2023年11月の記事一覧
日常と背中合わせにある悪を感じた『悪逆』
最近まで黒川さんの本を読んできていないので、疫病神シリーズなどの人気シリーズは未読のままです。前回読んだのが『連鎖』、このときに関西弁の刑事コンビの空気感がいいなーと印象に残っていたので新作『悪逆』にチャレンジしてみました。
前回の刑事たちと登場人物を替える必要があったのかしら。決して腐すわけではなく、しょうもない日常のあれこれを言いあい、とはいえ、必要以上に自分をすり減らすわけでもない刑事の姿
『誰が勇者を殺したか』
いつのまにか、私のなかにはラノベレーベルと単行本ファンタジーの間に何かの境界線があるような刷り込みが出来てしまってた。
もっとも、あの『十二国記』だって、元は講談社X文庫ホワイトハートで刊行されたわけで、ラノベレーベルからだって何かの境界を飛び越えて読み継がれる作品はいっぱい出てるんですよね。
とはいえ、ラノベと聞くと、どうしても初速型で人気絵師や人気作家のものがぱぱっと売れて沈静化して…という印
大好きな酒見賢一さんが亡くなってしまった
酒見賢一さんが亡くなってしまった。
色々な本を読んできたし、好きな作家もいっぱいいるけれど本の仕事に就くきっかけになった一つが『後宮小説』との出会いだったのです。
初めて読んだのは高校生のとき。子どもの頃からそれなりに本は読んできたけれど、よくありがちな「読書の谷間」のような時期に入って、積極的な読書から遠ざかっていた頃の話でした。
学校から言われた課題ばかりを読んでも、タメにはなるかもしれない
『素敵な圧迫』が癖になる
本屋大賞の実行委員をやっていると「本屋大賞って、女性に受ける本しか取れないんでしょ?」と聞かれる事があります。書店の店員=女性 というイメージがその一因だと思うのですが、今回20回記念フェアで小冊子を作り過去のノミネート作を振り返ったところ、ある人に「こんなにゴツゴツした本も選んでたんですね」と驚かれました。
*その小冊子、もう現物は入手困難ですがこちらのHPからダウンロード出来ますのでぜひ見てみ