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小川洋子『まぶた』読了
著者の作品にはいつも静寂の重さ(静かなのに重い。これは矛盾のようで矛盾ではないのか?)がある。外から他人の部屋を覗いている感じ。音をたててはいけない、気づかれると追いかけられてきそうな恐怖感。
でもこの本は、静かだが重みは感じられないなと思っていた。
そんな思いをひっくり返してくれたのが、『バックストローク』と『詩人の卵巣』の2作品だ。
小川洋子は『バックストローク』に出てくる弟のように、空想世界の隠れ家を見つけるのがうまい。私たちはその隠れ家の節穴から様子を窺いながら、時間を忘れて著者の世界に取り込まれてしまう。
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