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Official髭男dism『Laughter』という楽曲の偉大さを、英雄編が公開されたこのタイミングであえて力説する試み。

目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で何が嘘か。

会社員をしながらアーティスト活動をすることは可能なのか。メジャーデビュー作がいきなり月9主題歌に抜擢されることはありえるのか。サブスクで人気の出たアーティストが大賞を取れないレコード大賞は、どこかの誰かへ忖度をしているのか。

真実は、五線譜だけが知っている。

コンフィデンスマンJPシリーズ伝統の前口上から始まりました。こんにちは、瑞野蒼人です。今回は、映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」の公開を記念して、一作前の「プリンセス編」の主題歌・Official髭男dism「Laughter」がいかに素晴らしいかを語ります。

えっ?何で英雄編の主題歌「Anarchy」じゃないかって?だ~いじょうぶですよ。Anarchy解説編もそのうちやりますから。


【リリックメーカー藤原聡の底力】

Official髭男dismが令和最強のタイアップメーカーであることはこれまでも散々語ってきたし語られてきた。コンフィデンスマンJPのドラマシーズン主題歌「ノーダウト」、劇場版第1作「ロマンス編」の主題歌「Pretender」は、軒並みストリーミングサービスで100,000,000再生を稼ぎ出す大ヒット曲となった。

で、「プリンセス編」。今作はシンガポールの伝説級億万長者をターゲットに、サクッとお金をゲットする…はずが、どんどんどんどん想定と違う展開に!?というストーリー。この壮大な騙し騙され罵り合いの鍵を握る人物が、コックリ(演:関水渚)。親を亡くし、酷いおばさん詐欺師に身元を預けていた時に、偶然ダー子さん(演:長澤まさみ)と出会い、今回の作戦に加わることとなった。

このコックリの成長と完全にリンクするのが、「Laughter」の歌詞。閉ざされた世界の中に居たコックリを鳥籠の中の鳥に例え、自由の空へと羽ばたいてゆく姿が克明に描かれてゆく。その展開は極めて映画の世界観に忠実で、かつ映画の世界に浸った観客を最後まで醒めさせない芸術的なものとなっている。この点において、リリックメーカーとして藤原聡の胆力を思い知らされる。


【Laughterは令和の人生讃美歌だ】

そして、歌詞の説得力を裏で支えるメロディや曲の展開も、また秀逸なのだ。瑞野が特に言及しておきたい点について、ここの項で書いていく。

瑞野が「Laughter」の中でも特に秀逸な展開だと思う場所は、2番とラスサビを繋ぐ感想部分にある、壮大なコーラス。ここに私は、どこかアメリカのゴスペルミュージックの展開に似たような雰囲気を感じた。

ヒゲダン自身も、世界中にある様々な音楽を源流としていて、黒人文化が生んだブラックミュージックからの影響も受けていると言われている。嵐や遠い海のうねりを超えて、まだ見ぬ異世界のまだ叶わぬ自由へと羽ばたいていく鳥。それを力強く支えるような、高らかなラララの重なり。それはとてもリズミカルで、聞いている者を感動の渦に包み込み、あるいは手を叩きながら共に歌いたい気持ちにさせるのだ。



【「Editorial」全体を昇華させる存在】

今作が収録されたオリジナルアルバム「Editorial」は、これまでヒゲダンが生み出してきたEP・アルバムの中でもある種異質で、楽曲のテーマが「人生」「人間」というところに極めて集中している。

例を挙げると人間社会の煩雑さを歌う「ペンディング・マシーン」。曲を生み出す葛藤がほぼ等身大の姿で描かれた「Lost In My Loom」。そして、半径1キロメートル圏内の日常に浸る「みどりの雨避け」、「Shower」。メンバー全員が伴侶を持ち、家庭を築き、変化した日常の中で感じたことや浮かんだ思いが、純度の高いまま楽曲へと落とし込まれている。

ロック・オペラという用語が音楽界にある。

文字通り、ロック仕立てのオペラである。ロック・ミュージカルと呼ばれることもある。その原点と考えられるのが、フーの「トミー」である。これは、1969年にロック・オペラと銘打ったコンセプト・アルバムとして発表されたものであり、その後、映画化されて一般にも認知されるところとなった。その他、有名なロック・オペラとして、「ヘアー」「ジーザス・クライスト・スーパースター」などがあげられる。

コトバンクより引用

あるテーマを定め、その枠の中で統一感のある曲が展開されていく様を、ストーリーのある音楽・オペラに例え、「ロック・オペラ」と言われている。「Editorial」も、「人生」という大きなのテーマの中で、ヒゲダンらしさ溢れる楽曲が展開されていくロック・オペラなのではないだろうかと、私は考えた。では、その中でLaughterはどんな存在なのか。

私はその存在を「人生讃美歌」という言葉で表現する。

人生や人間がどうあるのかを歌うEditorialの楽曲の中で、Laughterは「人生の全てを称え、昇華してゆく讃美歌」としての役割を果たし、「Editorial」という壮大なロック・オペラを完成へと導く唯一無二の楽曲となっている。そう言った意味でも、間奏での壮大な展開は必要不可欠なのだと、私は感じた。


ということで、「Laughter」がいかに優れた楽曲であるかを瑞野蒼人の個人目線で徹底的に語りました。いかがでしたでしょうか。さあさあさあ、どうせエンドロールは派手にカットされてろくに主題歌聴けないに決まってますから、YouTubeで沢山Laughterを聴いて思いっきり泣きましょう!!!

ちなみに私はコックリの今までの成長を
頭に思い浮かべながら映画館で五回泣きました!!!

そして、最新作「英雄編」も
見に行きましょう!!!(これ大事)



おしまい。



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