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20年前と今の、バレンタインの思い出を語ろう
2月。世間はバレンタイン商戦真っ只中だ。
遡ること今から20年ほど前。
当時学生だった私は、某百貨店のバレンタイン〜ホワイトデー催事における販売のアルバイトをしていた。
この時期になるとどうにもチョコレートに目が向くのは、かつて私がチョコレートを売る側に立っていたからだろう。
実は甘くない?20年前のアルバイトの思い出
先程「販売」と一旦書いたものの、バレンタイン催事アルバイトの仕事内容は多岐にわたっていた。
接客、レジ打ち、品出し、値札貼り、包装、等々。
私が働いていた当時の百貨店は、集中レジでほぼ全商品をまとめて会計する形式を取っていた。
食品スーパーの会計をイメージしていただけるとわかりやすいと思う。
(なお、現在はブランド毎に販売員が配置されていて、会計も別々に行うのが都内の百貨店催事では主流かと思う。地方はわからないが…)
膨大なブランド数×商品×サイズ感に対応する袋の準備が大変
今でこそ大分衰退した感があるが、当時は義理チョコ文化が根強く存在していた。
そのため、チョコをまとめ買いし、そのすべてに小分けの袋を所望するお客さまが相当数いた。
しかし、百貨店で取扱うチョコレートのブランド数はなかなかに膨大。まずここに第一のハードルがある。
そして集中レジで商品のパッケージを確認し、担当者が対応したブランドの袋を準備する訳だが、ここも意外と手間取る。
商品、ブランド名、袋の柄とサイズ感(ブランドによっては複数パターン種類があるのだ)、必要枚数。
その全てに相違があってはいけなかった。
数えたはずの袋の枚数が足らなかったり、商品と袋に相違があれば余計に焦る。そうこうしているうちにレジの進みが停滞する。
この繰り返しは中々にプレッシャーだった。
繁忙期の労働環境が結構ハードで大変
バレンタイン前最後の休日ともなると、催事場の混雑はピークに達する。
レジに立てば一日中立ちっぱなし喋りっぱなし。休憩もままならない。
体力的には結構きつかった。夢の中でもレジ打ちしていて、うなされながら翌朝起きたらリアルに高熱、ということもあった。
体調を崩したのは疲労も勿論だが、倉庫と売り場の寒暖差も大きかったように思う。
倉庫はめちゃめちゃに寒いのに、真冬の百貨店売り場は暖房でカラカラに乾燥。そんな環境下で何の対策もせず一日中ぶっ通しで接客すれば、夕方には声はガラガラな状態だった。
残念ながら、バレンタイン催事は若さだけで押し切れるような甘い世界ではなかった。
お客さまの要望に応えるのが大変
「〇〇のチョコレートはありますか?」だけなら、売り場を案内すれば良い。
けれども「予算はこれくらいで、アルコール分は控えめで…」などと、込み入った要望をされることがあった。
特定のメーカーに属さない百貨店という中立な立場ゆえ、この手の要望は単純に返答に困ってしまうのだ。
仕方がないのでお客さまが気になるブランドを聞き出し、一緒に商品ブースに行き、製品表示を眺めたこともあった。
ロイズの生チョコレートにアルコール不使用のものがあることを知ったのは、多分この時だ。
フレーバー名はマイルドミルク。
以前の名称は「マイルドカカオ」だったと記憶しているが、リニューアル等されたのだろうか。今はパッケージ表面にちゃんとリカーフリーと書いてあり親切だ。
勿論当時はそんな気の利いた表示はなかったので、オーレとビターとマイルドカカオで一体何が違うのか、理解した上で品出しをしていたとは言い難い(ごめんなさい)。
なお、私がアルバイトをしていた頃のロイズの生チョコは600円台だった。
調べたら今は800円台後半らしい。時代は変わりましたね…(遠い目)。
そんなこんなで甘くない数々の事象にぶち当たりながらも、2年連続でバレンタインの催事に携わり、更にはホワイトデーの時期までアルバイト期間を延長して手伝った。
そこまでして働いたモチベーションは、やっぱり私はチョコレートを始めとするお菓子が好きだから。これに尽きる。
ただし、唯一包装のスキルだけは最後まで身に付かなかった。不器用なもんで…。
で、今年のバレンタインに向けて、何をした?
社会人になった今でも、バレンタインの時期はやっぱりわくわくする。
若い頃は、都内の百貨店の催事をハシゴして、特定の百貨店限定商品をゲットしたり、渡す相手の顔を思い浮かべながら商品を選ぶのが楽しかった。
ただし、今は状況が異なる。
悲しいかな、2月が繁忙期となった今、バレンタイン商戦シーズンにそこまでの時間を捻出できなくなってしまった。
それでもやっぱり自分へのご褒美チョコが食べたかった。
食への飽くなき欲望、というやつだろうか。
①ショコラアフタヌーンティー
そんな訳で保育園の保護者会のために取得した有給休暇を使い、空いた時間を狙ってこちらに訪問した。
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カカオ豆からクーベルチュールを作る過程こそ本場フランス・パリで行われているが、日本で販売されている商品は来日外国人ショコラティエ統括の下、全てここで作られているという。
その製造の様子の一部は、イートインスペースのある2階からも見ることができる。
定期的にアフタヌーンティーを欲する私が今回注文したのは、予約限定のル・グテ。平日だったからかもしれないが、おひとりさまでも予約可能なのが嬉しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1738796619-AXGCwfc2ZQDFi0sPpnhqWVSu.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738796619-uxpG6HwB5DlK3FoZiVgEPTNC.jpg?width=1200)
写真からお分かりいただける通りセイボリーはない。
シトロンのビスキュイやマロンムースもあるが、それ以外の大半はショコラベースのスイーツがずらりと並ぶ。
途中で飽きてしまうかもと一瞬思ったが、その心配は不要だった。
濃厚なのに、くどくない。
冷たいグラスデザートにタルト、シュー、ガトーショコラに至るまで、あらゆる角度からチョコレートの魅力をこれでもかと伝えてくれる。
多過ぎない、美味しく食べられる適度なボリュームも良い。
ちなみにこの日のメニューでは、ショコラ3粒とフランショコラ、クイニーアマン(中にはチョコレートがイン。多めのバターとカラメリゼがたまらない)は持ち帰りもできた。
私はショコラを持ち帰り、これを口に含みながら夕方に向けて家事の気合いを入れ直したのだった…束の間の贅沢なひとときにに感謝。
基本的にはスコーンを始めとする英国の正統派アフタヌーンティーに憧れる私だけど、たまにはこういう路線も良い。
季節を変えてリピートしたいものだ。
②気になっていたブランドをお取り寄せ
日本経済新聞購読者の私。数ヶ月前の土曜日の別刷面に掲載されていた、フロランタンのランキングで紹介されていたショコラトリーがずっと気になっていた。
(リンクはあくまで参考程度。有料記事につき非会員は読めない)
お店の名前はROND-POINT(ロンポワン)。
フロランタンは問い合わせ多数につき製造一時ストップ。それ以外の商品を少しずつ取り寄せてみた。
コロナ禍と聞くと個人的にネガティブな面ばかり浮かんでしまうけど、お取り寄せ文化が定着したことは素直に喜ばしいと思っている。
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そんな訳で、繁忙期で当然のようにサロン・ドゥ・ショコラには行けないし、地元の百貨店の催事も覗けず仕舞いになりそうだけど、目下バレンタイン商戦を満喫中。
寒くて感染症が流行りやすい冬は、正直あまり好きな季節ではない。
けれど、鍋料理とチョコレートが美味しいこと。これは数少ない冬の良いところだと個人的には思う。
そして、学生時代のアルバイト経験を踏まえて思うのは、チョコレートを売るよりも、消費者として選び、買って、味わっている側の方が断然楽しいということ。
改めて、バレンタインの売り場に立つ皆様、ありがとうございます。
おまけの雑談
バレンタイン気分を満喫するために最近読んだ本。
カカオをめぐるシリアスな話も含まれているが、チョコレート好きならきっと楽しく読めると思う。
我が家へのバレンタインはピエール・エルメのクッキー缶をセレクト。
夫がビターなチョコレートをあまり好まないのと、クッキーなら未就学児の息子が手を出してきても(チョコレートよりはまだ気持ちの面で)許せるかなと。
ちなみに今回はバレンタインらしくショコラフレーバーの詰め合わせにしてみた。あわよくば私も味見できれば良いな…なんて。
美味しい食への欲望は尽きないものだ。