見出し画像

ため息俳句 臘梅の花

 荒川にそって少し遡行して、深谷市川本という所の鹿島古墳群まで行った。

川本地区本田の荒川右岸の河岸段丘上には100基を超す古墳が分布していたといわれ、この内、東西800mにわたって分布する56基の古墳が埼玉県指定史跡の範囲に含まれています。古墳が造られたのは、6世紀後半から8世紀初頭まで、その多くが直径10~20mほどの小規模な円墳です。
この地域を治めていた豪族の墓域と考えられます。
古墳の数や分布範囲の広さにおいて埼玉県でも有数の規模をもつ古墳群として昭和47年に埼玉県指定史跡に指定されました。

深谷市hpより

 こんな規模の古墳が点々とある、ちょっとミステリアスな景観である。

古の墳墓たどりて枯れ野かな  空茶


 この鹿島古墳群は、公園になっていて、その一角に臘梅の林がある。
 この土地の人々が植林したものである。
 今日は、その臘梅を見に出かけたのだ。
 

 臘梅は細かな枝を頭上を蔽うように盛んに繁らしていた。
 その下に立つと甘い香りが舞い降りてくるようだった。

 その名の通り蝋燭に似た質感を合わせ持つ。花というなら少しばかり奇妙なものだ。
 誰が見ても普通の花びらではない。「花被片」というモノらしい。花弁と萼が形態的に類似する、あるいはほとんど区別できない場合に、それらをまとめて花被片というのだそうな。
 ともあれ、半透明のぽってりした黄色の花は、見上げると冬の青空の下に一層映えて、なかなかよいものだと思った。


臘梅や目眩めくるめくほどにきらきら


香りとは色無きはずの臘梅ぞ