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読書日記

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2024年3月の記事一覧

『方舟を燃やす』に漠然とした不安との付き合い方を考えさせられた

『方舟を燃やす』に漠然とした不安との付き合い方を考えさせられた

不安と噂の大河ドラマみたいな小説でした。なんのこっちゃ。

子ども時代は学校の七不思議だの、世界の七不思議だのに夢中になり、恐怖の大王が降ってくるというノストラダムスの大予言に「未来があるのかないのか」と不安になったものでした。
小説中に描かれる、1967年からの社会の様子に、あの頃抱えていた”漠然とした不安”を思いだしました。昭和~平成~令和の時代に起こった様々な事件を切り取って描きだしたことで

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ハードボイルド江戸市井小説だった『夜露がたり』

ハードボイルド江戸市井小説だった『夜露がたり』

凜とした、武士の矜持、背筋が伸びるような… これまで神山藩ものを読むときはそんなキリッとした、そして前向きな印象をもって読み終えたものでした。
そんな砂原さんが描く市井はどんな人情ものになるのだろう。とわくわくしていた気持ちは冒頭から裏切られます。江戸市井ものといっても、人情ものとは遠く、江戸の時代を生き抜くということはこれほど苛烈なものだったのか。と、そんな感じなのです。
非情なまでのしたたかさ

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新しいおひとりさま物語、かも『襷がけの二人』

新しいおひとりさま物語、かも『襷がけの二人』

表紙に二人の若い女性がたすき掛けをして、家事をしながらおしゃべりをしている姿が載っていたので、女中さんの友情物語かしらと思って(いつものことながら他は何も見ず)読み始めた作品。
読み終わってから振り返ると、ある意味ちょっと風合いの違った「おひとりさま」物語なのではないかと感じています。

表紙を飾る二人は、女主人と女中さん。この二人の人生そのものが襷がけのような関係でもあります。
戦前~戦中~戦後

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三月といったらこのシリーズ『夜明けの花園』

三月といったらこのシリーズ『夜明けの花園』

恩田陸作品で、装画が北見隆となったら、そりゃあ「理瀬」シリーズでしょ。ということで迷わず手に取りました。何も考えずに。

ところが、なぜかこの裏にはおぼえがある…デジャブ!? って、新たな能力覚醒したのかと思ったんですけど、これまでの各種短編集に載ってる話だった。というオチ。

とはいえ、『三月は深き紅の淵を』の出版からもうそろそろ30年にもなるので、どのみちはっきり覚えてないし、さて、その話って

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むせかえるような愛情『二人キリ』

むせかえるような愛情『二人キリ』

「村山由佳が阿部定書くんですってよ」「ぎゃー」
という会話が某所でありました。似たような感想を持った人は私だけではあるまい。

野次馬根性丸出しの読者に対して”そういうことではない”という釘を刺すところからはじまります。そこには、誰も知らなかった阿部定を描いてみせるという村山さんの意気込みみたいなものを感じました。
全編を通じ、文中から漂ってくるのが隠しきれない血の臭いとどことない腐臭。

愛しい

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