ごちうさ最新話の見どころまとめ(まんがタイムきららMAX2022年11月号)
「ご注文はうさぎですか?」(以下、ごちうさ)にはたくさんの魅力がありますが、いざ人に説明しようとすると、何から話せばいいか迷いますよね。
キャラクターの成長?ストーリーの伏線?自分の中では素晴らしいものだと分かっているつもりでも、それを言葉にしようとすると案外、難しいものです。
まんがタイムきららMAXの最新話を読むたびに、この作品の奥の深さを実感する自分がいます。何も考えずにごちうさを読むのも楽しみ方の一つですが、せっかくならこの魅力を人に伝えられるようになりたいですよね。
この記事は、そんなファンのために、毎月更新されるごちうさの新たな魅力を紐解くことで、その見どころとなるポイントを整理し、まとめていくものとなっています。
さて、今月もごちうさの最新話が公開されました。
お話に関わる重要なシーンをピックアップしていきますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。
■ 水着イラスト第4弾!ブラバ組の端に映り込むその「手」の主は…?
ココアちゃんたち一行が旅先で海を楽しんでいた頃。ブラバ組は、木組みの街の温泉プールに行っていました。今月のお話は、その模様を一部描いたものとなっており、扉絵も水着姿のブラバ三人組が登場です。水着イラストはこれにて学生組全員が揃う形となりました。
フリフリの水着を着た3人がとにかく可愛らしいですね!温泉プールを全力で楽しんでいる様子が伝わってきます。フユちゃんの頭に乗ったあんこもシュノーケルをつけていて、無表情なのにどこか楽しげです。
イラスト全体に散ったチェスの駒がうさぎ型をしているのも、毎度ながら細かいところまで可愛さが行き届いていてGOOD。
しかし…!今回は予想外の描写に驚きました。主役のブラバ組は3人ともピースサインをしていますが、同じ仕草をしているのは彼女たちだけではありません。イラストを見ると、左下に誰かのピースサインが映っていることがわかります。
間違いなく、これはユラ先輩の手でしょう。そう判断できる根拠の一つは彼女が作中でこれと同じ写真の撮り方をしていること。
何より、ネイルに花柄模様が描かれているんですよね。花柄は、ユラ先輩にしては可愛すぎるデザインです。にもかかわらず、彼女がネイルを花柄模様にしているのは、10巻10話でココアちゃんから「お花パワー」をもらったからでしょう。
10巻10話は、二人が一緒にお出かけするお話です。話の最後に、ココアちゃんはユラ先輩に「いいこ!すき!」と言いました。困っていた自分を彼女が助けてくれたことに対する、ココアちゃんなりのお礼ですね。
ユラ先輩は、それが何気に嬉しかったんじゃないでしょうか。
こうして見ると、彼女も結構、可愛いところがありますよね。実際、10巻10話の最後でも、上機嫌そうにしてますし。
フユナツエルの3人だけでなく、ユラ先輩の秘めた可愛さも感じ取れる扉絵だったと思います。
■ 千里の道も一歩から。ユラ先輩に対するフユちゃんの意識の変化
さて本編ですが、今月のごちうさは前後編の二本立て!前半は、ブラバ組の3人が温泉プールに行くお話です。ごちうさでは最早おなじみの、モデルとなった建物が実はコルマールではなくブタペストにあるという、あの温泉プールですね。
元々は、フユナツエルの3人だけで遊ぶ予定でした。しかし、ここにまさかのユラ先輩が合流します。
フユちゃんとユラ先輩が一緒に遊ぶ初の機会ということで、一悶着ありそうな気配を感じていた人は多いんじゃないでしょうか。
ご存知の通り、フユちゃんはユラ先輩のことを警戒しています。少なくともフユちゃんの中で、ユラ先輩が「拘束具を必要する趣味のあるヤバい人」になっているのは確かです。一方のユラ先輩も、決して普通の人というわけではなく、作中ではむしろトップクラスに尖った存在。
そんな二人が一緒にいて、何も起きないはずがなく…。
実際、ユラ先輩がブラバで働いていることをナツエルに暴露したとき、フユちゃんは慌ててましたね。
しかし今回、珍しくユラ先輩が「照れ顔」を見せてくれました。フユちゃんが彼女の照れた顔を見るのは、これが初めてです。ユラ先輩は元々、ストレートな感情表現に弱いところがあり、作中でも何度か取り乱してしまうシーンがありました。
ストレートな感情表現といえば、ナツエル姉妹です。作中にこれほど一途で素直なキャラクターはいないでしょう。今回、その純情さが上手いことユラ先輩の素顔を引き出してくれました。
キャラクターの相性というのは、わからないものですね。これにより、フユちゃんの警戒心が以前より幾分マシになります。小さな変化ですが、今後のストーリーの土台になりそうな、大事な一歩だったと思います。
・・・最後には結局、ユラ先輩が「実はフユナツエルをひそかに尾行していた」ことをバラし、台無しになりますが、大丈夫!そんなことではブラバ組の絆はきっと崩れない!
なお余談ですが、ツイッターでは現在、「ブラバ組三すくみ」なる概念が提唱されていて、話題を呼んでいるようです。今回のお話の確信を突いた、見事なアイデアだと思ったので紹介させていただきました。バランスの取れた関係って結構、長続きするって言いますよね。
■ 景色を変えてくれる人がいること
さて、変化があったのはフユちゃんの心境だけではありません。今回、海への誘いを断ったナツエルにも変化がありました。
夜のベランダで遠くを見る2人の姿が印象的です。「誰と行くかで同じ海でも違う景色に見える」というのは、本質情報でしょう。
誇張ではなく、これはごちうさの核をなすと言っても過言ではないテーマです。例えば原作7巻6話、「Eを探し続ける日常」では、シャロちゃんがお嬢様学校の楽しさに気付くシーンがありました。
理由は他の誰でもなく、リゼちゃんが側にいてくれたからです。もう少し進んで原作8巻、旅行編の序盤では、「周りの景色がキラキラしている」ことに気付くチノちゃん。ココアさんに手を握られた途端、世界が色づき始めるなんて、まさしく「誰と行くかで同じ海でも違う景色に見える」ということじゃないですか。
そもそもこの旅行自体、発案者のチノちゃんに言わせれば、「みなさんと色々な景色を観たい」というのが動機です。そして時を遡り、5巻。千夜ちゃんが文化祭を楽しめたのは、隣にココアちゃんという大親友の存在があったから。
大変な準備も、親友がいたから、楽しい思い出になったというわけです。どうです?たくさん例があるでしょう?
現実でもこれと同じことを思う機会はあります。ようするに我々は何を見るかでなく、どう見るかが大事、ということです。
世界の見方を変えてくれるのはいつだって、大切な人。その人は、決して多ければいいというわけじゃありません。たった一人でいいんです。一人でも自分が大事にしたいと思える人がいるだけで、世界はきっと楽しい場所に変わっていきます。
景色を変えてくれる人がいること。その大切さに気付いたナツエルは、昔よりちょっと大きく見えますね。
■ 帰省するココアちゃん。けれど、その時…!
最後になりますが、最後にとんでもないサプライズが待ち受けていましたね…!
海編のエンドロールとも言うべき、帰り道の様子から一転。褒めちぎられたココアちゃんが照れて、反対の電車に逃走します。「早く戻らないと逆方向に出発するわよ」とシャロちゃんは言うものの、ココアちゃんは電車の入り口から顔を覗かせるだけ。
実は、彼女には他の皆とは違う目的がありました。曰く、「良いタイミングだから、このまま実家に寄る事にしました!」
それだけだったら、ココアちゃんならまだ分からなくもないです。「帰る」ではなく、「寄る」という言葉を使っているということは、実家は今の場所から本当に目と鼻の先にあるのでしょう。サプライズ好きなココアちゃんの考えそうなことです。
驚いたのは、チノちゃんの行動です。あの冷静でしっかり者のチノちゃんが、電車に乗り込みました…!
突然の出来事に、周りはただただ驚くばかり。読者も驚きです。ドアは瞬く間に閉まり、二人を乗せた電車はゆっくりと駅のホームを出ていきます。まるで、新しい物語のはじまりを予感させるように。
かくして、「実家編」のスタートです。アニメ2期でココアちゃんが言った、「いつかチノちゃんを実家に連れて行ってあげる」という台詞が、期せずして叶いました。チノちゃん、本当にココアちゃんのことが好きだなあ…というのは、今さらですが、改めてそれを強く実感するエピソードでした。
これから一体何が起きるのか、気になっている方は多いでしょう。諸説ありますが、一つにココアちゃんが昔のことを思い出す可能性があるんじゃないかと思います。
というのも、今回の帰省にはチノちゃんが同行しているからです。以前、ココアちゃんが実家に帰省した時は一人でした。
保登家には、思い出の写真を収納しているアルバムがあります。ここには子供たちだけでなく、母・ちよこさんと、咲さん(=チノちゃんのお母さん)が写った写真もあります。ちよこさんは写真を定期的に見返していますが、ココアちゃんはどうでしょう。おそらく長い間、アルバムを見返してはいないんじゃないですかね。
しかし、チノちゃんは昔のアルバムがあったら見たいと思うでしょう。ココアちゃん自身も、チノちゃんが見たいと言ったら一緒に見ると思います。チノちゃんの来訪が、結果としてココアちゃんの記憶を刺激することになる可能性が高い、ということです。
もし仮に、ココアちゃんが昔のことを思い出すとしたら、ココチノの「出会い(※下記参照)」についても、新しいことが分かるかもしれません。ひいては咲さんが亡くなった原因や、ティッピーにマスターが憑依した理由など、連鎖的に様々な謎が明かされていく可能性もあります。来月以降のお話は、心してかかりましょう。
※ココチノの出会いは原作1巻1話が最初であるように見えるが、のちに親同士が知り合いだと分かった。また、保登家はかつて一家で木組みの街に来たことがあり、親友であるちょこさんと咲さんはその日、顔を合わせている。こうした事実から、ココチノも当時どこかのタイミングで会っていたのでは?とする説がある。
■ おわりに
さて今回は、ブラバ組の変化と、ココチノによるまさかの帰省が強く印象に残った回でした。いかがでしたか?
ここでご紹介したものは、あくまで個人の解釈です。本記事を手がかりに、みなさんも自分なりの解釈を広げてみてください。
またね!