ごちうさ最新話の見どころまとめ(まんがタイムきららMAX2022年10月号)
「ご注文はうさぎですか?」(以下、ごちうさ)にはたくさんの魅力がありますが、いざ人に説明しようとすると、何から話せばいいか迷いますよね。
キャラクターの成長?ストーリーの伏線?自分の中では素晴らしいものだと分かっているつもりでも、それを言葉にしようとすると、案外難しいものです。
まんがタイムきららMAXの最新話を読むたびに、この作品の奥の深さを実感する自分がいます。何も考えずにごちうさを読むのも楽しみ方の一つですが、せっかくならこの魅力を人に伝えられるようになりたいですよね。
この記事は、そんなファンのために、毎月更新されるごちうさの新たな魅力を紐解くことで、その見どころとなるポイントを整理し、まとめていくものとなっています。
さて、今月もごちうさの最新話が公開されました。
お話に関わる重要なシーンをピックアップしていきますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。
■ 水着イラスト第3弾!ハイビスカスの花をまとった千夜メグが可愛い
早いものでココアちゃんたちの水着イラストも三枚目となりました。満を持して、今月はいよいよ千夜メグコンビの登場です。胸を大きく見せた大胆な水着に、ハイビスカスの花。南の国のバカンスを楽しんでいるような二人ですね。
先々月はラビハ組、先月はマヤシャロと来たので、今月の扉絵に千夜メグが来るのは多くの人が予想していたのではないかと思います。しかし、ここまで露出度の高い水着姿で登場するとは一体誰が予想したでしょう。千夜ちゃんはともかく、メグちゃんは性格的には大人しいタイプの女の子ですから、この水着にチャレンジするのは相当の度胸が必要だったのではないでしょうか。
メグちゃんが笑顔でピースを決めるに至った過程が気になります。そういうわけでツイッターでは二人の派手な水着姿が大きな話題を呼んでいますが、個人的には赤一色の中、黄色のハイビスカスがアクセントになっているのもGOOD。
これにより、イラスト全体が決して単調になることなく、読者に飽きが来ないような彩色に仕上がっています。ヒマワリの花やラムネなど、日本の夏をイメージしていた前回の扉絵とは違い、今回の扉絵のイメージはまさにハワイの夏そのもの。同じ夏でも、日本と外国でここまで違いがあるのも面白いです。
細かいところでは千夜ちゃんが手に謎の「鍵」を持っていたり、今回のお話の象徴ともいえる「真珠貝」が端に描かれていたりと、小物のセンスも相変わらず光ってますね。
南の国になんだか行きたくなってきました。日本の夏も良いものですが、たまには常夏のビーチでゆったりした時間を過ごしたいものです。
■ 夏だ!海だ!海水浴だ!ココアちゃんたちの水着姿を堪能しよう
さて本編ですが、今月の見どころは何といっても水着でしょう。シストで見つけた秘境の浜辺で、思いっきり海遊びです。
内容的にはただ海遊びを楽しむだけの、シンプルなものですが、読者的には待ってましたと言わんばかりの水着回。先々月のお話でシストの目的地が海と分かったときから、この展開をひそかにずっと待ちわびていました。
ありがたいことにごちうさは毎月、センターカラーを頂いているので、ココアちゃんたちの水着姿もフルカラーで登場です。
改めて思うのは、彼女たちはやはりファッションセンスが高いな、ということ。読モに採用されるほどの美貌を持つリゼちゃんの友達なのですから、それも当然です。誰ひとりとして水着のデザインが被っていないにもかかわらず、七人ともそれぞれの水着をしっかり着こなしていてすごい。
こういう視点って男性側だと中々気づきにくいんですが、女性ファンからはココアちゃんたちのファッションセンスを評価する声も。トレンドに敏感な若い女性がちらほら話題にしているのを聞くと、ココアちゃんたちのセンスはやっぱりおしゃれなんだなと思いますね。
原作1巻当初の温水プール回と比べると、一部のメンバーは水着に対して、こだわりがあることも読み取れます。たとえばココアちゃんの水着は、以前よりもやや凝った形のものへと進化していますが、「胸にリボンがある」という特徴は一緒です。
同様に見ていくと、シャロちゃんは「フリル」、リゼちゃんは「シンプルなビキニ」という点が共通しているのが分かります。流行りのファッションに合わせつつ、自分だけのこだわりも外さない、というわけですね。
もちろん、今回のお話の見どころは水着だけではありません。飛び込み、追いかけっこ、砂遊びと、夏の海を全力で楽しむココアちゃんたちも面白かったです。シストそっちのけで海遊びに夢中になっていたところまで含めて、いつもの七人らしいお話だったと思います。
■ 飛び込みを楽しむチノちゃん
今回のお話で意外だったのは、チノちゃんが海への飛び込みを楽しんでいたこと。
崖から飛び込み、海の中に消えていったチノちゃんは、そのまましばらく海の中から戻ってきませんでした。皆が心配し始める中、ようやく浮かんできたチノちゃんは、予想に反してとびきりの笑顔を浮かべます。
あのクールなチノちゃんがまさかこんなふうに笑うなんて。驚いたのはもちろんですが、それ以前にチノちゃんは怖いものが苦手だったはずです。絶叫系は本当にダメで、卒業旅行ではジェットコースターに乗るのを躊躇していました。
あのときのチノちゃんは、結局ジェットコースターを楽しめなかったんですよね。皆に合わせてジェットコースターに乗ってみたのはいいものの、終わった後のチノちゃんは完全に放心状態となっていて、ジェットコースターを楽しむ余裕はなかったように思います。
でも今は、ちゃんとスリルを楽しむことができている。一体、この違いは何なのか。この背景には、チノちゃん自身の成長もあると思いますが、一番はやはり「ティッピーが側にいてくれる」という安心感があるでしょう。
先々月の記事でも見どころとして紹介したように、今回の旅はティッピーが同行してくれているのが大きな特徴です。尊敬できるマスターが側についていてくれることで、チノちゃんも以前より積極的になりやすいのではないかという期待がありました。
卒業旅行は何度かチノちゃんが心細そうにしています。リゼちゃんお手製のぬいぐるみティッピーを持ち歩いてはいましたが、失くしたとたんに心細さが顔を覗かせていたのは事実。
卒業旅行と今回の旅で違うのは、ティッピーの存在ですから、やはりここがチノちゃんにとって一番重要だったのではないでしょうか。
ティッピーの存在がどれだけチノちゃんの心の支えになっているか。その強さを間接的に示すエピソードだという意味で、今回の飛び込みは重要だと思います。ティッピーがいたから、チノちゃんはスリルを楽しむことができたわけです。
■ シストのおみやげはまさかの真珠貝!でもココアちゃんたちが取った行動は…
海シストがいよいよ完結です。先々月に突然始まった夏の大イベントでしたが、最後の最後まで驚きの連続で、大いに楽しませていただきました。宝物は「休暇」という、拍子抜けするようなオチでしたが、ガラス玉と貝を合わせて真珠貝にする発想は良かったです。
二つのアイテムはてっきりシストの謎を解くカギかと思いきや、実は参加者にプレゼントするための記念品だったんですね。まさかそんなミスリードがあるとは夢にも思わなかったので、「あの二人」には一本取られたような気分です。地図の裏には「うさぎ&ちょこ」と書かれたサインがあり、今回のシストの作成者がココチノのお母さん達であることを物語っています。
あの二人ならこれだけサプライズが多いシストにも納得です。さすがココアちゃんの生みの親と、ココアちゃんの師匠とも言うべき「まほうつかい」のタッグだけあります。
今回のオチで素晴らしいのは、休暇も貝もガラス玉も、別にレアなものじゃない、ということ。やろうとすれば誰もがすぐにでも手に入れられるものなんですよね。しかし、多くの人が身近に感じるものであるがゆえに、その価値が低く見積もられてしまっているものでもあります。
けれど、そんな希少性のない、ありふれたものであったとしても、たった一つの工夫で貴重な宝物に変化する。ごちうさが今まで何度も描いてきた、「捉え方次第で世界は輝く」というテーマとも繋がっている気がして、今回のオチは個人的に好きですね。
しかし、七人は結局、真珠貝は作りませんでした。代わりにココアちゃんの提案により、レモン組のガラス玉と、ソーダ組の貝殻を交換する方向で話が決まります。交換のペアはマヤメグ、千夜シャロ、そしてラビハの三人組と、七人の中でもお互いの繋がりがより深い組み合わせ。
レモン組は4人なのに対し、ソーダ組は三人なので、本来ならガラス玉は1個余ってしまうはずでした。しかし、強欲のココアちゃんがちゃっかり貝殻を2つ拾っていたために、交換は無事、成立となります。
この提案、すごく良いですよね。なぜかって、もし仮に7人が真珠貝を作っていたとしたら、数が足りなくてもらえない人が出てきてしまうところでした。ガラス玉と貝のペアは最大でも4つまでしか作れないので、余った3人は木組みの街に手ぶらで帰ることになります。
そういう「不幸な人を出さない」フォローをさらっと挟みつつ、同時に「思い出を共有する」きっかけも作ってしまうのがココアちゃんのすごいところ。交換すれば、相手ができますよね?相手がいれば、いつかガラス玉や貝殻を見て今日を思い出したとき、自分の記憶だけでなく、相手の顔もよみがえってくるでしょう。
7人の絆がこれからもずっと変わらないことを示すような交換会だったと思います。「今日の思い出が素敵な形になった」という千夜ちゃんの言葉も、つまりはそういう事を意味しているのではないでしょうか。
■ 来月のごちうさは温泉プール!?フユちゃんとユラ先輩の距離が縮まるかも
最後になりますが、ブラバ組とユラ先輩が温泉プールに行ったようです。来月はこのあたりのお話が中心になりそうですね。今回は残念ながらお留守番となってしまった4人ですが、あっちはあっちでちゃんと夏を満喫しているようで良かったです。
注目すべきは、まずフユちゃんの水着。実はこれ、彼女が旅行編のプールで着ていたものとデザインが一緒なんですよ。
あの日行ったプールは水着をレンタルできるサービスがあったため、フユちゃんも水着をレンタルしていた可能性がありました。が、今こうして見ると、水着は借り物などではなく、フユちゃんが持っている私物だと分かります。
インドア系のフユちゃんが自分の水着を持っているのは意外ですが、ああ見えて結構、プールで泳ぐのは好きなのかもしれません。
それにしても気になるのはやはり、フユちゃんの強ばった表情。ナツエル姉妹が楽しそうにしているのとは正反対です。詳しいことは来月以降のお話を読まないと分かりませんが、理由はおそらくユラ先輩が目の前にいるからでしょう。
フユちゃんはユラ先輩に対して、苦手意識を持っています。元より人見知りなのに加え、ブロカントでユラ先輩がナツエルの中二病グッズを買い占めていったのが苦手意識に拍車をかけました。あの一件のせいで、フユちゃんの中にあるユラ先輩のイメージが完全に「ヤバい人」になってしまった感があります。
とはいえ、ユラ先輩は決して悪い人じゃないんですよね。確かに時折、ダークな顔をする異質な女性ではありますが、ブロカントで中二病グッズを買い占めたのは、ブラバ組のためです。
根はむしろ優しい人というか、面倒見は良いタイプだと思うので、フユちゃん側の誤解さえ解ければ、打ち解けるのは可能だと思います。二人の関係にどんな変化が生まれるのかが楽しみです。
■ おわりに
さて今回は、海シスト編が堂々完結となったお話でした。いかがでしたか?
ここでご紹介したものは、あくまで個人の解釈です。本記事を手がかりに、みなさんも自分なりの考えや解釈を広げてみてください。
またね!