みずき@海自ヲタ修行中

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元海上自衛官アップデートプロジェクト海のモクズの、夢のヘサキに。

「はじめまして!」のごあいさつこんにちは、山口 瑞樹(やまぐち みずき)と申します。 友人たちには〝みずき〟や〝みずきちゃん〟と呼ばれているので、皆さんにもそう呼んでもらえるとうれしいです! 職業は、こう見えて新聞記者。毎朝新聞というところに勤めてます。 趣味は寝ることかな(ごめんなさい、なんか忙しくて…)。 すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ワタシは、このプロジェクトの「伝え手」としてこの世に生を受けたバーチャルキャラクターなんです。 ワタシが生まれたのは、

    • 第5話 謎の甲板週番(6/6)

       防衛大学校の開校祭は手荷物検査の関係で学生の家族や知り合い等の見学客で、ごった返し正門から行列ができていた。船頭の悪知恵で報道の腕章が功を奏し、行列をしり目に正門を難なく車で通過した。  船頭は慣れた手つきで誘導員の誘導に従って、臨時駐車場に車を滑り込ませた。 「山口さんは学生舎とか見て学生に直接話を聞いてみるといいよ。一般の大学生とは明らかに違うから。あと、ナンパされないように気をつけてね~♪僕は知り合いのところに行ってくるからさ」  そう言って船頭は開校祭のメイン

      • 第5話 謎の甲板週番(5/6)

         五辻は話し終えると、盃に残った酒をグイッと飲みほして宙を仰いだ。  私は、五辻総監の意外なエピソードトークを聞いて、何を質問していいかわからずウーロン茶に口をつけた。  すると突然、  「五辻さんは秋の防大の開校祭に行くんすか?」 いつの間にか目覚めた船頭さんが盃に自分で日本酒を注ぎながら質問していた。  五辻総監は  「一応招待は受けているけど、船頭さんもご存じのとおり僕は防大出身じゃないからねえ。かといって幕僚長も違うから代わりに行ってよっていうのも違うよな

        • 第5話 謎の甲板週番(4/6)

           彼は結局、幹部候補生学校の卒業式までけがが回復することなく「艦船不適」の診断を受け、同期と一緒に練習遠洋航海に行くことが出来ませんでした。  彼は江田内湾に錨泊している練習艦隊に乗り込んでいく同期を陸岸から無表情のまま「帽振れ」をして見送っていました。しかし、卒業式に来ていた彼の母親はそんな息子さんの姿を見て泣き崩れていたんです。  あのシーンは今でも忘れません。彼は母親を抱きかかえて控室に連れていきました。それが私が彼を見た最後の姿です。 彼は、その後同期より半年早

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        元海上自衛官アップデートプロジェクト海のモクズの、夢のヘサキに。

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        • 海のモクズの、夢のヘサキに
          20本

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          第5話 謎の甲板週番(3/6)

           幹部候補生学校では陸上戦闘訓練も行います。訓練の総仕上げとして陸上自衛隊の演習場で約1週間、泊まり込みで戦闘訓練を行います。  訓練初日は台風が通り過ぎた後で、天気は最高でしたが演習場は足が取られるほどぬかるんでいました。当然、陸上戦闘シーンに天候等の環境条件は関係ありません。予定通り訓練は始まりました。しかし、昼過ぎに負傷者が出たとの報告が上がり、救急車もやってきました。 担架で運ばれてきたのがまさにさっき話した甲板週番Aをやっていた彼でした。泥まみれの戦闘服のまま彼

          第5話 謎の甲板週番(3/6)

          第5話 謎の甲板週番(2/6)

           翌日、学生隊本部に出勤し当直学生等々の指示伝達、その他学生の指導を終えた後、机を横に並べている赤鬼に問いました。  「甲板週番A正の学生はどんな奴なんだ。存在感がなくて今まで全く気が付いていなかったがなかなか面白いやつだと思うんだが。」  すると赤鬼は一瞬、パソコンのキーボードの手を止めてディスプレイを見たまま言いました。  「お前もそう思うか。正直、あいつが甲板週番Aにつくまで全く気にもしていなかった。あいつは要領もいいし、指摘されたことはすぐに直してくる。船乗りに

          第5話 謎の甲板週番(2/6)

          第5話 謎の甲板週番(1/6)

           五辻の思い出話は止まらない・・・・。 ***  次の日の夜の巡検も私は彼のコースについていきました。  巡検ラッパが鳴り終わり、彼は回れ右をして当直士官にいつもどおり申告をして巡検コースの先導を始めました。  当直で巡検コースの後に赤鬼・青鬼が付いてくる可能性は3分の2です。私たちが自分の先導するコースについてくるかどうかが判明するのがこの回れ右をして後ろを向いた瞬間です。  ほどんどの週番学生は我々が付いてくるとわかった瞬間に表情を一瞬変えます。しかし、彼は二日

          第5話 謎の甲板週番(1/6)

          第4話(4/4) 青鬼の思い出

           翌朝、彼はA4用紙のレポートを2枚持ってきました。私はその場で彼を立たせたまま一読しました。書かれている内容は、昨晩私が指導した内容をよく理解した上で、護衛艦上のチームワーク、人間関係をいかに円滑に確立するかが戦闘能力を発揮できるかがカギである旨が書かれていた所見でした。個人的には文句はなかったのですが、恥ずかしながらこの物静かな候補生を私は全く注目していなかったんです。もちろん名前は知っていたものの、週番学生として接するまで対して関心もなかった。  私はその日の巡検も彼

          第4話(4/4) 青鬼の思い出

          第4話(3/4) 青鬼の思い出

          「話が脱線したね。青鬼時代の話をしようか。私のことだけ話しても仕方がないし、幹部候補生学校のことも勉強されてきているだろうから、ちょっと横道にそれた話をしようかな。  赤鬼、青鬼は学生隊全体の服務指導、いわゆる生活面に関するしつけの指導をするんだけど候補生は多いときで約400人近くになるときがあるんだ。こちらは2人しかいないから物理的に指導することははっきり言って難しいんです。だから鬼として厳しく指導することによって候補生が自主的に規律を守るようにする心理的抑止力が機能する

          第4話(3/4) 青鬼の思い出

          第4話(2/4) 青鬼の思い出

           五辻総監に指定された時間の5分前に船頭と瑞樹は田戸台の総監官舎の前に立っていた。  船頭は迷わずインターフォンを押すと女性の声で「どうぞ、お入りください」と応答があり、電子錠の開く音が聞こえた。  玄関から五辻総監の奥さんと思われる女性が出てきて、「船頭さん、こんばんは~ご無沙汰しております。あら、かわいらしい女の子まで!どうぞおあがりください」といい、船頭さんの後について官舎に入っていく。  案内された部屋に入ると五辻総監が和服でくつろいで座っていた。 「お~船頭

          第4話(2/4) 青鬼の思い出

          第4話(1/4) 青鬼の思い出

           護衛艦「ゆうぎり」の見学も終わり、記者陣は大会議室で最後の五辻総監との懇談が始まるのを待っていた。瑞樹は海上自衛隊の勉強ノートを見ながら質問の最終確認をしていた。しかし、5分経ち、10分経っても制服を着た人すら誰も部屋に入ってくる気配はない。さすがに周りの記者も「なんだか遅すぎないか・・・」とざわつき始めた。  瑞樹も気になっていたので船頭に話しかけようと思ったが・・・いない・・・!? 『ん・・・あのハゲ、いつからいなかったの?全く気が付かなった。そういえばイビキがなか

          第4話(1/4) 青鬼の思い出

          【ご紹介】国際観艦式

          今年は国際観艦式が日本で開催されます。 コロナの関係上、本番の11月6日(日)は無観客での実施となりました(残念・・・・泣) 当日の観艦式は映像配信予定とのことですのでココロして待ちたいと思います。 しかし!!さすがは海上自衛隊様!! 本番前後で様々なイベントを用意してくださいました。 ご興味あるかたは是非、下記リンクをクリックして足を運んでみてくださいね♪ フリートウィーク|令和4年度国際観艦式|海上自衛隊 (mod.go.jp)

          【ご紹介】国際観艦式

          小ネタ:カレーが海上自衛隊の推しになった歴史

           海軍カレーというと今では、一般に広く知られたネーミングです。    一昔前は、海軍カレーという名称よりも家庭食として広く、カレーとして親しまれていました。    実際のところ、海軍カレーというネーミングが定着したのは1999年に海軍の街である横須賀が地域活性化を図るために「カレーの街よこすか推進委員会」が発足し、2001年、舞鶴海兵団が発行した「海軍割烹術参考書」にあった調理法を忠実に再現した「よこすか海軍カレー」が誕生したことが契機だったようです。    初メ米ヲ洗ヒ置キ

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          第3話:見学会のはじまり、はじまり~

           大会議室の正面スクリーン横の演台に、田戸台で名刺交換をした記憶のある  小柄なオジサマの海上自衛官の姿があった。  『誰だったっけな・・・?肩の階級章に金線が4本あるから1佐よね。みんな制服着てるから顔と名前が一致しないのよね』  階級一覧の紙を手に取りながら確認する。    「本日はお忙しい中、総監部主催の見学会にお越しいただきありがとうございます。  管理部長の影山でございます。本日の見学会に参加されている皆様は、毎朝新聞の船頭さん以外は、新たに異動で横須賀に来られたと

          第3話:見学会のはじまり、はじまり~

          小ネタ:海上自衛隊にいる赤鬼・青鬼

          海上自衛隊幹部候補生学校学生隊幹事付の通称です。    艦艇職種の防大と一般大の若手の成績優秀者の2等海尉で、幹部候補生の4期上の期別の者が配置されます。  職務がハードゆえ、実質的な任期は1年間です。    幹事付は2人配置されており、呼び分けるために。    幹事付A(かんじづきアルファ):赤鬼→防衛大学校出身者    幹事付B(かんじづきブラボー):青鬼→一般大学出身者   と呼ばれています。 幹事付の職務は幹部候補生学校の学生に対して礼儀や船乗りとしてのしつけを叩き

          小ネタ:海上自衛隊にいる赤鬼・青鬼

          第2話:海上自衛隊横須賀地方総監部へ

           頭を掻きながら、“すっぴん”のワタシは、昨日の夕方に起きた米軍兵の酔っ払い運転による交通事故の取材で、横須賀警察署駐車場で黄色いジムニーの運転席でノートパソコンとにらめっこしている。  横須賀警察署内で情報収集に走り回り、ようやく記事を送信し時計をみると20時を示していた。なんとか翌朝の早版※1に間に合う。  その一報は、非番で休みだった米軍兵がドブ板で昼間から飲酒して車を運転していたところ京急電鉄汐入駅のロータリーに突っ込んで停車していたタクシーに衝突。そのはずみで歩行

          第2話:海上自衛隊横須賀地方総監部へ