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ため息俳句 夏葱

  うどんにしろ、蕎麦にしろ、ラーメンであっても、薬味に葱がないことには、はじまらない。
 そこで、自分の畑でも年間を通して葱を作っている。
 葱といえば、冬のものというのが一般的であるから、「葱」であれば季題は冬になる。隣町の深谷葱も代表的な冬葱である。
 しかし、葱はいつだってなくてはならない。
 深谷葱などは根深葱というが、夏場の今は我が家で食べられるのはワケギと呼ばれる葱である。関西では一般的な九条葱はワケギであるが、我が家のワケギとは別物だ。自分はワケギワケギと呼んでいるが、本当は「分け葱」である。
 葱というのは、自分の印象ではたいそうタフな作物で、素人でも間違いなく食べられるものに仕上げられると思う。
 ともあれ、夏の年寄りには、喉越のよい麺類が何よりだ、だから薬味葱は本当に欠くことができない。
 それに、ミョウガも。これも庭の片隅で収穫できる。冷や奴には、この二つが揃うといい。納豆には、葱とオクラである。

一畝ひとうねの葱に夏越ゆ老い二人  空茶

夕立のあがるを待ちて葱抜きに


 
 ついでに言うが、葱味噌も好物だ。これだけで、飯の一杯ぐらいは行ける気がする。 

一日もの云はずとも飯に葱味噌