『瞬きシャッター集』12月1〜3日
瞬きシャッター集とは?
私はカメラを持っていない時、忙しくて撮れない時など、カメラを構えられない時に私は意識的にカメラのシャッターを押すように瞬きをします。
そして、今心のアルバムに入れた!と意識的に思っています。
そのことを、『瞬きシャッター』という言葉にしてみました。笑
たまにネットには載せないようなささやかなスマホで撮った写真のことも含まれます。笑
『瞬きシャッター集』とは、そんな1日のうちの印象的な瞬きシャッターを思い出し、それをスマホでぽちぽちうち、小説風にしたものです♪
30分以内で軽く書く、を裏テーマにしています。
それでは、どうぞ!
2024年12月1日:瞬き
・1.『マジックアワーと洗濯物』
外に干してある洗濯物をしまおうとした彼女が、手を止めた。
「どうした?」
「あー、やっぱりこの時間私好きだな〜」
「なんで?」
「ほらぁ、空の下の方にあるオレンジ、上の濃いブルー!綺麗じゃない?しかもその時間って短いんだよ!ラッキーでしょ」
彼女はそう言うが、俺はまるでそういった感覚がないので、正直分からない。
「わかんねぇ。下の色がオレンジなだけじゃん」
「はは!君はそう言うよね。違いがあっていいこといいこと!」
彼女が面白そうに笑う。そんなのありえない、損してる!じゃないところが彼女の好きな所のひとつだ。
「洗濯物もオレンジになってる!かわいい〜」
かわいい??その感覚もよく分からないが、楽しそうな彼女を見るのは好きだった。
2人分の洗濯物がオレンジ色になってゆらゆらと揺れている。それを見ていたら、ちょっとだけ愛おしさを感じたように思えた。オレンジもいいなと思った。感性が死んでる俺でも思わせるオレンジの力すげぇな。
「オレンジって、いい色だな」
「良さが分かった!いいこといいこと!」
彼女はまたオモチャを手に入れてはしゃいでいる子供みたいに、楽しそうに笑った。
裏話:マジックアワー時に見た洗濯物からです。
2024年12月2日:瞬き
・2.『紺色が街を包む』
日が暮れかけている街を、2人で歩いていた。
「あれ、撮らないの?」
隣にいる友人が聞いてくる。
「んー。なんか青くて暗いから難しそう。技術足りなくてショック受けそうで無理」
「ふーん?そうなんだね?」
「うん」
青色というより紺色に近い色で空気が街を覆っているようにみえた。太陽のオレンジ色はないくらい薄暗くて、これは難しそう。この時間も綺麗ではあるから、撮れるようになりたい。
「はぁー!撮影技術上げなきゃな」
私が伸びをしながら言うと、友人は笑った。
「自由に、撮りなさいな」
「それもそうかぁ」
私はふふっと笑う。冬の空気は冷たいけれど、友人の優しい言葉が染み渡った。
裏話:マジックアワーも終わり、夜になりかけていた時間でした。
2024年12月3日:瞬き
・ビルの下のノスタルジー
※名前は全部イニシャルです。
革靴を鳴らして、ビルの下をYは歩く。革靴の音が、夜の静けさと溶け込んでいた。
1階の真ん中のところが空洞になっている建物で、そこを車が通れるようになっている。ふと前を向くと、反対側の歩道でカメラを構えている青年を見つけた。
今は夜になった時間だ。多分、Yが歩いているところのほの暗い、明るい蛍光灯にはないような薄黄色の照明と、くすんだ年季の入ったコンクリートの壁、古くさい建物の雰囲気が相まって、いい写真になるだろうなと微笑ましく思う。
俺がいることで、そのようなぼやけた光が引き立つに違いない。きっとそういう所を撮りたい青年なのだろう。とYは思った。
かっこよく撮ってくれよな、と少し良さそうなポーズをし、また革靴を鳴らした。
裏話:乗り物からみた一瞬の光景だったので、なかなかに難しかったです笑
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました♪
また次回に!