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すわ金縛り!
色々気ぜわしいし疲れてるんだから早く寝ればいいのに、そういう時こそ寝られない。昨夜はうっかり明け方まで、ナイツが決勝に出たM-1を3本一気見してしまい、約束どおり母に電話するため朝起きたら朦朧としていた。
すぐ電話は終わると思った。
終わったら二度寝しようと思っていた。
なのに小1時間かかった。
電話を切ってから、今日であれから8年か、と気づいた。
あの日は赤ん坊の娘と昼寝してたら揺れで目覚めて、ベッドの橫に立てていた姿見が倒れる直前すんでのところで食い止めたんだった。かわりに娘がベッドから転げ落ちたけど。
あのとき大事な命を失ったすべての方々に、哀悼の意を表します。
当時まだ母は、帰省したら自慢の小松菜漬けを出してくれたっけなあ。
あんまり揺れたんで驚いて母に電話して、テレビをつけたら大変な事態で、長いこと母と電話しながらNHKに釘付けになった。
でも、本当の惨状はまだ知らなかった。
原子炉建屋もまだ爆発していなかった。
私は娘を連れてすぐ実家へ避難し、夫も犬を連れて数日後に来た。猫はシッターさんと一緒に1ヶ月以上東京で留守番させた。
シッターさん、東京に残ってくれて、本当にありがとうございました。
実家に帰って母が出す料理が「どん兵衛」になったのは、わりとそのすぐ後だったか。
と呆然としていたら、病院キャンセルの報を受けた。
移動になった予約の日が良くない。さらに混乱しそうな日だ。寝不足も手伝って暗澹たる気持ちになった。そしたら予定よりずっと早く工務店の人が来て、水漏れする台所の蛇口を確認していった。
予定がどんどん変わる。
見えたと思った先がすぐ霞む。
目は眠いのに、頭の変なところが冴え冴えとしてきた。
何から手をつけていいか分からない。母ぐらい混乱した。
で、書かなきゃいけない原稿を横目にnoteの記事を書いて、気づいたらおやつ時で、娘が帰ってくると思ったところで寝落ちしたらしい。
チャイムがなった。一瞬何がおこったか分からない。
視界がパステル調だ。息ができない。
そうだ、娘だ、鍵開けなくちゃ、
と思ったけどもここであれですよ、体が動かない、おおこれってついに噂のあれですか?「かなしばり」ですか??疲れてると起こるらしいですよね、私今疲れてますね、動けない、うわああ金縛られてる!かっけえ!!
なんて楽しむ余裕もなく。
もがいていたらなんとか起きられた。けどもまだ視界はパステル、息が止まった感じのまま。鍵は開けたらしいけどそこからしばらくまた動けなかった。
夫はたまに金縛りになって、壁から生えた手に首を閉められたり、呪いの猫に「間違ったら死ぬなぞなぞ」を出され続けたり、背中を向けたサラリーマンが部屋の隅に立ってるのを見たりするようだ。
「猫がいちばん怖かった」と言っていた。
ちなみに夫は私より猫好きだ。