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ドストエフスキー『白痴(上)』読了

上巻全体がただの馬鹿騒ぎに見える。

その中で、公爵のすべてを「自身の良心に任せる」生き方や「人の腹の中を見通す」創造力のすごさ(合っているかはわからないが、非常に適切に思える)が印象的だ。登場人物の中でも一番まともな正しい人間。しかし、完璧な正しさではなく、自分の欠点も正直に見つめられる人間。それだからこそ苦しむ人間。そんな人物像が浮かび上がる。

他の登場人物は心を隠しながら人を操ろうとしているが、そんな人たちから見れば、公爵は白痴に見えるのだろう。

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