子に、PC-9801のアドベンチャーツクールでラブレターを作り、ディスクを渡して告白したことがある。
心が痛いwww
こうやってエピソードだけ文字にするとかなりの破壊力だ。
ヒャッ!…って寒くなるというかw
相手は同じ部活の後輩で、仲は悪くなかった(と思う)。
ただ、両想いが確定してて、後は告白という合図・確認を待つのみ。というような段階では全然なかった。そんな土俵にも乗れてなかったんじゃないかな…? と思わなくもない。
そもそも、そういう段階まで友人同士のまま進めていき、告白は予定調和の確認なのだ。…という恋愛のルールを当時の俺は知らなかった。圧倒的な学習不足!w
(俺が)部活引退しちゃう、進路に向かって進んでいかなきゃ、そして高校卒業しちゃう!みたいな時期だった。焦ってた。大いなる青春の勇み足だった。
それにしても、パソコンでゲーム(ゲーム風のラブレター)作って渡すというのは。
相手がハードコアゲーマーの子ならともかく。
その子はゲーム嫌いじゃなかったはずだけど、そこまでのゲーマーではなかったと思うんだよね。
その子の家に一回だけ友人みんなで遊びに行ったことがあって、そのときリビングにPC-98(エプソンの286かなんか)が置いてあって。「プリンス・オブ・ペルシャ」を遊ばせてもらったのを覚えてるんだ。
「おおっ、この子パソコンでこんな硬派なゲームすんのか!?」と、当時の俺は思ったんだろうか。 思ったんだろうな。
でもあれ、たぶん親御さんのだと思うんだ。
PC-98を持っている(ご家庭である)のをいいことに、電波つよめの激痛デジタル恋文を、何日も夜なべしてしたためてしまったのだ俺は。
女子にラブレターを書いたのも、渡したのも、人生でそのときだけだ。
俺は2回結婚してるけど、どっちの嫁にもラブレターは出してない。
なんでゲーム形式にしてしまったのかw
漫画「ハイスコアガール」みたいな展開になると思ったのか、18の俺よw
残念ながら(幸いなことに、か?)ラブレターのデータも作業環境もすでに手元になく、中身を知ることはもうできない。
Windowsで読めるメディア・環境じゃなくて本当に良かったと思うw
ただ文字が書かれてるだけじゃなくて、画面をクリックすると動く、みたいなマルチメディアっぽい要素が入った、ゲームっぽい、こざかしい内容だったような気がしている。文面はさすがに思い出せない。
結論を言うまでもないだろうが
この恋は結局のところ(当然というべきなのか)実らなかった。
リアクションも薄かったし、きっと引かれただろうな。
恥ずかしすぎる…なぜ俺はあんなことを。
そんなことを考えながら、卒業までのわずかな時間、失意の敗戦処理(とポケモン赤)をしながら過ごした。
かなり凹んだけど進路を決めなければいけない時期だったし、そのことについてなるべく考えないようにしながら過ごし、いつしかデジタルラブレターの事は俺の記憶から抜け落ちていった。
「トラウマを心の奥に封印した」という言い方の方がしっくりくるかもしれない。
若かりし日の思い出したくない痛いエピソードの一つとなった…
…はずだった。
しかし30年近い時が流れ、2023年。
先日、これを思い出してしまった。
急に思い出した。
大昔の事なので全部とはいかないが、作ってた時の事とか、結構色々なことを思い出した。
封印していたトラウマが蘇り、記憶がフラッシュバックしたwww
急に思い出したのには、理由がある。
同窓会が開かれ、その時の女子と再会したのだ。
そんな中でこのような告知を受けたことがきっかけ。
えっ、ちょっと待って。
あんなプライベートの塊みたいなモノ、なんで母親と一緒に見るの?www
まあもう笑い話だけれどもw
もう俺アラフィフなのに。俺そういうのに耐性ないので本当やめてほしいwww
あれから四半世紀以上、30年近い時間が経過している。
30年だぞ。
勃興して30年以内に滅亡した王朝だって世界にはたくさんある。
それぐらいの時間がたってる。
当時はうら若い青年と乙女だった俺らも、いまじゃお互い四十路を超え、お互い所帯持ちだ。
今さら何をどうしようっていうような話ではない。
救われた、成仏できた気がした
なんでこんなエピソードをわざわざ文字に起こそうと思ったのか。
ワンチャン火遊びできるかも…みたいなことは一切ない。
暗黒時代だった(と感じていた)高校時代の自分の魂?怨念?がちょっぴり救われたような、成仏できたような気持ちになったからだ。
俺が中高生時代、如何にモテなかったか?について、過去に婚活関連の記事を書いた際に少し文中で触れた。
このラブレターのエピソードは上記でいう「8機撃墜」したうちの1機ということになる。
また、恋愛に限らず進路や成績についても、思うようにいかず、また何をどうして、どこに進むことが正しいのかがわからず、ティーンエイジャーの頃の俺は苛立ってばかりいた。
90年代のJ-popみたいだな。
学校・恋愛・成績・進路。
これらの全てがうまくいかなくて、うまくいく兆しすらなく、うまくいっている他の誰かと人生を比較されることを恐れ・嫌いながら、ひたすらもがいていた高校時代だった。
青春を色で例えたら灰色、ないしドドメ色。スマホゲーとかの属性で例えたら闇。
そう思ってた。
だって、ほら振り返ってみろ。
甘酸っぱいイチゴの香りがするような、さわやかな青春の息吹がお前に注がれたことが1秒だってあったか?
(いや、ない)
中学と高校の6年間でだ。
お前(俺)は制服でデートをしたことがあるか?
好きな人と手をつないで通学路を歩いたことは?
好きな人と自転車の2人乗りをしたことは?
駅前の鯛焼き屋で2人で1個の鯛焼き買ってシェアして食ったことは?
ゲームセンターで一緒にUFOキャッチャーやって、戦利品をプレゼントしたことは?
駅ビルの雑貨屋でおそろいのアイテムを買ったことは?
2人で自転車で海を見に行ったことは?
映画を見たことは?
浴衣で縁日に行ったことは?
チューしたことは?
ない!
ないです!
ひとつも、ないです!
もう許してください!
…そうして俺は記憶の奥底に、このエピソードを仕舞いこんだんだ。
ちくしょう。覚えてろ、この野郎!
そんな気持ちを、その後の進路にぶつけて、エネルギーにさえしていたかもしれない。
高校受験に失敗した俺は、一念発起しての進学を(親に)期待されてた。
しかし俺は、そんな親との約束を入学式の日にいきなり反故にした。
だが、反故にしたからこそ、部活に入れた。練習に前向きに取り組むことができた。そこでは一生ものの大切な出会いもあった。
部活動そのものは、楽しい日々を送ることができたと思う。
しかし、成績は落ちていった。
そして、俺は青春を彩るキラキラしたものが(いってしまえば彼女が)欲しかった。
テレビをつければ、雑誌を開けば、あちこちのチャンネルで煽られていたキラキラしたものたち。一つでいいから俺も欲しかった。
全部なんて言わない、モテモテになりたいなんて言わない。
1個だけでいいのに。
これも言うまでもないだろうが、この望みは叶うことがないまま、俺は学生服を脱ぐこととなった。
どうすれば叶うのか、叶うかもしれない可能性を1%でもあげるために何をすればよかったのか、それさえもよくわからないまま、俺の青春はタイムアップを迎えてしまった。
その後の専門学校では、俺はバーサク状態になっていた。
高校まで全く興味がなかった勉強も、ゲーム開発に必要な学科、となった途端に意欲が9999にアップ。
バーサクをかけ続けた甲斐あって、自動車教習所に通いながら、氷河期が一番冷え込んでた99年に、小さなゲーム会社に転がり込むように内定をいただくことができた。
人生で一番能動的で、一番青春していた時期。
専門学校時代が一番輝いてた。と思ってた。
とにかくアクティブに動いていた。(恋愛以外は)結果が出せていたし、学ぶことを楽しいと感じたのはこの時が初めてだったからだ。
高校時代は「部活は楽しかったけど、俺は酷く渇いていたし、全く満たされてなかった…」と感じていた。
この怨念を、俺はきっと死ぬまで引きずるのだろうな。と思っていた。
病院のベッドで喉に管差し込まれて、しゃべることも寝返りを打つこともできず、バイタルのモニターつながれて「いよいよか…」って時に。
ああ、制服でデートしたかったな…
と思うんだろうな。と。ほぼ確信していたのだが。
今から死ぬまでの期間でもしお金いっぱい手に入れたとしても、制服を仕立て直して買いなおすことができたとしても、おっさんが制服着たって駄目なんだ。もはや叶わない。
怨念を抱える体になってしまったな。と。
いつからか、ずっと思っていた。
今回この話を受けて、怨念が軽くなったような、魂が救われたような、そんな気持ちになったのだ。
制服デートや浴衣で縁日ができるわけじゃないけど。
望んでいたものが回収できるわけではないんだけど。
闇じゃなかったのか。
すぐそばに、光はあったのか。
18歳の俺へ
俺は何が言いたくてこのnoteを書いたのだろう…?
「頑張ってればいいことあるよ」みたいなことを言うつもりは全くない。
実際、彼女ができたわけでも制服デートができたわけでもないし。
過去の、18の頃の俺に向かってのメッセージを記しておきたくなったんだと思う。
悔しかったよなぁ。つらかったよなぁ。
もちろんよく覚えてるよ(こないだ思い出した)。
最悪だった、って思ってたよな。
でも案外、ほんのちょっと巡り合わせがよくなかっただけだったのかも、しれないぜ?
お前がしたためた電波ラブレターは、無視されてたわけでも、歯が立たなかったわけでもなかったんだ。
刺さっては、いたんだよ。どうやらね。
だったら何で付き合ってくれなかったんだよ、って思うか?
俺も思うよwなんだろうなw
やっぱりゲームはキモいのかなw
いやいや、あの子の方も他の誰かに恋してた、ってだけかもしれないよ。
これは今度会った時に聞いておいてやるよ。
一緒に過ごした時間、輝いてたってよ。
こんなこと、誰かに言われたことあるか?
俺はお前さんの向こう30年の事をだいたい知ってるからバラしちまうが、そんなこと1回も言われないよ。
自分と共に過ごした時が、他の誰かにとって「輝いてた時間だった」。
こんな光栄なことは無いよな。
あの子がもし実家からフロッピーを発掘してくるようなことがあったら、俺が責任をもって破壊する。
大丈夫だ、いまはもう98のDOSマシンなんてそうそう手に入らねえ。
だから、どうか成仏してくれ。
安らかに。