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組織づくりやサービスの質向上に第三者評価を生かせていますか

福祉サービス第三者評価は全国的な仕組みとして位置付けられていますが、全国の受審件数の8割近くを東京都が占めており、東京都以外の道府県での受審が進んでいないということの裏返しでもあります。

東京都は、福祉サービス第三者評価の受審費用を都が補助金として賄ったり、福祉サービス第三者評価の受審の実績により、東京都独自の補助金である「経営支援補助金(サービス推進費)」に影響するという、「アメとムチ」の施策が導入されています(それぞれのサービス種別で取り扱いが若干異なります)。

特養については、福祉サービス第三者評価を受審すれば60万円、利用者調査は20万円を上限に補助金を受けることができます。
そのため、施設としては持出することなく、組織やサービスの質向上に関する客観的な評価を受ける機会を活かしています(そういうわけで、都内特養のほとんどの施設は、毎年、福祉サービス第三者評価を受審しています)。

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ただし、「受審したらおしまい」ではなく、第三者評価の評価結果報告書で指摘のあった「さらなる改善が望まれる点」について、「改善計画・実施状況」を作成し、業務改善に向けて何に取り組むかを都に公表することが求められています(施設・事業所内に掲示し、利用者にも周知を図ることが求められています)。
今回は、これまでの組織・サービスに関するカテゴリーごとの改善に向けた取り組みではなく、福祉サービス第三者評価の活用方法について取り上げたいと思います。

出来ている・出来ていないかではなく、どう深められているかを評価する

福祉サービス第三者評価を行う上では、「標準項目」という評価の基準が定められています(東京都版や全社協版など、自治体によって、アレンジしてあるところもあります)。

評価機関の考え方や第三者評価のあり方に左右される部分もあるのですが、標準項目に対して「出来ている・出来ていない」の視点で評価する評価機関もありますが、私たちは、「出来ていることに対して、どのように出来ているか」「出来ていないことに対して、どうすれば出来るようになるか」という視点で評価を行っています。
東京都内では第三者評価結果が"福ナビ"というインターネットサイトで閲覧できるようになっています。
高齢、障害、児童などさまざまなサービス種別の取り組みをぜひ参考にしてみてください。

できていることに磨きをかける(ブラッシュアップ)

せっかく評価を受けていただくのであれば、「出来ていることに対して、どう出来ているか」(高次化)、「出来ていないことに対して、どうすれば出来るようになるか」(改善)につなげていただきたいと思っています。
高次化であれば、すなわち施設・事業所の強みですから、さらに磨きをかけていきましょう(ブラッシュアップ)。

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東京都福祉サービス第三者評価の評価者として、他事業所の事例などのさまざまなノウハウを凝縮しております。一部無料で読めるようにしました。

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