第5話 謎の甲板週番(3/6)
幹部候補生学校では陸上戦闘訓練も行います。訓練の総仕上げとして陸上自衛隊の演習場で約1週間、泊まり込みで戦闘訓練を行います。
訓練初日は台風が通り過ぎた後で、天気は最高でしたが演習場は足が取られるほどぬかるんでいました。当然、陸上戦闘シーンに天候等の環境条件は関係ありません。予定通り訓練は始まりました。しかし、昼過ぎに負傷者が出たとの報告が上がり、救急車もやってきました。
担架で運ばれてきたのがまさにさっき話した甲板週番Aをやっていた彼でした。泥まみれの戦闘服のまま彼は苦痛の表情のまま救急車で運ばれていきました。
彼の分隊長である長鋪(ながしき)1尉が学生隊長に報告し、本部に戻ってきた際に私は、彼の身になにが起こったのかを聞きました。
「彼はもともと防大時代に棒倒しで腰を壊して手術していたんだ。今日の演習場のぬかるみでその古傷をまた痛めたみたいだ。歩くのも難しいみたいでおそらくしばらくの復帰は難しいだろうな」
と返ってきました。
第5話 謎の甲板週番(4/6)につづく
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