安部公房『題未定』読了２

安部公房の萌芽。いくつか感想を。

『天使』・・・一番幸せなのは狂人なのかもしれない。

『白い蛾』・・・白い蛾と白いバラ、人間と？？？。わからない。

『悪魔ドゥベモオ』・・・名刺と別れた男の悲劇。悪魔の正体は？　『壁』の原型？

『憎悪』・・・自分を憎む自分。過去を憎む現在。そして分裂。生まれ変わるためには過去の自分を殺さなければいけないのか？　一種の自分殺人。主人公は加害者でもあり、被害者でもある。

『タブー』・・・隣の老人に苛つく僕。何が僕を苛つかせるのか？　とにかく難しい。しかし、今自分に必要な何かがある。再読する。

『虚妄』・・・笑わない女と傲慢な男。恋と性欲。男女を結びつけるものが笑顔？　やはり意味がわからない。

『鴉沼』・・・重厚。戦争直後の中国。置き去りにされた人たち。恋は幻に消え、沼に消える。

難攻不落。右往左往。