
ぼたもちは船を漕ぐ
ぼったん、どいて!そこどいて!
毎朝この声を聞いておとんが起きたことに気づく。
ぼったんが玄関前に居座っているのだろう。
ぼったんの名前はぼたもち。野良猫だ。
ぼたもちはいつもここでごはんをもらう。
botamochi house と描かれた家もある。
体調が悪そうだったら病院で薬をもらう。
すぐ人にお腹を見せる。
ぼったんの名前はぼたもち。野良猫だ、たぶん。
わたしが朝お店の開店準備をしていると、ごはんをあげるまでにゃーにゃー言いながらついてくる。
わたしがあげたって、数時間後にはまた鳴いて誰かしらにごはんをもらうのに。
一日何食たべているの、そろそろ本当に餅になりそうだよ。昨日薪ストーブの前にいる時餅みたいだったよ、焼き餅だったよ。
ぼたもちは船を漕ぐ。
授業中のわたしみたいに、薪ストーブの前でうとうとしていた。あれって猫もするんだ。知らなかった。
ぼたもちのごはん代と病院代をつくるために、わたしは自分のお店で牡丹餅を売る。
あの子の名前はぼたもち。
たくさんの人に愛されているのらねこだ。