![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/103943415/rectangle_large_type_2_dedc84702be0303384c2bf33e1c92b93.png?width=1200)
Photo by
nanahoshi_d
詩『number』
上の方に目立つ派手な数字
キラキラと光っている
下の方に埋もれている地味な数字
目に入ることは多分ない
上から下まで比較の世界
ふっと吹けば飛ぶような小さな私
あくせくしながら生きた証が
1から10まで刻まれていく
今すぐこの世界から消し飛んだとしたって
全て無駄だったと思うことは何もない
ナンバーは一つずつ積み重なり
心の片隅から
いつでも私を支えてくれる
何気ない日々のピースの一欠片
心の隙間にぴたりと収まり
綺麗な海を心に作る
そんな小さな波紋が美しく広がって
一つの結晶となってゆく
それが美しいと思えたとき
本当の人間になれた気がする
おしまい。