【体験レポート#前編】ヴィパッサナー瞑想
■ はじめに
この記事は、去年(2019年)の12月にインドのブッダガヤで参加した、ヴィパッサナー瞑想の10日間瞑想合宿についてまとめたものです。合宿中は読み書きが禁止なので、毎日書き留めることはできませんでした。下記は、合宿終了後に記憶をたどり、二人のそれぞれの様子を書きなぐったものです。(体の感覚や感情の変化、瞑想の雰囲気など) 日記感覚でありのままをずらずらつらつらと書いております。よろしければご覧ください。
ヴィパッサナー瞑想とは?という方はまずはこちらの記事から↓
瞑想合宿、始まり。
ブッタガヤの街をお昼に出発。集合時刻14時の結構前(1時頃)に瞑想センターへ到着。参加者がちらほら集まってきて、参加の手続きを行っていた。
インド人が半数を占めているが意外と外国人が多く、ちょっとホッっとする二人。日本人の男性はオットのみ。女性はあと二人日本人がいたようですが結局わからず。笑 年齢は20代と私たちのお母さん世代が多め。30代くらいの中間層は少ない印象だった。
手続きを終え、部屋が割り振られる。初めて参加する生徒は二人部屋で10日間過ごす。バストイレ、ベッド二つ、蚊除けのカヤ。ほんとに寝るだけの空間。
ちなみに、Rin が最初部屋に入った時信じられないくらいの蚊がうじゃうじゃいて 終わった…と思った。持ってきた”フマキラーおすだけベープ”を1プッシュ。びっくりするくらい効果絶大。おすすめ。←戒律がグレー(いや、アウト)ですが、虫除けベープは持ち物に書いてあったので…さすがにやってしまった笑
夕方、オリエンテーションが行われ瞑想ホールへみんな召集される。(ここからもう男女別)しばしお互いお別れ。礼儀正しく握手をしてお別れした。
瞑想をする場所(座布団)やご飯を食べる場所は、最終日まではじめに座ったところから固定。食器も自分で使ったものを使い、洗って自分の机に置いて置くシステム。
というような感じで、オリエンからいろんなことがありクタクタ。笑 しかもインディアン英語の壁もなかなか苦しい。ただでさえ英語が得意なわけではないのに…ほぼ一回で聞き取れない。(ただ、ブッタガヤの瞑想の講義は日本語オーディオがあるのでありがたい。)
明日から始まる1日目に向けお互い身支度をととのえ、夜10時おやすみなさい。明日起きた瞬間から沈黙が始まる。(もちろんルームメイトとの会話も×)
朝4:30から夜9:30までひたすら瞑想、瞑想、瞑想….。 怖。
【1日目】 _ _ _ _ _ _ _ _
朝起きた瞬間、沈黙がスタートする1日目。
寝るか食べるか、瞑想するか。.
4時にゴーーーーンと鐘が鳴りみんなが起きる。あたりはまだ真っ暗。お互い朝は苦手ではないのでそれほど辛くない。
グループ瞑想はホールに集まりみんなで瞑想。それ以外はどこで瞑想してもいい?時間なのですが、ほとんどの人がホールでそのまま行っていたのであまり変化はなく。
日本語オーディオがあると聞いてホッとしていましたが、しばらくずっと英語なので…
(Rin) やばい…インドの先生が何言ってるのかほぼ分からず。泣きそうになる。半泣き。瞑想どころか結構言葉の壁にメンタルをやられる笑 後から遅れてオーディオがある場所に案内してくれて一応一安心。
(Masaru) は最初からオーディオをもらったようで幸先良いスタート。
座布団にクッションを敷き、みんな自分なりのあぐらをかいて座る。
最初は”アーナーパーナ瞑想”という瞑想法の修行。目を閉じて鼻付近の三角形にのみ集中し自分の自然な呼吸を観察する。呼吸の仕方を教わるのではなく、”今”の自分の自然な呼吸を観察するトレーニング。それだけ。
ただそれだけ。それだけなんだけども。
Masaru は体が硬くて、長時間地べたに座るのが心配だったがクッションのおかげで意外といけるかもしれない。謎の自信が。瞑想自体は呼吸観察できたという感覚が早々に…しかし、途中から妄想の世界に入った。
Rin は頭の中が1分も持たない。笑 気づいたら頭の中が過去と未来でいっぱいになって気づいては呼吸に戻って…を繰り返し。呼吸観察とは。となってしまう。もともと下半身の血流が悪めなためすぐに足は痺れた。
あぐらの足を組み替えて座り直し…という感じで、午前、午後。ひたすら呼吸観察。
お互い一番の楽しみはご飯タイム。逆にそれ以外の時間に楽しみを見出す方が難しい。笑 インドなのでスパイシーさがやばいんじゃないかと心配していたが、万人が食べれるような薄めの優しい味付け。Rin は安心(むしろ好き)。Masaru は物足りなし(もっとスパイスがほしい)。
修行中、食事は実質朝6時と昼12時の2回。幸いにも夕方5時に軽食を食べられるが、お腹は空く。といっても座ってるだけなのだが。笑
夜9時に瞑想終了。 無事1日目が終了。初めてのことばかりで何だかんだとても気を遣い、お疲れ様、な一日。
話す、書くもアウトプットすることで他の影響や考えのズレを生み出してしまうため、今の近況を誰とも共有もできず、自分で書き留めることもできず。もどかしい。
明日も同じスケジュール。おやすみなさい。
【2日目】 _ _ _ _ _ _ _ _
今日も4時起き。
早速筋肉痛というかなんか体に違和感を覚え始める。歩く時が建物間の移動だけで、ほぼ座りっぱなしのため血流は絶対に悪くなってると思う。筋肉も衰えていくんだろうな~と少し心配になる。
何だかんだ辛いのが1番初め4:30-6:30の2時間瞑想。
多分頭が起きてなくて、Rin は90%以上は睡魔にやられていたと思う。ちなみに Masaru はがっつり寝。
ただでさえ無言で、ホール内は暗く、目をつぶっているのだから… 睡眠の条件が揃いすぎてる笑
この日も瞑想瞑想瞑想。
毎度スケジュールの間に5分間の休憩が取られる。みんな一旦外に出て陽の光と空気を浴び、歩いたりして体を軽く動かす(ランニングやトレーニングなどは禁止)。
この時期のブッダガヤは気温はちょうどよく、日中は寒くもなく暑くもなく太陽の光が暖かく、春のようで心地よい。とても良いタイミングで合宿に参加できたなと。(光化学スモッグがすごいので常にガスってるけど笑)
瞑想してまた休憩。みんな話すこともやることもないので…太陽の方を向いて日向ぼっこをしたりただ歩いたり。初日のあわあわした感じはなくなり、お互い落ち着いてきた。
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呼吸を観察しなさい。
常に平静さを持って。
何か感覚に気づいても嫌悪も渇望もなく。
イメージではなく
ただ今の自然に起きていることを観察。
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ただひたすらにオーディオから教えられる。そして実践する。
2日目になっても、気づくと呼吸のことはどっか行き過去や未来の色んな”妄想”が始まる。本当にシンプルなことなのに難しい。
どれだけ自分が過去や未来をイメージして作って生きているか。いかに自分たちが体の外に意識を向けているか。(例えば、出来事に対して常に無意識に誰のせいと反発したり、ああしたいこうしたいと情欲が出てきたり…) 全ての嫌悪や渇望は人を苦しませる種になっている、ということを体験を通して教えてくれます。
2日に1回ほど数人グループで先生の前に座り、自分たちが観察したこと等の近況報告や、瞑想について分からないことを質問する時間がある。(先生との会話や目合わせは必要なタイミングでok) 泣きだす人もいたり、たくさん質問する人もいたり…本当に人それぞれ。
Masaru は意外と英語が聞き取れたようで、積極的に質問を。Rin は先生の言葉の理解と自分の状況を伝えることに必死。 “言葉にできないような感覚であってもいいのです。” と教えられたけど、その感覚を英語で伝えるって。色々とハードルが高いじゃないか。笑
夜は毎回1hほどの講義がある。まずは実際に体験することから学び、1日の最後、説明により理解を深めていく。非常に興味深い話で学びがあり、この時はバッチリ起きている。
午後9時。終了。
部屋に帰ってトイレとお風呂。沈黙、ジェスチャーもなし、視線もなし。どっちが先にそれぞれの用をすませるか…雰囲気で察しルームメイトとの空気の読み合い。 “おやすみ”もなく、就寝。
明日も鐘の音で目を覚ますのか。おやすみなさい。
【3日目】 _ _ _ _ _ _ _ _
朝起きて、瞑想。はやくも終わりまで何日か数え始める。あと7日。
なんかバタバタ作業しているのならあっという間だが、今回は一分一秒に重みを感じる。笑
徐々に体が慣れてきて痺れる回数や時間も少なくなってきた。しかし、
Masaru は体の節々が痛くなってくるという体の変化。そして朝から鼻水が止まらない。(瞑想アレルギーが出てきているのかもしれない) 時間が経つのがすごく遅くて、嫌なことしか考えられなくなって本当に辛かった。笑 ただ瞑想中は鼻の通りが良くなるという謎のパワー。
Rin はちょっと慣れてきたことで心に余裕が出てくる、と同時に頭にも余裕が出てきてしまい…さらに頭ん中が過去や未来にトラベリングしていた。笑 集中力のかけらもなく自分にガッカリ。心配性の性格だが、幸いにもそこまでネガティブな妄想はしなかったので安心した。笑
毎度、瞑想フィニッシュの鐘がなるときはその解放感に心の中で大喜びしていた。
現実を見つめるのに…感情がもう…これが人間… ごめんなさい。
解放された後のご飯。幸。
毎回パターン化された食事が出てくるけど、少しずつ違う。初めて食べる食べ物や料理ばかりで、ベジタリアン料理。 その国の料理が安全に毎回食べられるのは、嬉しいしありがたい。水もちゃんとしたウォーターサーバーがある。甘いホットチャイも食後に飲むのが日課になった。
自分で配膳をし、量も自由。このご飯タイムここでも文化?の違いを実感。みんなが配膳の列をつくる中、平気で割り込んでくるインドの方。onlyoneと書かれた食べ物を平気で2つ3つわし摑んでいくインドの方。(あくまでも数人ですが…)
瞑想のせいか特にイライラはしなく、むしろ並ぶことは私たちが勝手に常識と思っているだけなんだよな、と冷静に考えるようになった。
3日目終了。あと7日。
【4日目】 _ _ _ _ _ _ _ _
今日は午後のグループ瞑想後、次のステップとして新しい方法が教えられた。それが今回の瞑想の名前になっている、ヴィパッサナー瞑想法。
頭のてっぺんからつま先まで、体のすべての部分で感覚を感じなきゃいけない(言い方)修行。それも、平静さをたもちながら感情的にならず (痺れる→嫌悪× 気持ちよい→興奮や渇望×)
今体に起こっていること…痛み、痒み、暖かさ、振動、乾燥などとにかくありのままに観察。
私たち初心者は感覚を感じない部分もあります。”それにがっかりしてもいけません。(=嫌悪)”
座っている姿勢が心地よく感じることもあります。
“それに対し、このままでいたい!とかもっと心地よく!とかも思ってはいけません。(=渇望)”
という感じで。
※簡単なニュアンスの説明なので…これを見て実践しないでください。正確に理解しないとズレた間違った瞑想になってしまう可能性があるので…。しっかり講義を受けてやることをお勧めします)
冷静に難しすぎる。情は出ちゃう。
Masaru:毎日”辛い”の最高記録を塗り替えていく。感覚の敏感さだったら現役時代なら…もっとできたんだろうな~と思ってしまう。
Rin:たまに感じる感覚も、本当の感覚か、自分がイメージしてしまっているのかもわからなくなってくる。笑
ただ、この10日間は”今”の状況を観察するのみ。そして、説明を聞きながら言い渡されたこと。
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そのまま1時間(グループ瞑想中)、
あくまでも平静に
一度も目を開けず
一度も姿勢を変えず
動いてはいけない。
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ということ。これを最終日までグループ瞑想の時間は実践するとのこと。
そして、この日は瞑想する部屋(パゴダ)が1人ずつ用意されていた。トイレの個室ほどの部屋がずらっと並んでいて、部屋にあるのは座布団のみ。そこで座る。ひたすら瞑想。
Masaru:刑務所のような感じで初めて見たときちょっとゾワっと。空気が乾燥していて、変な静けさがあり…ここでは無理だ。と思ってしまった。静かなんだけど逆に外の音が響く… ああ。。。
Rin:新しい場所だからか…すごいソワソワした。そしてなんかすごい良からぬ妄想をしてしまった。電子機器も奪われ外界とも完全にシャットダウン、誰かがなんかしようと思えば何かできてしまう犯罪が起きてもおかしくない。…カンボジアのポルポト事件を思い出してしまった。 イメージが壮大。ザ、情緒不安定。
そんな感じで新たな変化があった4日目。
つらい!!!!!!!!!!拷問だ。 (とも思っちゃいけない) 自分との闘い。笑
その後のティータイムはとても美味しく感じた。しみた。
あと6日。
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続く.... !!