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ため息俳句 青すすき
上嶋鬼貫の句にある。
面白さ急には見えぬ薄かな 『河内羽二重』元禄4
句意は、「ススキの面白さはすぐには見えないものだよ」という、ことば通りだ。
これは、秋の七草のひとつススキの様子について述べているのだが、『独ごと』ではこのように云う。
薄は色々な花もてる草の中にひとり立て、かたちつくろはず、かしこがらず、心なき人には風情を隠し、心あらん人には風情を顕はす。只その人の程々に見ゆるなるべし。
確かにススキという植物は時々の場面によってさまざまな姿をして現れて来て、人々の心に映るものだ。
中でも、身近に見るのは十五夜飾りのススキである。名月にススキは定番である。
名月や芒に坐とる居酒呑 一茶 七番日記
こんなのは、まあうれしい方のススキである。
だが、「幽霊の正体見たり枯尾花」は、もとは横井也有の「化物の正体見たり枯尾花」であると言われているが、幽霊であっても化け物でも、ほとんど変わりない。これも、人によっては、そう見えるものだということだ。
前置きが長くなったが、青芒である。
自宅に庭と畑の両方にススキを植えている。初めは、庭の隅にひょろひょろとあったのだが、株を取って畑に移すと今はそこそこの株に成長してしまった。葉にすこし白い斑がはいったものであるが、花は普通である。
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この青葉の生えそろってきたススキも、すこし蒸し暑い今日のような気候のは、とても涼しそうでよいものだ。梅雨時に濡れて一層緑が艶やかになるにものよい。青芒は、夏の季語だ。
青すすき熊谷辺りで涼し気な 空茶
畠暮れて一塊に青すすき
月影や地上乱るる青芒