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転職するまでに4年かかった話(後悔はしていません)

就職浪人を決めた同級生も周囲にいるくらいには冷え込んだ就活市場で、私は名の知れた大手企業の総合職の内定を得た。
ただしその採用条件は「入社後数年は営業部門配属」というものだった。
内定を受諾してもなお、自分に営業が向いているとはどうしても思えなかった。

それから6年。転職を考え始めた時期から丁度4年後。
私は転職することになる。

とはいえ、まさか自分がそのような選択をするとは、当時は思いもしなかった。
私を採用「していただいた」企業なのだから、この会社で頑張ろう、ずっと働くんだと、そう信じていた。

しかし入社後、当初の予定通り配置された営業部で働くにつれ、私の違和感は強くなっていった。
仕事の詳細は割愛するが、後先考えず退職を選ぶ先輩や同期の姿を何人も見た。
ただ、その流れに自分も続こうとはどうしても思えなかった。
無職が怖かったし、辞めた先でどうしたいのかもわからなかった。

私は今いる場所で少しずつ、行動を起こすことにした。


①(入社3年目)自分の市場価値を知る

私は知人(職場の同僚ではない)からの紹介で、転職エージェントサービスに登録した。
しかしそこで、私は早々に自分の考えの甘さを思い知ることとなる。

営業とは関係のない仕事。
事務希望。
できれば土日休みがいい。

それに対してなぜ?と深掘りされた時に、自信を持って話せる何かを私は持ち合わせていなかった。
出てくるのは現職への不満のみだったのに、紹介される求人は営業ばかりだった。
「これだけの業績を残しているのだから営業に見切りをつけるのは勿体無い」そう言われた。
実は入社1年目の営業研修で、私はそこそこ良い業績を残してしまっていた。

数社、事務系求人(どれも、待遇面で現職より見劣りするものだった)の面接を受けたが、上手くいかなかった。
新卒に毛が生えた程度で、不得手な営業でしかアピールできない。私の転職市場での評価はその程度かと、痛感した。

一旦転職活動は止めることにした。
ただ、自分の現在地を確認できたことで、より現実的にキャリアを考えるきっかけにはなった。
今転職するのは得策ではない。社内でできることを探そう。そう思った。
初めての人事異動の時期が近づいていた。

②(入社4,5年目)次の異動を見据えて資格試験に取り組む

以降、私は積極的に資格試験を受験するようになる。
金融業界にいたこともあり、営業業務の傍ら、年金、保険金支払、法務、メンタルヘルスの分野に至るまで、様々な試験を受け、合格した。

日々の営業業務には疲弊していたが、自分にはプラスアルファがあると思うと、上司との面談でも

◯◯の分野に興味がある→関係資格を取得した→取得資格を活かしたい→◯◯の部署に異動したい!

と、やる気をアピールすることができた。
資格を取ったからすぐ何かが変わるわけではないが、勉強を通して自分の興味関心に気づき、自分を深く知るきっかけになった。
また、合格という形で成果が見えると自分の自信にもなっていった。

③(入社6年目)逆境に思えても、チャンスがあるなら掴みに行く

しかし、そんな日々は突然終わりを迎える。
入社6年目、私は会社の営業部門再編の煽りを受け、隣の営業部に異動した。
担当エリアは変わったが、仕事の内容は変わらなかった。
今後しばらく異動はない。私は落ち込んだ。

社会人採用枠で公務員試験を受験できる年齢に到達したことを知ったのは、そんな時だった。
取引先の一部に官公庁が含まれていたこともあり、私にはこれまで公務員と接する場面が多くあった。
外から眺めていただけだが、公務員の仕事には関心があった。
試験日までは半年を切っていた。完全に出遅れた感はあるが、やるしかない。
転職に向けて小さく一歩ずつ進んできた私が、初めて賭けに出た瞬間でもあった。

私はその年の試験に挑戦し、そして合格した。
公務員なら、事務未経験でも、試験と面接で評価してもらえると考えていた。
勉強も必要だったが、仕事と資格試験を両立しながら取り組んできた、これまでの土台が私を助けてくれた。
経験は無駄ではなかったのだ。

やめるにせよ、続けるにせよ、遠回りではあったが、自分で考えて、少しずつでも行動した結果が今に繋がっている。
4年という年月は人によっては長いと思うだろうが、私には必要な時間だった。転職して良かった。

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