#151 第三弾 ぬか床への詫び状と、愛おしむ決意💗
ぬか漬け愛はあるのに‥‥
ワタクシ、noteに2回ぬか漬けについて書きました。
ぬか漬けという、好きか嫌いかがハッキリ分かれそうな話題をみなさんよく読んでくださったなと思います。
(やっぱりnoteぬか漬け部の功績かしらん‥‥)
栄養価は半端なく高いと思います。
玄米を食べるのが体に良いと言われていても、消化に問題がある人もいますし、単に白米が大好きな人もいますよね。
白米が栄養価で劣っている部分を、精米して削られた糠をもう一回栄養素として再利用しちゃうってすごいと思います。
しかも腸に健康な菌を増やしてくれる発酵食品ときたら、もう最強ですよね。
味も好きです。ぬか漬けと一口に言っても、これが一様でなく、家庭によってなぜか味が変わるのも魅力です。
私がぬか漬けを評価していることは感じていただけたと思うのですが、どうも口だけで、本物の愛情が足りてなかったようです‥‥
というのも、
せっせとぬか床作成、ぬか漬けを開始しては失敗する‥‥それを何度も何度もくりかえしてきたのが私の正体なのです(恥ずかし~い)。
私の人生全部のなかで回数にすると、2本の手の指の数くらいでしょうか‥‥
そもそもがイギリス人にとってはちょっと異様としか思えない匂いではあるようです‥‥私が『美味しい』と感じる状態であってもです。
普通のぬか漬けなら、夫がテーブルの上のぬか漬けをそーぅっと、テーブルの端のほうに移動させているくらいの反応です。
ぬか床は毎日掻き回さないと、へんな匂いになってきますよね。それがいつしか、ちょっと許せない臭いになる日が来る。
「ああ、やっちまった‥‥」
経験ある方ならわかってくださるでしょう(ため息)
それでも、塩を足す、とか水分を吸収してくれるもの(足し糠や乾物)を入れる、そしてひたすら掻き混ぜる頻度を上げる、など何日かかっても救出の手段は必ずある‥‥
と書かれているのを読みました。
きっと私の場合、ちょっと蓋を開けただけで、いや、蓋の開いていない容器からでさえ、漂う臭いに家人が耐えられなかったということも作用したのでしょう。
庭に出されました‥‥
それでも「何としても私が守る!」という気概。
私はそれをどこに置き忘れていたのでしょうか‥‥
日本に居なくてもできることもある
日本に住んでいても、ぬか漬けを始めようと思ったら普通はぬか床セットを買ってきたりしますよね。
私もそんな製品を買ったこともありました。
ところが、イギリスに居て、しかも日本食の手に入りにくい田舎暮らしでありながら、我が家はほんの少し変わったことをしています。
それは、
イタリア産有機栽培の短米20㎏袋を玄米で買って、家でご飯を炊く度に3合ずつ精米器にかけていること。
ちょっと説明すると、アジアの国でも地理的に短米消費国と長米消費国ってはっきり分かれているのですよね。
イギリス人はインドなどの南アジアの移民が多いですから、食事としての Rice といえば長米一択です。ただイギリス人が好むライスプディング (ミルクとお砂糖で煮たデザート) にはイタリア産の短米が使われます。
これが、日本のお米に似ているのです。
もちろん日本食品店から輸入こしひかり (高い) や、SUSHI RICE と呼ばれる白米も買えます。でもやっぱり日本国内でいただけるご飯のような『ごはんらしい香り』がしないのが長年気になっていました。
ならばいっそ前出のイタリア産の玄米を発芽玄米にして食べようと思いました。
それで、発芽玄米を炊いてくれるスペシャルな炊飯器を日本から買って送りました。それを使うためにヘヴィな変圧器も買いました。
ある日、日本人のお友達が「使わなくなったから」と日本製の精米器をくださったのです。それは我が家にそれを使うための変圧器があったことが決め手だったのだと思います。
その夢のような精米器のおかげで私たちは気分によって玄米だけでなく胚芽米や何分づきという精米具合を変えた白米をいただくことができています。
ここまで条件が整っているのです。もう「米ぬかないし‥‥」は、ぬか漬けができない言い訳にはなりません。
ところが、漬けて美味しい野菜が日本と違うという案件が残っています。
まずは定番中の定番である、茄子もきゅうりもイギリスのものは大きすぎるのです。
茄子でいえば、下の画像の米なすというものになります。いや、もっと大きいかもというくらいです。イギリスでこれ以外の茄子はありえません。
きゅうりも。
したがってなんというのでしょう、大味なのです。水分が多すぎて、まずぬか漬けには向いていません。
王道の大根はどうでしょう?
残念ながらもともとイギリスの野菜ではないため、スーパーマーケットで普通には売っていません。移民の多い都市では苦労しないで買えると思うのですが、私の住む地域は白人ブリティッシュ率の高いところ‥‥
蕪も日本のとは似て非なるものだったり‥‥と、ぬか漬けのモチベーションが上がらない理由も挙げればいろいろあるわけです。
そんななか工夫してやってみたのが、先に記事にさせていただいた第一弾のモクレン、第二弾のわらびのぬか漬けでした。
ちょっとだけ『ぬか漬け上級者』のように映ってましたか?
本当は、ぬか床さんが喜んでくれるよう、愛想を尽かされないよう、まだビクビクしているのかもしれません。
ちょっと斜めから攻めがちなのは、美味しく漬かるものを日々模索しているからです。
子どものパックランチ (お昼のサンドイッチやフルーツ) をターゲットにした一口サイズのきゅうりが昨今出ていまして、ぬか漬けだけのために買ってみました。きゅうりとしてはこれがかろうじて使えそうな感じです。
この画像の私のぬか床ですが、もさもさと草だらけでお見苦しいかと思います。旬の野草を保存するのにぬか頼みにしてしまった結果です。
細かい野草を取り出すたびにぬかが減りますが、そこはいつでも足し糠ができる環境にあることがとても幸いしています。
つる・るるるさんへのラブレター
さて、知名度はかなり高いと思いますが、noteの街の【ぬか漬け部】。
部長のつる・るるるさんのお歳はどうやらうちの娘と同じのようです。
ピリカグランプリの審査員もされ、文学フリマのために作られた素敵な紙のご本の重版が決まり新刊の予定もあるという頼もしいnoterさんです。
もう文章やお話される様子から、どんなに素敵なご家庭でお育ちになったかが透けて見えてくる感じですから‥‥
そんな尊敬するnoterさんを『るるるちゃん』と呼んでしまうのは、もう娘のようなあなたへの愛おしさでございます。
るるるちゃん、最近ではぬか漬けエッセイ集を作ろうぜ、というNNE計画なる記事を上げておられます。
コノエミズ、ギリギリセーフで入れていただけると嬉しいのですが‥‥
ぬか漬け部のみなさま、こんな前科何犯か憶えていないくらいの私ですが、何とぞよろしくお願いいたします。
今後のぬか漬けの展望は‥‥
あは。展望だなんて大それたものはないのですが、私、子どもの頃から好きだった懐かしいものがあるのです。
それは、石川県や富山県で作られる「こんかいわし」というもので、冷蔵庫のない時代の鰯の長期保存法でした。
塩蔵のあと、ぬかに浸け込むのですが、それを香ばしく焼くと、ご飯が何杯でもたべられてしまいます。
私にとっての愛おしい『田舎の匂い』なのです。
福井県や滋賀県のへしこも、鯖でおなじように保存食として考えられたものなのですよね。もう、糠って最高ですよね。
毎日のぬか漬け感覚手軽にできる、こんなレシピも。
ちょっと真似ごとで塩した鮭をぬかに漬け込んだ後、焼いてみました。
イケます、イケます。
魚の場合ですが、塩蔵のものを漬けてから焼くもよし、茹でた鶏ささみを漬けるように、焼いた鯖を漬けたものもなかなか美味しかったです。
鶏肉でなく、単純に家に豚しかなかったので、茹でた (薄切りでない) 豚肉をぬかに漬けてみましたが、柔らかくなって消化によいものになってる感じがしました。年配の方への一工夫として糠が活躍しそうです。
肉・魚類はもっともっと開拓の余地があるという気がします。
そうそう、るるるちゃんアンケートの一覧になかったような気がした食材があります。
先日宮崎県産の肉厚の干し椎茸をいただきました。それをそのまんま漬けたら、ぷりっぷりのとっても美味しい椎茸のぬか漬けになりました。もとの椎茸が立派だったからですね。
焼いて食べた方がいいとネットで読みましたが、そのままでも美味しくいただきました。
あと私、こんにゃくが気になってます。
日本のおいしいこんにゃくでぬか漬けを作ってくださる方、結果を教えてくださると大変嬉しいです。
あ、もうひとつありました。
ルバーブという野菜。イギリスではほぼクランブルやジャムなど砂糖と一緒に煮る食べ方しかない感じなのですが、意外とぬか漬けがイケるのじゃないかと思っているのです。
なぜ目を付けたかと言いますと、ルバーブは海外在住者が作れる『練り梅もどき』になるからです。練り梅にするには、砂糖じゃなくて塩を入れてくたくたになるまで煮ると酸っぱくてまるで練り梅を思わせるものができます。
去年はスライスしたものを加熱せずに塩に漬けたらいい感じに発酵して美味しかったのです。
これはそのうちやってみてうまくいけば第四弾として報告させていただきますね。
ではまた。