ため息俳句 コスモス
コスモスのそろりと蝶を迎へたる
本日彼岸の最終日を走り口という。この辺りでは、彼岸の中日でなく、この日に墓参りすることが定着してきたが、この頃は忘れてきた。
しばらく前までは、家族そろっていったものだ。道々、彼岸帰りの遠くに住む幼い子供たちもふざけ合ってたのしい墓参りだった。
野の菊も摘みて手向くる町の子ら
コスモスという名は、ギリシャ語由来であって、あの宇宙の意味のコスモスと同じ語源であるという。
倒れてもコスモスの花空に向く
コスモスの花のあの浮遊感は、よいものだ。
ところで、コスモスの花は蜜源となる植物であると聞いたことがある。けれども未だかつてコスモスの蜂蜜を味わったことがないのである。
コスモスの蜜なら欲しき今宵かな
温かな白湯に、スプーン一杯の蜂蜜を溶かして、よく眠れそうではないか。
こんな夢も見ずにぐっすりと。