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FRIENDS(けっこう総集編)


前一緒に仕事したことのあるイケメンフランス人エリックは、日本語は達者だったが雑談が最低だった。
「ぼく…便秘ひどいんですね、ええ。炭酸水欠かせないですね」
「何言ってんのエリック。便秘にはミルマグよ。私高校からずっとそれ。もー、信じらんないくらいスッキリで体に負担もないんだから」
「そ、それどこで買えますか⁉️」


またある時、たまに行く地元のコーヒーショップでなごんで帰り際、トレイを片付けようとしているとダストボックス付近でまごまごしてる外人がいた。年齢不詳だが、中東系かな?何かシステムで分からないことがあるんだろうか。
「May I help you?」
すると彼、ホッとしたように…ストレートにナンパしてきた。
だがまあひょんな縁ではあったがそのトルコ人、サラカンはとなりの市でケバブハウスを経営しており、ケバブ大好物なの!と言うと店のチラシをくれた。
行くと、もう祭りの屋台がバカバカしくなる様な本格派。しかもワンコインで種類も様々。ビーフまである!選べるソースもとびっきりだった。それを、食べる場所がないからってサラカン、なんか変な忍者屋敷みたいに私にカウンターを潜らせて店内に入れ、そこで振る舞ってくれた。


サラカンは離婚組で、高校生の息子と二人暮らし。息子さんもたまに店を手伝っていた。商店街でもサラカンは仲良くやってた。玉に瑕が、日本の可愛い熟女ハンティングではあったが(私は初手から振った)。

サラカンから夜中に電話がかかってきた。
「イマ近くイルヨー」
お前なあ。深夜だぞ。
まあ、仕事上その時間に起きていなければならなかった私はもう着替えてタバコを吸ったりしてたので、出ると、電飾&原色の巨大なケバブ販売トラックが停まってた。
仮にも口説こうとしてた者に対し、こんな営業車で来るバカがどこにいる。
ここにいた。
聞けば、日本でのケバブ事業は結構当たらせてるようなのだ。

なんとなく川に行き、缶コーヒーでなんとなくしゃべった。
故郷の街(名は忘れた、イスタンブールではない大きな港町)は横浜に似ていること。国の母親と大の仲良しであること。日本の熟女は可愛いこと(だから聞いてねえそれは)。

私は私で、仕事の悩みをポロッと言ってしまった。
職場出ても、なんか一日中くよくよ考えちゃって休まんないの。


サラカンはサラッと言った。
「When you leave,you gotta forget.」
「あー…。そりゃそうか。そうだよね。うん、これからそうしてみるよ。ありがとサラカン、また食べ行くよ」
「待ッテルヨー。ビーフのオリジナルソースね?」
「うんそれ。世界一美味いよ、サラカンとこのは」
「Thank you. 故郷の味だから。自信あるヨ」

若い頃からの朋友まおは、自分でどんな悩みも解決する。その上ひとのことには口出ししない。基本、何事にも動じないし騒がない。
いれずみだらけで一見怖いロックウーマンだが実は良家のお嬢で、そこのところ気高いというか品がある。しかもかなりハイレベルのギャグセンを持つ。



まおは含蓄ある言葉を言ったりする代わりに、その行動と生き方で示す。考え方が男前だ。
私はそんな女の子が好きだ。
私が絵本やインディアン文化なんかを好きでいることを何十年も覚えていてくれたりして、そのことだけでも嬉しくなる。


他にも、もう会うことはないであろう、大切な友達。
忘れることはない。
「ズッ友」とやらは、常にベッタリくっついて行動を共にする必要などない。
むしろ離れた時、胸に残り、そこで真価を発揮する。

↓こんな人々も。

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