成長する人、しない人
人間には二種類いる。成長する人間と成長しない人間。
これを言い換えるなら、どこまでも今の自分に満足しない人間と、すぐに自分に満足してしまう人だ。
すぐに自分に満足し、今の自分でいいんだ!と自分の事を赦し、受け入れることの出来る人間というのは、今のその自分に納得している訳で、もっとより高みへといった意識はない。だから、彼らは成長しない。
今の自分を赦し、その自分にこれでいいと思っていると安住してしまえば、その人は成長など絶対にしない。これでいいと思っているならば、それを変えようとする必要がないからだ。
でも、よく人は変わりたいという。人間的に成長したいとそういう。わたしのクライアントさんにもそういう事を言ってくる人たちはいる。でも、こうした人の多くは皆、表面では内的成長を求めているようで、実際にはその内的成長など何も求めてはいない。
成長したいなんてのは、表面的な偽りで実際には成長を拒んでいる。こういった人たちに遭遇する時、人間というのは本当に矛盾を抱えた生き物なんだな深く実感させられる。
そもそも今の在り方にそれなりに満足しているのに、変化したい、変わりたいという人間は、ただ自分の目の前にある現状をどうにか自分のいい様にしたいだけといってもいいくらいだと私は思っている。
彼らは、自己反省的な意識は持たない。自己反省的な意識を持ち、常に自分の言動や、行動におかしなことはなかったかなど、その都度点検し、もしおかしなことが起こっていたり、何らかのバグが自分のどこかに見つかったなら、それを修正し、次は前回とは同じにならないようにしよう!と考えることが出来るそういった人間が、成長することが出来る人間なのだと私は考えています。
今に甘んじ、それをそれでいいと受け入れ生きている人間には内的成長は絶対にない。何度も繰り返すけれど、これだけは確か。
今、世間ではありのままという言葉が溢れているけれど、このありのままに生きるという事の意味を多くの人は誤解していると私は考えている。
ありのまま、今ある自分を受け入れて生きる。
これは、あまりにも都合のいい言葉です。何も自分の力でしたことのない人間にありのままに生きろ!と言ったら、ただカオスになるだけで。つまりは、このありのままという言葉は、それなりのことをちゃんとこなしてきた人にしか適用するべきではない言葉だと私は考えています。
ある程度の事を、ある程度のレベルまで自分の力で努力して積み上げてきたひと、そういう人にこそ送るべき言葉、そういう人こそが持っていい言葉なんじゃないかと私は考えています。
誰でも彼でもありのままに生きていいんだよなんてことを謳うから、この世の中がおかしなことになっていく。人は皆それぞれ違う。だからこそ、1つの言葉を誰にでも、同じように適用することにはリスクがある。
このありのままに生きろ!というこの現代に流れているこの魅惑的な言葉は、それを聞く人によって、その姿を変える。それは時に毒となり、そしてまた時には良薬となる。
このことを是非とも皆さんに知ってもらいたい。
何もしない人間がありのままに生きたらただ雑多なものになっていくだけ。そういう人には、このありのままに生きろ!なんて言葉は与えてはいけない。
彼らにとってはこの言葉が毒となる。
ありのままに生きろ!という言葉を言っていい人間というのは、繰り返しになるけれど、それなりに自分を追い込んである程度までやってきた人にはじめてつかうことが出来る言葉なんじゃないかと最近しみじみ思う。
今この現代は、この何も自分でやろうとしない人間が圧倒的に増えた。何をするにも面倒臭い。タイパ重視、こんなことを言っている人間が、自身を変化させ、より高みへと自分を持っていきたいなんて考えるわけがない。
彼らはただ今に甘んじて、そこから一歩も動こうとしない。そしてその今を受け入れながら、その今に何らかの不満をもち、あーだのこうだのとくだらないことを話しているに過ぎない。
彼らは変わりたいんじゃない。ただ目の前の現状を自分い都合のいいものにしたいだけ。そしてその自分い都合よくしたその世界を見て、自分は変わったんだとそう頷く。
仕事柄思う事だが、一回、二回のカウンセリングやコンサルを受けて、自分が変わったという人間を見たりすると、本当にうんざりするというか、逆にそうした人たちが可哀想になる。
何年もの間ずっと、その心に抱えていた問題が、ほんの一瞬で消え去るなんてことはない。そんな夢のような話はない。何年もその心を痛めてきたのなら、それを回復するには、少なく見積もって、その倍い以上はかかるという事を私は、これから出会うクライアントに伝えたい。
変わりたい、自分に何らかの内的変化を起こしたい。そう思っていて、それが出来た!自分は変わった!なんてことはその瞬間にわかるものじゃない。長く生きてくるそのプロセスの中でそういった感情は様々な経験や体験、そうしたものを通して徐々に実感されてくるものだと声を大にして言いたい。
今この時代に生きる私たちは、あまりにも自分の心を軽く見すぎている。私たちの心は壊れれば、簡単に直すことが出来るようなおもちゃじゃない。
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