乳児期後半の発達の世界とASDと呼ばれる子どもの姿
『発達の扉』●子どもの発達のみちすじ●
文:白石正久
白石先生の本は、本当にあたたかい。
子どもの姿の中に見える、心のエネルギー…発達が飛躍するために必要な心のエネルギーの大切さを思い出させてくれます。
今回は、白石先生の本を参考にさせていただきます。よろしかったら、お付き合いくださいね。
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生育歴を聞かれることはありますか?
✔手がかからない子だった
✔1人でいるときの方が機嫌がよかった
✔視線が合いにくかった
✔人見知りをしなかった
ASDと診断される子どもによくみられる✔です。
✔寝返りをあまりしなかった
✔ハイハイをあまりしなかった
も、あるかもしれませんね。
では、発達的なつまづきはどこにあるのでしょうか?
ここでは
✔人見知りをしなかった
を軸に考察します。
✔人見知りをしなかった
は、【8ヶ月不安】が薄かったといえます。
では、この【8ヶ月】の時期の発達をみてみましょう。
①感覚的特徴(ものの形や大きさや色)の背後にあるものの性質を知ろうとする探索活動
②知ってるものと、知らないものをはっきり知り分け、知らないものへの不安を強める(二分的世界)
と、あります。
探索活動をしない、不安がない
というところが、つまづきポイントになりそうですね。(なぜないのか?どこの発達でつまずきがあるのか?は他の✔ポイントとも関係があり、4か月、2ヶ月の発達の関連していきます…がひとまず…)
探索活動をしない
は、興味の幅が狭い(視野も関係あるかな?)
不安がない
は、見比べの力が弱い
といえます。
こうなると、どのような姿を見せるでしょうか?
✔手がかからない子だった
✔1人でいるときの方が機嫌がよかった
✔視線が合いにくかった
と、なりそうですね。
そして、また
探索活動をしない
は、興味の幅が狭い
不安がない
は、見比べの力が弱い
は、運動面にも影響をします。
✔寝返りをあまりしなかった
✔ハイハイをあまりしなかった
と、なりますね。
赤ちゃんにとって動くことはとっても大変です!『動きたい!』という気持ちになりにくかった…ということですね。(前段階の発達に関係してきます)
そして、寝返りやハイハイをしないことで、感覚統合的な発達も躓いていきます。
ね、8ヶ月のつまずきです。
では、8ヶ月の時に赤ちゃんは何をしているかというと
・寝返り
・ハイハイ
・見比べ(ビジョントレーニング)
そして
・安心できる大人と一緒に二分的世界を乗り越えていく
ことをしています。
そうして、発達をしていくのです。
だから、ここでつまずいていたら、ここをじゅうぶんに育てていくことが大切です。
「ASDの特性だから」だけで括っていませんか?
括らないと…今、できることが見えてきますね。
必要な方に届きますように。