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保育士の離職理由No.1が“人間関係”であるわけ

こんにちは、水原です。
ハードすぎる夏休みを終えてから、あっという間に1か月も経ってしまいました。


今日は、保育士の離職理由について。
保育士の離職率が高いことは今に始まったことではないですが、離職理由のTOP3は、

①給料 ②労働条件 ③人間関係

と言われています。
保育の仕事を続けるか否か、悩みながら過ごしている方も非常に多いと思います。

①の給与面はもちろんのこと(いい加減労働量と労働内容に見合う適正な給与水準に底上げしてほしい)、②の労働条件に関しても、休憩が取りづらい、有給が取りづらい、仕事量やサービス残業が多い、無駄な手間を省ける環境がなく効率が悪い(手書き文化が根強く残っている)等々、問題は山積み。

保育の仕事については以前書いた記事があるので、興味があればそちらもご覧ください。



そして今日は、③の人間関係について掘り下げたいと思います。

保育に限らず、どんな仕事にもつきまとう人間関係の問題ではありますが、保育の仕事においては特に、人間関係が良くも悪くも、最も大きく影響してしまい、割り切れない問題であると私は思っています。
私が思うその原因を、2つ挙げたいと思います。


その1.人間関係で悩むことがあっても、一定の距離を保って仕事することが難しい


人間関係で問題が発生した場合、苦手な人や合わない人とは距離を取るとか、別の人に間に入ってもらうとか、担当を別の人に変わってもらうとか、一般的にはそういった対応を取るのではないかと思います。

しかし、保育の仕事は基本的には「複数人のチームで」「多人数の子どもに対して」「同じ方向性を持って保育を行う」ものです。

もちろん園によって方針も異なりますし、個々にそれぞれのやり方で自由にやっているところもあるかもしれませんが、一般的な保育所等では、園の方針に則って一貫性のある保育を行っていると思います。

そのため、保育の仕事をする上で職場の上司や同僚、後輩などとうまく関係を築けない場合でも、常に同じチームで、同じ空間で、同じ子どもたちと、同じ方向性で一緒に向き合っていかなければならないため、「(物理的に)ちょっと距離を取って自分の仕事を淡々とこなす」ということができないのです。

本当にどうにもならないほどうまくいかない場合は、管理職に申し出て、チーム編成や組み合わせ等を変えてもらうことも出来なくはないと思いますが、例えば保育所では、年間を通して子ども一人ひとりの保育カリキュラム等を準備・作成し、子どもの発達に合わせた保育をチームで運営していくのが一般的であり、一年間同じチーム編成で保育を行います。

そのためクラス編成等の人員配置の変更は、なかなか難しいのが現状ではないかと思います。
また、クラス担任になっている場合は、保護者への説明等も必要となり、担任を変わることの責任や負担も大きいと思います。


その2.保育観のすり合わせが必要不可欠


保育士は一人ひとり、「保育観」を持っています。
子どもに対してこんな声かけをしたい、こんな姿勢で接したいという思いだけでなく、子どもが何をしたら褒め、何をしたら叱るべきかといった境界線も本当に人それぞれで、複数人で同じ子どもたちを保育する場合にはその保育観のすり合わせが必要不可欠となってきます。

保育には正解などありませんし、いろんな考えや価値観を持った保育士がいることは多様性にも繋がり、子どもにとっていい影響を与えることもあります。

ただ、チーム内である程度一貫した保育観のすり合わせがないと、例えば『A先生は〇〇と言ったのに、B先生は××と言っている』『C先生は怒らなかったのに、D先生には怒られた』といったことが起きてしまい、子どもたちが保育士に不信感を持つことに繋がります。


チームで保育を行っている以上、このようなことを避けるためにも保育観のすり合わせが必要となってきますが、これが非常に難しい。

チーム内でうまく意見交換できる人間関係があればいいのですが、朝から夕方まで日々の保育に追われ、なかなかゆっくり意見交換をする時間が取りづらい現状や、上下関係等の対等でない関係性もあり、保育観のすり合わせが行いづらいことも多々あるのではないかと思います。
それによって、自分の思いとは違った保育をせざるを得ない場合も。


以上の2点が、保育の離職理由の大部分を人間関係が占めている、具体的な原因ではないかと感じています。


保育業界では有名なてぃ先生も、このような呟きをされています。

保育業界のマネジメント問題は非常に大きなものだと思います。

管理職以外の保育士はほとんどが現場要員であり、職場内のマネジメントを行う人員も時間の余裕も、その体制づくりすら出来ていないところも多い
のではないかと思います。

職場内の人間関係で問題がないか管理・指導する人やそのスキルがないため、問題が起きても委小化されて終わり、その繰り返し。

保育士の人間関係は、子どもに対する保育に必ずといっていいほど影響を与えます。
うまく連携が取れていない環境で、いい保育など行えるはずがありません。


そのためには職場内のマネジメントを行える体制づくり、人員確保のための予算を付けないことには何も始まらないと思っています。
保育士の給料が薄給なことは言うまでもありませんが、すべては繋がっていて、保育を軽視されていることに他ならないと思います。

本当になんとかして。


子どもたちと密接に関わる日々の保育には、保育士一人ひとりの資質や素養が大きく影響しますが、残念ながら保育士にも、子どもにとっていい保育をしている方とそうでない方がいます。
私自身も『あの時ああいう対応でよかったのかな・・・』と振り返り悩みながら仕事をしていますが、自分の保育を驕らず、“子どもにとって”いい保育を試行錯誤しながら見つけていきたいと思います。



久しぶりに思ったことを綴ってみたら、すごく楽しい。
書きたいことはたくさんあるのだけど、今日はこの辺で。

お読みいただき、ありがとうございました。

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