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【2024読了.No44】『池上彰と学ぶ日本の総理23--若槻礼次郎 田中義一 浜口雄幸』(小学館ウィークリーブック)読了。

加藤高明内閣から犬養毅内閣までの政党内閣の連続する時代を「憲政の常道」と呼ぶ。西暦でいえば、1924.6~1932.5。大学入試の日本史で最も出題頻度の高い時代でもある。

読んでて思ったのは、私の持つ若槻礼次郎のイメージより、ちょっとカッコ良すぎるんじゃないかな?ってこと。

私にとっての若槻礼次郎のイメージは、「帝大首席だけど腰抜け」である。第2次若槻内閣のときの1931年9月に満州事変が勃発する。ときの朝鮮軍司令官林銑十郎は、関東軍の要請に応えて、独断で朝鮮軍を満州へ越境させる。軍隊を天皇の許可なくして国境を超えさせるのは、軍法会議にかければ、司令官の死刑もあり得る大罪である。それにもかかわらず若槻首相は「出たものは仕方ない」と容認してしまう。

独断越境を容認するどころか、独断専行した林銑十郎司令官を後々まで「越境将軍」と称賛する風潮は軍紀の乱れを容認することであり、後の軍の暴走がもはや政党内閣には止められないことを見せつける行為でもある。日本の軍国主義化を加速する一つの大きなマイルストーンになった事件でもあった。

この大切なエピソードがなかったのが残念だ。

このシリーズの第26号が「広田弘毅 林銑十郎」なので、多分そちらには書いてあるんじゃないか?と期待している。

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