![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151646058/rectangle_large_type_2_2067b602fca8f3b4df4845eb8342974a.jpeg?width=1200)
ポール・オースター『ガラスの街』読了
初めてのオースター作品。
謎を曖昧なままに、いくつも残して物語は終わる。主人公のダニエル・クィンの過去、ピーター・スティルマンとその妻の行方、クィンの行方、電話は間違いだったのか、それとも裏で何か仕組まれていたのか、最後に突然登場した”私“とは誰なのか。読み方によっては、まとまりのない話で終わってしまいそう。この謎を解くヒントは『ドン・キホーテ』にあろう。(”私“はセルバンテス役?)
浦島太郎が玉手箱を開けておじいさんになったように、クィンも間違い電話を受け取った時点で、現代という時代から見放されてしまう運命にあった。
最後に自分を失ってしまったクィンに幸福が待っているとは私には思えない。