#76 こういうの見つけちゃうと、遊んでみたくて仕方なくなるんで‥‥
冒頭の写真は私の『うそっこきモチーフ編み』です。これについては記事の最後に蛇足でお話しますね。
先日の記事で、ものを大切に使うイギリスのカルチャーに触れた。
誰かの不要になったものを捨てることなく、欲しい人の手に渡るプラットフォームが、イギリスではいろいろ存在する。
今回は、コミュニティーのリサイクリングセンターで見つけたお宝で存分に遊んだ話を。
“One man’s trash is another man’s treasure.”
ある人にとってのゴミは、別の人にとっては宝もの
私が見つけて買ってきたのは、カーテンやソファを受注する際の見本帳数冊。
こんなにきれいなグラデーションできれいな色がひとつに綴じられている。器用な人ならどんなふうにでも利用できるだろうが、あまり時間がかかってしまってはなんだか本末転倒な感じ‥‥
私がリメイクをする場合、元々それがなんだったかが軽くわかるくらいがいいと勝手に思っている。
ちょっと形を変えて横に並べた感じをチェックしてみる。
バンティングを作っておけばガーデンパーティーとか、人が集まる時にさっと使えることもあろう。
わざわざ綿テープやリボンを買ったのではリサイクル感が薄れてしまう。以前見つけた、企業からの廃品であるポリエステル50%・コットン50%の表示だったリボンを使うことにする。ファンキーだ。
こうしていくつものバンティングの束ができた。
知り合いのパーティーやイベントに貸してあげることもできたので、お役に立ったのではないかと思う。もっとも流行り病で人が集まることがなくなって久しいので、しばらくお役目がないのだが‥‥
これらのチェック・ストライプ柄は2枚ずつ入っていたので、パッチワークに使えるかな、と並べてみたらなかなか可愛い。これはトートバッグとか、作るものを考えてから繋いでいこうと思っている。
そして、紙好きの私が一目で惚れたヴィンテージの壁紙の見本帳。もううっとりするようなダマスク柄なのだ。
これをすべてバラす。一枚一枚が一目で見れるようにずらして製本されていたため、いったん同じ大きさの正方形になるようにステンレス定規とカッターナイフで切った。
キッチン側とダイニング側の区別をつけるかのような小さな壁。ここに壁紙をパッチワークすることに決めた。
私が「次はこれ」と順番に差し出す小さな壁紙を夫が一枚ずつ貼っていく。なかなかの完璧主義ぶりを発揮する夫。近くでチェックしても申し分ない緻密さで貼り終えてくれたのがこれだ。
半日、ふたりでこれにかかりっきりになったが、楽しかったし、世界でここにしかない壁になった。
もともとあった額を戻して、こんな具合に壁貼りが終了。
この壁を貼ってから2年が経つが、もともと発色のいい高級な壁紙のようで、今でもとてもきれい。出来上がりの華やかさ (賑やかさ?) もいいが、私たちは何よりも工程が楽しいんだと思うのだ。
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工程と言えば、冒頭のクッションのことになる。
これはかぎ針で色とりどりのモチーフを編んでつなげる、モチーフ編みに『見えるように』真似たレース編みのクッションだ。
チャリティーショップと呼ばれる、チャリティーのために寄付されたものが売られている店がイギリスにはたくさんある。もともと白いレース編みのクッションカバーが50ペンス(75円くらい)で売られていたので、手に取っているうちにぬりえで遊んでみようとひらめいたのだ。
私は家にあったSharpie (シャーピー) という油性ペンを使ったが、日本ならもっと発色の良い油性ペンがありそうな気がする。
これをひとりでぬりぬりしていた時の背徳感といったら‥‥
愛をこめて一枚一枚のモチーフを手編みする方のことを想うと、「これあかんやつや‥‥」と思うのに‥‥ 不謹慎だと感じるのに‥‥
楽しかった。
【よいこの皆さまはやめましょう】と言いたいのだけど。同時にみんなが編み物が得意なわけじゃないのだから、好きに楽しめばいいんだよ、とやっぱり言いたいです!
最後に、noteでこんな素敵なかぎ針編みモチーフをされているnanamotifさんを見つけたので紹介させてください。
めちゃめちゃいい色で、愛がいっぱいで可愛い、まさにこれなのですよ、私の理想の世界は。
本日の話がリサイクルのソフト版なら、ハード版が前回のサルベージヤードの話になります。