ため息俳句 臘梅の花
荒川にそって少し遡行して、深谷市川本という所の鹿島古墳群まで行った。
こんな規模の古墳が点々とある、ちょっとミステリアスな景観である。
古の墳墓たどりて枯れ野かな 空茶
この鹿島古墳群は、公園になっていて、その一角に臘梅の林がある。
この土地の人々が植林したものである。
今日は、その臘梅を見に出かけたのだ。
臘梅は細かな枝を頭上を蔽うように盛んに繁らしていた。
その下に立つと甘い香りが舞い降りてくるようだった。
その名の通り蝋燭に似た質感を合わせ持つ。花というなら少しばかり奇妙なものだ。
誰が見ても普通の花びらではない。「花被片」というモノらしい。花弁と萼が形態的に類似する、あるいはほとんど区別できない場合に、それらをまとめて花被片というのだそうな。
ともあれ、半透明のぽってりした黄色の花は、見上げると冬の青空の下に一層映えて、なかなかよいものだと思った。