ヨルシカという名前について考えたこと

ヨルシカさんの『ヨルシカ』というバンド名について考察したことです。
ヨルシカの由来は『雲と幽霊』の歌詞「夜しかもう眠れずに」からですが、
それ以外の意図もあるかもしれませんし、自由に考えていきます。

ヨルシカ=拠るしか=依るしか
とすると、
全ての創作は何かに準拠している、ある意味では何かの模倣(≒盗作)しかできない、という風に取れるなと。
「依るしか」とすると、人は完全な一人ぼっちにはなれず、人や物にある種依存することでしか生きられない、って事かなとか。

ヨルシカ=拠る詩歌 と思うと、
詩歌に準拠した(モチーフにした)作品を創る、という意味にも取れます。
ヨルシカは、歌詞に俳句や短歌を取り入れていますし。

ヨルシカ=縒るしか とすると、
縒った糸のように細く繋がり転生していく二人を想像しました。
螺旋状と思うと、遺伝子みたいですし。


カタカナの由来は、
ヨ→与 ル→流 シ→之 カ→加
ヨルシカを与流之加、与えられた流れに加えると思うと、
影響を受けた文学作品を取り入れたり、作品同士が繋がって大きな流れになる作風に合っているなと思いました。


ヨルシカ=寄る歯科 とすると、
歯が痛くなって歯医者さんに寄ったと取れます。
甘いもの、甘い思い出を食べすぎたと思える気がしました。

ヨルシカ=寄る鹿
とすると、鹿が寄ってきたと取れます。
鹿は、鹿せんべいを持っていると寄ってきます。
鹿せんべいは満月のように丸く、まるで月光のようだと思いました。

麗という字に、鹿が含まれています。
ヨルシカ=夜鹿=麗らかな夜 という意味もあるのかなと。

ヨルシカ→寄る鹿→奇鹿→綺麗 とも連想できます。


鹿の土と書いて「塵」です。
土に還った鹿→夜になった鹿→ヨルシカ
だから僕は音楽を辞めたに「今じゃ塵みたいな想いだ」、
ただ君に晴れに「思い出なんてただの塵だ」とあるので、
塵になった想い出がヨルシカなのかなと。


藍二乗MVはdearで始まります。
deer(鹿)とdear(親愛なる)が似ているので、
ヨルシカは、親愛なる誰かへ、夜に手紙を書いているのかなと。


ロゴでの『ヨルシカ』のフォントは、「ル」が「人」に似ています。
「ヨ」を「日」が欠けたものと思うと、
日が欠けて(日食あるいは夜になって)人がシカ(動物)になると取れ、
『月に吠える』や『ブレーメン』MVのラスト、前世(曲)の文章で人が動物に生まれ変わる事に繋がります。

ヨルシカ=ヨルし力 として
「ヨ」と「し」を合体させ「目」に
「目」と「ル」を合体させ「見」にすると、
ヨルシカは見力、つまり視力と思えます。
「夜しか見えぬ幽霊」(夕凪、某、花惑い)を見る力、
という意味もあるのかなと。


『雲と幽霊』の「幽霊になった僕は、明日遠くの君を見に行くんだ その後はどうだろう きっと君には見えない」は、
明日の後、つまり明後日の僕は君に見えないということでしょう。
『夕凪、某、花惑い』の、
「夜が来るから明後日の方ばかりを見てる」「想い出の僕ら 夜しか見えぬ幽霊みたいだ」に繋がってる気がしました。
夜しか見えない明後日の方にだけ、幽霊が見えるのかなと。

『雲と幽霊』『夕凪、某、花惑い』には「夜しか」という歌詞が共通してるので、繋がっていたら面白いなと思います。



ヨルシカのロゴマークが「向かい合う月」であり「目」でもあるのは、
月の満ち欠けが、ゆっくりと瞬きする目の形のように見える事に対応してるのかなと。
目の瞬きと星の瞬きも掛けていそうです。
時計の6時でもあるので、瞬きは時間(一瞬)と取れて、
春泥棒「瞬きさえ億劫」を連想します。
億劫の語源は、とても長い時間という意味なので、
瞬きさえ億劫≒一瞬が長い時間
インタビュー(ROCKIN'ON JAPAN 2023年11月号)の見出し『永遠と刹那を創作する』に繋がると思いました。



ヨルシカのロゴマークが目でも6時の時計でもあるのは、
「夢」という字に「目」と「夕」があることを連想します。
『夏草が邪魔をする』から艹(草冠)がついて「夢」とか。
「夜しかもう眠れずに」前世の夢を見ていると。

歌詞に「夏草が邪魔をする」とあるノーチラスも夢から目を覚ます曲です。
エルマの日記に松尾芭蕉が出るので「夏草や兵どもが夢の跡」を意識してるでしょうし、 やっぱり夏草と夢は関連付けられてるのかなと。

ノーチラスが「時計が鳴ったから」で始まるのは、ロゴマークの時計に掛けてる気がしました。
ヨルシカの由来「夜しかもう眠れずに」がある雲と幽霊にも目覚まし時計の音が入っています。



ヨルシカは因るしかでもあると思いました。
「因」の成り立ちは布団(口)に寝る人(大)で、「夜しかもう眠れずに」に合います。
ヨルシカは曲同士がよく繋がっているので、因果で結ばれてるとも取れそうです。
ヨルシカのロゴマークも「因」の形に似てると思います。
君しか見えない=目の中に人がいる(口の中に大がいる) かなと。



「化」という字の成り立ちは、人を点対称に配置した形らしいです。
ヨルシカの生まれ変わりに繋がると思いました。ロゴマークの「向かい合う月」の配置にも似ていますし。
最初のMV曲『靴の花火』のタイトルには「化」が2つあります。
草が化けるから「花」で、『夏草が邪魔をする』は花になる事(生まれ変わり)を邪魔するとか。


ヨルシカの歌詞で「わかる」が平仮名なのは、
「分かる」だと分ける、分かれるに通じるからかなと。
「分」は刀で二つに切り分ける象形で、分類して理解する(分かる)という事だと思います。
ヨルシカの「わかる」は頭で理解する(分かる)というより心で通じ合う、分離していたものが繋がるってニュアンスに感じました。


杜甫の漢詩『月夜』の最初の文「今夜鄜州月」の夜鹿の部分が、ヨルシカを連想しました。
月光浴や嘘月に少し似たところのある詩だと感じます。


ヨルシカ=よるとしか
とも思います。
人それぞれの解釈によるとしか、言えないのかもしれません。