【映画レビュー】『ブルーバレンタイン』:「計算されつくした」映画が見せる「計算不能」な愛の苦しみ
「あんなに愛し合ったのに…」
どこかで聞いたようなセリフだが、この言葉が訴えかけることは、人間が永遠に解決できない問題であるような気がする。
この映画は、ある夫婦の今の日常を映し出すところから始まる。
そして、その男女が「最初に出会ってから今にいたるドラマ」と、「今から破局に向かっていくドラマ」が並行して映し出される。
見ている者は、男女が熱狂的な恋に落ちていく様子と、その二人が通じ合わなくなっていく様子を同時に見せられるのである。
ものすごく計算しつくされた、ある