壊れた自転車、その後。
初めてnoteを書いてから1年経つ。
去年の2月、noteを始めることになった例の事案が発生したことで、自分を構成していた前輪と後輪は完全にパンクしてしまった。
※例の事案
当時は友人、同僚、SNS上の親切な方々に沢山慰めていただき、何とか社会復帰することができた。
ただ、その後の顛末については、匂わせ記事を書くばかりでちゃんとお伝えできていなかった。
ここは一つ、ケジメをつけるためにも改めて報告したいと思う。
事案発生直後の状況(2021年2月)
まず、例の事案が発生した後、一週間お休みして一人旅に出た。
そして帰宅した翌日、心療内科で受けたCES-D診察の結果を受け取った。
44点という不吉極まりない点数と合わせて、ショックだった。
ちなみに健常者は0~15点らしい。
医者からは半年くらい休職してもいい状態である事、相当する診断書は作成可能な事など、遠回しに仕事と距離を取ることを勧められた。
結論から言うと、それには従わず翌週から復職した。
理由は色々あるが、一番は「ここでリタイアしたら相手の勝ち、自分の負け」だと思ったからだ。
まず前提として、相手(=加害者)は今回の件に対し一切反省していないどころか「ぼく何かやっちゃいましたあ?」的なドス黒いスタンスであることを同僚から聞いていた。
そんな状態で自分が退き下がるのはどうしても許せなく、その気持ちは「辛い、休みたい」という欲求よりも大きかった。
そのため、「当面は休職であろう」と想像していた周囲をドン引きさせるスピードで復帰したのである。
仕事復帰(2021年2月〜6月)
今更ながら現在の会社は何をやっているかというと、某業界に特化した生産性向上を支援するクラウド型のサービスを提供するITベンチャーである。簡単に言えばSaaSと呼ばれる業界だ。
超絶アナログ日系メーカーから2019年に転職して以来、インサイドセールスという架電メインの営業部署に1年半ほど在籍していた。
そして復帰後は、リニューアルセールスという職種についた。
これは何をする部署なのかというと、簡単に言えばユーザーに契約更新(リニューアル)してもらうための活動を行っていた。
扱うシステムがNetflixの様に毎月料金が発生するため、営業が受注した後もユーザーには末永く活用してもらう必要がある。
その為のアクションを行うためにリニューアルセールスが存在した。
当然、営業と密にコミュニケーションをとる必要があり、例のドス黒の案件を担当しないように色々と根回しをしながら働いていた。
この時期は、躁状態の時は謎のモチベでガンガン仕事をこなすも、些細なことですぐにダメージを受け極端に落ち込む非常にめんどくさい状態だった。
鬱状態の時はハンモックの上で、麻ヒモをひたすら解いてふわふわにする事で精神の安定を図っていた。
そして3ヶ月が経ち、やっと仕事にも慣れてきたある日、唐突に部署が消滅した。
正確に言えばCS(カスタマーサクセス)という他部署に統合されることになった。
やっと業務に慣れてきた矢先であり、マンツーマンでフォローしてくれた先輩は別部署に異動となる悪夢であり、また麻ヒモを解く日々が始まるのかと天を仰いだ。
ところが、このCSという仕事が意外にも天職だったのである。
復活(2021年6月〜2022年1月)
カスタマーサクセス・・・顧客(カスタマー)を成功(サクセス)させるという何やら縁起のいい名前である。
何してるかというと、本当に顧客をサクセスさせる仕事なのだ(説明放棄)
簡単に言えば導入してもらった仕組みを顧客に使いこなしてもらい、効果を創出するのがミッションであり、よく混同されるカスタマーサポート(お客様問い合わせセンター)とは全く異なる。
サザエさんでいえば三河屋的な感じというか・・・要は顧客と伴走(時には喧嘩したり)してサクセス(残業減った!とか利益率上がった!みたいな効果創出)に導くのが仕事だ。
必然的に相手と長期的な関係を築いていく必要があり、かつてベッタベタに大家や隣人と関係を築いたこれまでの自分の経験にマッチしたのだ。
これまでの経験↓↓↓
かくして、新たにカスタマーサクセスとして再スタートを切った後は、思いのほか順調だった。
訪問したら、強面が勢ぞろいした部屋に通され「我々は電話とFAXしか信じない」という強い意志表示をされたこともあったが、めげずに頑張った。
そのうち顧客とも仲良くなり、仕事以外にも様々な相談を受ける事が多くなった。
社内の人間関係、良い人材の採用方法、恋愛相談、狩猟免許の取り方…
特に対人関係に関する悩みは聞く機会が多く、自分も含め悩む人は多いんだなあと実感した。
そんな感じで仲良くなると、他の案件紹介など何かと良いことが増えてくる。
そうして少しずつ、自分は自己肯定感を取り戻していった。
そして現在(2022年2月)
当時はもう本当に全てがダメかと思ったけど、1年経ち何とかなった。
忙しいけれど仕事は楽しいし、お給料も上がった。
最近は社内メンター的な事も任せてもらっているので、当時の諸々を反面教師にしている。
プライベートも結構順調だ。
改めて思うに、人生の転機とは多くの場合、最悪な出来事なんだろう。
どれだけ辛いことがあっても、何とか乗り越えれば状況は好転するし、そうすれば「ああ。あれが転機だったなあ」といつの間にか思い出は美化される。
都合のいい解釈ができるのは人間の特権なのだ。
これからも辛い局面は必ずあるだろうけど、この考えだけは忘れずに持っていたい。
最後に。
当時気にかけてくれた沢山の人たちへ、本当にありがとう。
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。