乗り越えられない過去に縛られている時に読む本【過去は自由に変えられる】本紹介.4
この記事で紹介する本
タイトル:過去は自由に変えられるマジックミラーの法則
初版発行:2015年9月22日
著者(監修者):佐藤康行
発行所:株式会社アプレ
【過去は自由に変えられる】の概略
まずお話しておきたいのですがこの本は、
記事のタイトルも含めてそのままのものです。
過去から来る苦しみ、悲しみ、辛さなどによって、
前に進むための一歩をなかなか踏み出せない。
そこまで大げさじゃなくてもちょっとした引っかかりなどがあり、
解消してスッキリ前に進んで生きたい。
そんな場合にどういう考え方をすればいいかについての本であり、
もし当てはまるならまず一読してみることをオススメします。
下手に事前知識などを仕入れずとりあえず読んで感じ入るものがあるなら、
大いに効果を発揮する本だと思うからです。
逆にはまらない人には仮にまっさらな状態で読んだとしても、
おそらく劇的な変化は期待できないと思います。
ちなみに僕は初見でそこまで感じ入るところがなかったんですが、
それでもはまる人にははまると思うので紹介します。
では、ここから概要です。
この本は過去に対する認識を書き換えることで印象を変える、
印象が変われば言動が、言動が変われば周囲への影響が、
影響が変われば結果が変わるということをお話しています。
そのためにまず人間には顕在意識と潜在意識があり、
そのさらに奥に真実の本当の自分というものがある。
それを集合的無意識という名で定義しています。
以上を前提にマジックミラーの法則というものを提唱し、
どのような考え方をしていくかについて解説していく。
マジックミラーの法則は集合的無意識、
本当の自分から見る物事こそが真実であり、
潜在意識や顕在意識から見ているもの。
あるいは鏡の法則と言われる自分の状態を相手は映す、
例えば自分が怒っていれば相手もそれを感じて、
不機嫌な態度を取るといった状態。
形作った因果関係、ストーリーなど、
こういったものの全ては偽物である。
顕在意識等はマジックミラーの先は見えないけど、
集合的無意識はマジックミラーの先から全てが見える。
だから、集合的無意識という完璧で満たされた本当の自分を知り、
そこから物事を眺めることで苦しみや悲しみを生み出している、
偽物の認識を書き換えていけるという法則です。
以上のことを著者である佐藤さん自身のエピソードや、
佐藤さんがカウンセリングを通して接し変化してきた、
様々な方の体験談を通して伝えようとしている本になります。
【過去は自由に変えられる】から学んだこと
さて、概略を読んで分かる人はわかるかと思いますが、
これは別に特別なことを言ってるわけではないです。
自己啓発の本とかセミナーとかで学んだことがある人なら、
同じような話を聞いたことがいくらでもあると思います。
理想の自分をまず定義してその理想に近づくような認識の仕方で、
過去の出来事等に対する印象を変えていこうというものです。
過去は自由に変えられるの場合、理想の自分とはつまりは集合的無意識、
集合的無意識という理想を妨げている顕在意識や潜在意識の認識法を、
別の方向性へと変えてあげることで過去(の印象)を変えるのですね。
昔から言われていることを出版当時から見れば新しい表現や切り口で、
改めて言い直しているというのが正直な感想です。
故に、これも分かる人は分かると思いますがこういう理論を知っても、
それができる人とできない人がいるという現実がある。
それはなぜかと言えば単純に過去の印象を変えるのに重要なのが、
方法論とか効果的なテクニックではなく心から信じることだからです。
逆に言えば方法論やテクニックは変われる、
変わったと信じ込むためのツール。
あるいは一連の手順を通して心に対する解像度を上げるツールに過ぎず、
極論言えば無条件にでも信じられれば過去は変わる。
変わったと信じ込めば本当に自分の態度や言動が変わっていく、
それが周囲に与える影響を変え、影響が結果を変えていきます。
変わったということが良い結果を引き寄せたという事実につながると、
ポジティブな連鎖が起き文字通り人生を全体を変えていく。
過去の苦しみ等を引き起こした出来事も必要なものだったと信じられる、
本当の意味で解放され前向きに人生を歩んでいけるようになります。
著者である佐藤さんはそのことを多くの経験からよく理解している、
人が変わるということの本質をきちんと把握している印象を抱いた。
ですから、この本の重要なところはそういう理論とかではなく、
著者自身も含めた様々な人の体験談なのですね。
この体験談等が全体の半分以上を占めているのですが、
それに触発されて自分も変わりたいと心から思える、
この方法を使えば本当に変われるんだと信じられる。
ファーストコンタクトでそういう感覚を得られるかどうかが、
この本を通じて過去を変えられるかどうかの分かれ目といっていい。
概略でお話したように僕はそこを乗り越えられませんでしたが、
それはこの本の内容が悪かったからではありません。
それ以前にすでに触発された別の人がいて影響を受けていたことと、
語られていたエピソードに引っかかりがあったこと。
お話してきたような理論等の仕組みをある程度であれ把握し、
冷静に見れてしまうのでそこまで心が動かないというだけです。
心が動くならこの本の内容だけで過去を書き換えられる人もいるでしょう。
なので、これも概略でお話しましたがこういう解説的な話を見る前、
言わば心に受け入れるのを妨げるノイズになりそうな情報を見る前に、
興味があり変えたいと思える過去等があるなら一読してみてほしかった。
一読してはまるなら勢いのまま一気に変わる可能性もあったからです。
で、こうしてこの本についてお話してきて改めて思うのが、
人を変えることに必要なのはテクニックや方法論ではなく、
いかにして相手を触発させるかということなのですよね。
正直、どんな分野であれテクニック等は知っていれば役に立つ、
時に大きな結果を生むきっかけとなることもある、
だけど知らなければ知らないで問題がない場合も多い。
ある結果に必要な本質的な考え方がきちんとできるなら、
求める結果が明確に定まってる場合そこから逆算し、
自然と何をすべきかという具体的な指針は見出だせる。
逆にそういう考え方や明確な理想像を定めることを怠って、
テクニックや方法論だけで無理やりハードルを超えさせると、
後になって何かしら反動がくることが多いです。
で、テクニック等は誰でも教えることはできるんですが、
本質的に結果を得るに足る状態に変えるということは、
何よりも触発するということが必要不可欠なんですよね。
そういう状態になりたい、自分でもそういう状態になれるという、
頭ではなく心で感じる熱さとでもいいましょうか。
心が大きく動かされる、触発されるということなしに、
この本でお話されている過去、それも時にトラウマレベルの過去を、
その認識や印象から根本的に変えるということはできないのでしょう。
逆に言えばそういう触発を生む力というものがあるなら、
テクニック等はほとんど必要なく変えるきっかけを作れる。
そして、著者の佐藤さんはそういう力を持っていると思います。
幼い頃に母を失ったり帰る家を失ったりしながらも、
それを糧として起業等で大きな結果を残した。
50代になって半身麻痺になり身体の右側しか動かなくなっても、
このような本を書いたりカウセリングを通じて何万もの人に影響を与え、
より良い人生を開く手伝いをし続けている。
そういう生き方に触発された人が人生を好転させていき、
その体験談がまた新たな人が変わっていくきっかけとなる。
変わるのに必要なのは触発されるということ、
触発される対象を見出すということなのです。
そしてこれは自分が誰かに影響を与えていきたいという場合にも、
肝に銘じておかなければいけないことだと思う。
何であれ、例えばビジネスのように価値を与えてお金を得るものなら、
実質的な変化を起こすための価値も確かに必要なものですが、
何よりも大事なのは変化を起こせるに足る状態に相手が変わること。
お金を稼いでもらいたいなら稼げるようなマインドに、
苦しみや悲しみから解放されたいならそういう考え方ができるように、
最高に楽しい瞬間を得たいならそれを許容できる心境に。
下地となる状態にまずは変わってもらう必要が少なからずある、
そのためにまず必要なのはテクニックでも方法論でもなく、
触発されるようなきっかけを与えられる力である。
そのようなことをこの本から学ばせてもらいました。
では、今回はここまでです。
ありがとうございました。
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